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学童保育指導員の皆さん、「がってん!学童」に立ち寄っていただきありがとうございます!
このブログでは、学童保育を愛し、学童現場で苦労する指導員の皆さんに向けて様々な情報を発信しています。
放課後児童クラブの「ク」は苦労の「苦」、「ラブ」は愛の「LOVE」。放課後児童クラブは、愛と苦労でできている!
私自身も、現役の放課後支援員として、日々学童の現場で子ども達と関わっています。
このブログに足を運んでくださっている皆さんは、どの地域の学童保育で、どんな子ども達とかかわっている人たちかな~?と思いをはせながら、今日も記事をお届けしています。
さて、今日は、「ギャングエイジ」についての記事となります。
指導員や保護者が、毎日手を焼かされている子どもたちは、ひょっとしてギャングエイジなのかもしれません。
ギャングエイジの子ども達が豊かな学童期を過ごして成長していくためには、大人が注意したい、「かかわりのポイント」があります。
詳しくは以下にご説明していきます。
この記事でわかること
- ギャングエイジとは?
- 学童保育現場でのギャングエイジ
- ギャングエイジとかかわるポイント
- 仲間意識の強さを活かす
- ルールを一緒に考える
- 9歳~10歳の発達時期のその他の特徴
- さいごに・・・
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ギャングエイジとは?
ギャングエイジって言ったら、子どもの発達時期の一つだね。
ギャ、ギャング?ってこんなやつらっすよね??
う~ん、やっぱそのイメージが強いよね。
「ギャングエイジ」と聞くと、どうしても「不良」「荒くれ者」といった印象ををぬぐい切れないのですが、れっきとした子どもの発達過程です。
ギャングエイジ
9歳から10歳ごろ(3~4年生くらい)に見られる発達的特徴。日本語では「徒党時代」と訳される。
ギャングエイジの子ども達は、以下のような行動を示す。
- 6~7人くらいの同性の仲間集団(ギャンググループ)を作って遊ぶ
- 仲間集団の中には、リーダーやフォロワーなどの役割分担がある
- 大人が決めたルールより、自分たちで決めたルール(掟)に従って行動する
- 仲間意識が非常に強くなる一方で、仲間以外を排除しようとすることがある(閉鎖的・排他的)
ギャングエイジには、子ども達が仲間とつるんで遊ぶようになるんですね。
低学年時代のふわふわとした子ども同士のつながりと比べて、仲間同士の結束が強まり、色々な遊びを遊びこむようになります。そして、大人の言うことよりも、仲間のルールを重視します。
秘密基地を作ったり、その中で「掟」や「合言葉」を作って遊んだり、中には、高いところから飛び降りるような危険な遊びを一緒にすることで、お互いの仲間意識を試したりすることもあります。
とかく否定的なイメージがつきまとうギャングエイジですが、この時期の仲間との遊びを通して、「親友」や「友情」「絆」など、人と人とのつながりの大切な概念を理解するようになるのです。
豊かなギャングエイジを過ごすことは、その子どもの人生にとって、大きな財産となるんですね。
学童保育現場でのギャングエイジ
学童では、「ギャングエイジ」の子ども達は、どんな姿を見せているのでしょうか。
ギャングエイジの学童保育での姿
- 指導員への反抗が強くなる
- 少人数の仲良しグループを作って行動する
- 学童に来る途中で寄り道をするなど、グループでルール破りをする
- 指導員から隠れて遊ぶ
- 仲間外れをする。仲間内でも、人間関係に悩む子どもがでる
3年生頃になると、女子のグループが複数できて、「グループに寄せてもらえない」と悩む子がでてきたり、グループの中でも、「権力のあるリーダーと従属的なフォロワーの関係」などによる悩みがでたりするのも、特徴的なケースです。
ギャングエイジは、指導員の言う事よりも、仲間関係を重要視するため、指導員が間に入って、一方的に問題を解決したり、グループを分断したりすることで、問題がさらにこじれたりすることがあるので注意が必要です。
指導員には、子ども達の仲間関係を見守り、子ども達がギャングエイジの中で成長していけるように援助していくことが求められます。
子どもの仲間関係を尊重して、その成長を見守るような我慢強さが大人に求められます。
ギャングエイジとかかわるポイント
ギャングエイジの子ども達が、学童で仲間と豊かに過ごしてていくためには、指導員がギャングエイジを認め、その時期の子どもの特徴的な姿や行動を理解しながらかかわっていくことが必要です。
ポイントは以下の2点です!
