今回は、身近な行事である「誕生日会」をテーマに、新人指導員のたけし先生の悩みや奮闘を通して、学童保育の行事のあり方について考えていきたいと思います。
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こんにちは、がってん学童の指導員、りえです。
4月に私の職場にやってきた、たけし先生は、生意気なところもあるやつだけど、子どもたちや学童保育の仕事と、いつも一生懸命向き合っています。
そんな彼が、誕生日会の担当になって、学童保育の現実と直面しながらも奮闘する姿を、私は見てきました。
彼と一緒に企画を考える中で、私自身、以前より誕生日会のあり方について考えるようになりました。誕生日会について考えることは、学童保育の行事のあり方について考えることにつながり、学童行事について考えることは、子どもや保護者にとっての学童保育のあり方について考えることでもありました・・・。
たけし先生の努力が、子どもたちにとっての、より良い学童保育につながっていくように、先輩として全力でサポートしたいと思います。
このきじはぞくへんで~す!
前編をまだ読んでいない方は、こちらからどうぞ。
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【学童保育】がってん学童の誕生日会論争①~たけし先生の章~「出席率100%が誕生日会の目標??」
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目次
先輩として、たけし先生に伝えたいと思ったこと
誕生日会の「出席率100%」を目標に、奮闘するたけし先生でしたが、様々な都合で誕生日会を欠席する子どもたちや保護者がある現実に、くじけそうになっていました。
あ”ーっ!!
もう、誕生日会なんかやめちまおっかな~!!
プロとして、先輩として、これだけは言える。誕生日会など学童の行事は、指導員の気分次第でやったりやめたりするもんじゃない!
こりゃ~!!
??
たけし先生、私の話を聞いて!
私は、彼にずっと伝えたかったことを話すのは今だと思いました。
たけし先生に伝えたいこと①
私だって、指導員になってまだ4年目で、わからないことだらけなんだけど、今のあなたに
伝えたいことが3つある。
?
一つ目!
うまくいかないことを、子どもや保護者のせいにするな!!
これをやると、指導員としての自分の成長がとまってしまうんだ。
今ある子どもたちや保護者の状態は、私たちの日頃の支援の積み重ねの結果でもあるんだよ。
そう考えて、自分自身のかかわりを振り返って、バージョンアップしていくことが、私は大切だと思っている。
・・・
たけし先生に伝えたいこと②
二つ目!
一人で抱え込むな!
そうやって勝手に目標を立てて、一人で落ち込んで、学童保育は一人でやるんじゃないんだよ。
子どもたちや保護者と一緒に創っていくものなんだ!
もっと、私たち同僚のことや子どもたちのことを信じてほしい。
・・・
たけし先生に伝えたいこと③
三つ目!
良い面を見つけろ!
自分たちのかかわりや、子どもたちの放課後の営みの中にある、課題や反省ばかり見てはだめ。
その中にある「良い部分」をどれだけ見つけられるかが大事だと私は思っている。
たけし先生の誕生日会の企画のおかげで、子ども達、学童に楽しんで通うことができたと思うんだ。
今の誕生日会には、課題もあるかもしれなけれど、これまでの成果や頑張ってきた自分自身のことも、しっかりと認めてあげなくっちゃ。
おれ、一生懸命やってきたつもりだったんだ・・・
知ってる。あなたの頑張りをずっとそばで見てきたんだもん。
先輩・・・
おれ・・・
たけし先生・・・
最後にもう一つだけ言っていい?
ここからが勝負よ!
うお~!!
こうして、私たちは、一致団結して、より良い誕生日会に向けた新たなスタートを切ったのでした。
職員のチームワークがないと、いい誕生日会なんて作れないもの。
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誕生日会の「出席率100%」の目標について
たけし先生が落ち着いた様子を見て、私は、本題を切り出しました。
たけし先生にずっと伝えたかったことがあったんだ。
なに?なに?
私は、4月に、たけし先生が「誕生日会の目標は100%の出席だ~!」って発表した時に、なんだかひっかりを感じて、その後も考え続けてきたの。
私は、そんな風に言えるたけし先生がまぶしいと思った。同時に違和感を感じていた。だけど、うまく言葉にできなかった。
中途半端な思いをぶつけて、たけし先生の思いを否定するだけになっちゃうのが怖かったんだ。
あれから3か月が経って、たけし先生自身が、誕生日会について課題意識を感じている今なら、話し合えると思ったから、言うね。
出席率100%って目標のことなんだけどさ・・・
はい。
私の、学童の行事に対する考え方はちょっと違うの。
たけし先生は、100%の出席率の他に、誕生日会は、「一人ひとりの子どもが大切にされて、仲間のことも大切に思える学童になるために、とても大きな意味があると思う」って言ってたでしょ?
私は、学童保育には、色々な事情で欠席する子ども達がいて、そんな子どもたちが、誕生日会に参加できなくて寂しい思いや気まずい思いをしないように配慮することも大事だと思っているんだ。
誕生日会を休んだ子への配慮?
