今回の記事では、学童の生活の1年間の見通しについて説明します。
僕はいつも行き当たりばったりっす!
支援員が、1年の生活の流れを把握しておくことで、子どもの成長に見通しを持って、その時々にふさわしい取り組みや必要な支援を考えることができるんだよ。
子どもの様子に心配のある保護者に対しても、見通しを与えてあげることで、安心してもらえたり、保護者が子どものサポートをしやすくなったりするなど、保護者にアドバイスをするうえでも大切なんです。
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目次
1年間をザックリ5つの時期に区切って考える
私は、1年間を5つの時期に分けて、今がどの時期か、次はどの時期がくるのか、ということを常に考えています。
5つの時期とは
- 4月から5月の連休明けまでの時期
- 連休明けから夏休み開始までの時期
- 夏休み期間
- 9月から冬休み明けまでの時期
- 1月から3月の時期
もちろん、もっと細かく、1年間を1か月ごと区切って考えることもできるのですが、私は、この5つの時期に分ける考えかたが、わかりやすいと思っているので、皆さんにもおすすめします。
ポイントは、ざっくり考えるということです。「この通りでないといけない」と思ってしまうと、かえってうまくいかなくなります。目の前の子どもの姿から、軌道修正をしたり、時には大胆な変更も大切です!
では、それぞれの時期の特徴と、支援のポイントを見ていきましょう。
4月から5月の連休までの時期
新年度は、1年生の子どもたちと学童の出会いの時期です。1年生が毎日楽しく学童に通えるように、手厚く支援していきます。
1年生が仲間や遊びの輪を拡げていく土台となる「安心感」を、支援員とのかかわりや1年生同士の「横の関係」の中で育んでいきます。
4月は、1年生だけでおやつを食べたり、1年生と支援員が過ごす時間をたっぷりととりましょう。
1年生の子どもたちは、支援員や1年生同士の友達関係の中で安心感をもつことができると、上級生や様々な遊びのグループへと活動の幅を広げていくようになります。
1年生は、見た目以上に疲れています。この時期、家に帰って夕食の途中で寝てしまうなどの話をよく聞きます。個人差も大きいですが、1年生が体力がついてくるのは夏休み明けごろです。
上級生の子どもたちも、新年度は、進級の喜びにあふれています。「新年度の魔法」にかかったような状態です。そんな上級生たちの素敵な姿をしっかりと認めてあげることも大切にします。
中には、1年生とうまく関われずにトラブルになってしまう上級生もいます。だれだって最初からうまくいきません。「2年生は1年間を通して2年生らしくなっていく」というように長い目で見ることが大切です。
この時期、年度変わりの環境の変化で不安になったり、調子を崩す子どももいるので注意が必要です。
連休明けから夏休み開始までの時期
5月からは、小学校の授業が本格的になります。
5月の連休明けは、調子を崩す子どもがいるので気をつけましょう。
子どもたちは、新年度の緊張感が少しずつほぐれてきます。「新年度の魔法」が解けてくるんですね。よく言えば、肩の力が抜けてくる、悪く言えば「だれてくる」時期でもあります。いつまでも張り切っていたら1年間もちません。緊張がとけて自分らしく甘えたりわがままを言えたりすることはとても大切なことなんです。
1年生も、少しずつ、本来の自分を出し始め、色々な遊びに挑戦するようになります。
慣れてくると、疲れが出たり、文句が出たり、甘えたりすることも増えてきます。
学童が少しずつ本来の自分を出せる「居場所」になってきた証拠ですね。しっかり受け止めてあげましょう。
異年齢の班活動などは、1年生が学童に慣れてきたこの時期から、始めて行くのがいいと思います。
5~6月は一気に気温が上がるので、熱中症には注意が必要です。
夏休み期間
夏休み期間は、1日保育でたっぷりと遊ぶ時間があり、子どもが大きく成長する時期です。
夏休みを乗り越えたころには、1年生もすっかり「学童っ子」の顔つきになります。
夏休みは、怪我やトラブルも増えます。
夏休みは、仲間関係が濃密になり、子ども同士のけんかやトラブルが頻発します。トラブルを通してお互いの思いに気付き、子どもたちが、仲間関係を深めていけるように支援します。
また、全国的に見ても、大きな怪我や事故は、長期休みに発生しやすい傾向がありますので、安全面には十分注意しましょう。
学童によっては、夏休みに合宿やキャンプ・夏祭りなどが催されることもあります。
これらの行事は、一人ひとりの子どもたちや、子ども集団が成長することを意図して取り組んでいきます。
9月から冬休みまでの時期
1年生もこの時期には、ずいぶんたくましくなっています。
4月からの生活や、夏休みの行事を通して、子どもたちの仲間関係や遊びが、深まり、拡がっています。
異年齢の仲間で、ドッジボールなど、ダイナミックな遊びが盛り上がるようになります。
夏休み明けは、生活のリズムが変わるため、調子を崩す子どもがいるので注意が必要です。
秋にかけて、小学校の運動会や学習発表会に向けた練習があるため、子どもたちにとっては、疲れやすい時期になります。
学童では、ゆったりと過ごす時間を大切にしたいですね。
この時期、学童をさぼったり、行きたくないと言い出す子どもが増えます。
その理由として、学童以外の小学校の仲間関係の深まりなどがあげられます。仲の良い友達で学童に行っていない子どもと遊びたいんですね。
「なんで僕は学童に行っているんだろう・・・。」「なんで学童に行かなくてはならないんだろう・・・。」1年生や2年生の子どもたちが、それまで当たり前に通っていた学童生活に疑問を感じたりするようになります。
親も揺れます。
この時期を上手く乗り越えることは子ども・保護者・支援員にとってとても重要です。
学童保育は子どもが行きたいから行く場所ではなく、親が働き続けるために子どもが通う場所です。原点に立ち戻り、そんな中で、子どもにとってよりよい解決を一緒に考えていきます。
1月から3月の時期
1月から3月は、1年間の成長を確かめ合い、子ども達が自信をもって次年度を迎えられるようにするための準備期間です。
卒所式や修了式など、年度末行事は、1年間の集大成として、一人ひとりが成長を実感できるように、また、学童全体の一体感が感じられるように取り組んでいきます。
1年の成長を子どもが感じられることで、進級に向けた前向きな気持ちが生まれます。
卒所式を立派に行うことで、下級生の子どもや保護者にとって成長の目標となると同時に、長い学童生活の見通しが生まれます。
インフルエンザや、様々な感染症が流行する時期ですね。
この時期には、様々な困難を乗り越えて、子どもたちは学童に通うことがすっかり当たり前になっています。
だからこそ、思い出してほしいんです。1年生の4月の、1日1日を学校で過ごせたことだけで親や支援員が喜び心からほっとできた時期があったことを。
多くのことを子どもに求めすぎていませんか?
毎日、学童に自分の足で通うことがどれほどすごいことか、そんな1年間の子どもの頑張りがあったから親が働き続けることができたんです。
1年間働いた保護者、1年間学童に通った子ども、お互いの頑張りをしっかり認め合いましょう!
そんな家族の生活を支えた支援員の皆さんも本当にお疲れさまでした!!
さいごに・・・
どうですか?何となく、1年間の流れがつかめましたか?
はい。
子どもの成長に応じて柔軟に取り組むための余白も大切にしましょうね。
学童の生活は、さらに6年間という長いスパンで、見通しをもって子どもたちの成長を支援していくことが大切です。
6年間の見通しや、各学年の目標設定については、以下の記事も参考にしてくださいね。
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