ギャングエイジのかかわりのポイント
- ギャングエイジは仲間意識が強い
- ギャングエイジは自分たちのルールに従う
仲間意識の強さを活かす
ギャングエイジの子ども達にとっては、何より仲間とのつながりが重要です。時には束になって指導員に反発したり、仲間以外の子どもを排除しようとしますが、子どもの仲間関係を認めながら、我慢強くかかわっていきます。
子ども同士のトラブルは、指導員が前面に出て解決するのではなく、子ども同士で解決できるように援助していきます。仲間の様々な問題を、子どもが自分たちの力で乗り越えられるように見守っていくのです。
仲間集団の中で、子ども達は、「親友」や「友情」という概念を理解することができるようになったり、グループ内のいざこざやぶつかりを経験しながら、約束を守ることの大切さや、仲間を思いやることを学んでいきます。
また、ギャングエイジの子ども達は、集団の中で自分の役割を理解したり、大人の力を借りずに自分たちの力でやってみたい、という気持ちを持つようになります。
この思いを学童保育の様々な場面で活かすと、子どもは大きな力を発揮します。
がってん学童保育所では、3年生はサブリーダーとして、班編成を自分たちでしたり、夏にはキャンプファイヤーの「分火の儀式」を担当します。冬には3年生だけでスキー合宿も行います。これらの学年取り組みは、この時期の子ども達の、「自分たちの力でやってみたい」「役割を担当したい」「でっかいことやちょっと難しいことに挑戦したい」という意欲を大切にしながら行っています。
もちろん、そんな中でも、仲間内でのトラブルは起こるのですが・・・。
ギャングエイジの子どもたちが持っている、エネルギーを、いい方向で思いっきりぶつけられる「何か」を作り、仲間意識の強さで成功させて、達成感を味わえるような体験を学童保育で保証していくことが大切だと思います。
学童のルールを一緒に考える
1・2年生の頃は、指導員が決めたルールを素直に守ってきたのが、ギャングエイジになると、一方的に指導員からルールを押し付けられることを拒んだり反発するようになります。子ども達は、大人が決めたルールより、仲間内のルールを重視するのです。
指導員が、大人としての権力を行使して以下のように子どもに迫ったら・・・
ルールを守るのは当たり前でしょ!!
うっせぇくそばばぁ!
などと言われてしまうこともあります。
自分たちのルール(掟)に従うという特徴は、自分たちで学童のルールを考える力を持っているということでもあります。
ルールが守れないなら、自分たちで守れるルールを考えてみてよ。
めんどくさいけどやってみるわ・・・。
というように、子どもが学童のルールを守らないような時は、指導員自身もそのルールを見直し、子どもと一緒にルールを作り出す活動を行うことが有効です。ルールを作る過程に子どもを参画させるのです。
自分たちでルールを考え、そのルールを守るという活動は、子ども集団の自立につながっていきます。
9歳から10歳の発達時期のその他の特徴
ギャングエイジを受け止めて、豊かな放課後の生活を過ごせるようになるためにも、この時期の子どもの生活や成長について、もう少し理解を深めておきたいと思います。
9歳から10歳(3~4年生)にかけては、小学校では授業時数が増え、「社会」や「理科」などの科目が加わったり、算数では、少数や分数の計算や、余りのある割り算などが入ってきます。その中で、学力の個人差が大きくなり、授業についていけない子どもが増えてきます。
また、子どもが内面的に発達する過程で、自分の良い面だけでなく、嫌な面を意識するようになります。その結果、9歳から12歳にかけては、自己肯定感が低下することが明らかになっています。
そんな背景や微妙な胸の内も、ギャングエイジの子どもとかかわるうえでは知っておいて欲しいです。
さいごに・・・
いかがだったでしょうか。
3年生頃から現れる、ギャングエイジは、一見するとややこしかったり、対応に困る行動が見られます。
しかし、ギャングエイジを否定的にとらえるのではなく、肯定的にとらえることができると、子ども達は貴重な経験を学童で積み重ねて大きく成長していくことができるのです。
そして、その力は、高学年の生活の中でさらに発揮され、中学校生活へとつながっていくことができます。
子どもの6年間の成長の中で、ギャングエイジは、低学年的かかわりから子ども達が自立していくちょうど節目となるんですね。
<参考文献>
『テキスト「学童保育士・基礎」カリキュラム』一般社団法人日本学童保育士協会・特定非営利活動法人 学童保育協会 編
『学童保育実践入門~かかわりとふり返りを深める~』中山芳一著 かもがわ出版