うん。それだって、100%の出席と同じで、一人ひとりを大切にすることじゃないかな。
100%の目標は間違いってことっすか?
間違いじゃないけど、そこのところをどうやって説明したらよいか、ず~っと悩んでいたの。
それで、やっと思いついたんだけど、こんな風に考えてみたらどうかと思ったんだ。
テレビ番組に例えたら・・・
テレビは、それぞれのチャンネルで、色々な番組をやっているでしょ?
ある放課後の日に、私たちの学童のチャンネルでは「誕生日会」という番組を放送しているとする。
私たちは、その番組が100%の素晴らしい内容になるために精一杯の努力をしているの。
けど、その裏では、「習い事」という番組があったり、
スイミングの日なんで、誕生日会お休みします。
普段は仕事で放課後を一緒に過ごせない「家族の時間」っていう番組も放送されているの。
仕事が休みなので、欠席します。ごめんなさい。
それでね、大事なことは、私たちのチャンネルも、そのほかのチャンネルも、子どもたちにとっては、とても大切なの。
保護者が子どものことを大切に大切に思って選んだ番組なの。
私たちは、私たちの番組がより良いものになるように頑張る。同時に、他の番組のことも尊重する。
ぼ、僕は、誕生日会を盛り上げることに必死で、他のチャンネルのことなんて、考えてなかった・・・。
私たちは、学童保育がより良いものになるように、精一杯頑張りながら、学童保育以外の子ども達の生活も大切に考えなくっちゃいけないと思うんだ。
私がそんなふうに思うようになったのは、子どもの権利条約を学んで、「子どもの最善の利益」について考えるようになったからなの。
さいぜんのりえき?
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子どもの最善の利益とは
正直に言うとね、私にとって、「最善の利益」って、「幸せ」とか「愛」とかと一緒で、ちょっとつかみどころがない言葉なんだ。
だから、私は、まだ、子どもの「最善の利益」についてちゃんと理解できているなんて、全然思っていないの。
何が「最善の利益」かを、いつも考え続けることが、今の私の「修行」。
そうやって考え続けていたら、いつか、形のない「最善の利益」が見えるようになるんじゃないか、なんて・・・。
えへへ
うふふ
それで、誕生日会のことを考えていたらね、子どもが、誕生日会かスイミングかどっちかしか選べないって状況を、どうやったら解決できるかな、子どもが「やりたい」と思った時に、どっちも体験できる方法って本当にないのかな?って、そんな風に知恵をしぼることや、子どもたちや保護者と一緒に考えていくことこそ、私たち指導員の仕事なんじゃないかという気がしたの。
それとね、子どもの権利と学童行事を考える時に、とても大切なことなんだけど、子どもには「参加しない権利」だってあるんだよ。
参加しない権利?
うん。そこまで考えたうえでの出席率100%だった?
正直言って、
まったく考えていませんでした!
誤解のないように言っておくけど、私は、「100%の子どもが出席したくなるような、素晴らしい誕生日会を目指したい!」っていう、たけし先生の思いは、すごいと思っているんだ。
けど、子どもにとって、「最高の誕生日会」を作るうえでは、たけし先生と一緒に、子どもにとって、「最善の誕生日会」のあり方や「参加しない」という選択肢を残すことも考えていきたいと思うの。
子どもの最善の利益を学童保育の生活の中で考える時は、私はこの言葉を大切にしてる。
子どもにとって一番いいことを、子どもたちと一緒に考えていくこと
今後の誕生日会のあり方についても、こんな風に考えていきたいな・・・。
たけし先生も、この言葉を大切にしてくれたら嬉しいな・・・。
はい!
7月の誕生日会の内容は・・・
そんな話をする中で、私たちは、今後の誕生日会のあり方について、考えを深めていき、以下のような方針を立てることにしました。
- 子どもたちの意見を聴いて企画する
- 日常の遊びの延長線として取り組む
- 休んだ子のことも大切に考える
日常の遊びの延長線というのは、その方が、当日参加できない子も一緒に楽しむことができるんじゃないかと思ったからです。
たけし先生の「100%の出席目標」については、随分話し合った結果、残すことにしました。
子どもたちにアンケートをとってみようよ
今までの誕生日会で楽しかったこと、これからの誕生日会でやってみたいことを聞いてみよう!
その結果で決まった、来月の誕生日会の内容が、なんと・・・
じゃじゃ~ん!
居・酒・屋・さんごっこ
だったんです。
なんでそんなことになったのか、次の記事で説明しますね~
(続く)
次回、7月誕生日会企画「居酒屋さんごっこ」の全貌が明らかに!そして、迎えた誕生日会当日、保護者からの予想外の要望に騒然となった職員たち。たけし先生の涙の理由とは?感動のフィナーレ、こうご期待!
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おまけ(子どもの権利を学べるおすすめの書籍)
私が、子どもの権利について勉強したのは、この本です。
子どもの最善の利益は、「子どもにとって一番いいことを、子どもと一緒に考えていくこと」という言葉は、この本からいただきました。
ぜひ読んでみてくださいね。
僕も読みます!!