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指導員の皆さん、保護者の皆さん、こんにちは。
今日は、学童の生活の前後にある「行き帰り」の時間に焦点をあてて、子ども達の様子や子どもへの支援のあり方について考えてみたいと思います。
私の職場の学童は、小学校から子どもたちが歩いて15分ほどの距離にあります。
小学校からの道のりで、毎日色んな事が起こります。
〇〇ちゃんが一緒に帰ってくれなかった~!
とか、
〇〇が鼻血出しているよ、見て来て~!!
とか、
傘が川に落ちちまった・・・。
とかね、本当に色々あるんです。
まずは、そんな子ども達のエピソードをいくつか見てください。その後に行き帰りの安全や大切にしたいことについて皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
目次
「歩いていたら靴が飛んで行った?」事件
ある日、1年生が学童に帰って来たのを玄関で迎えたら、片一方の足が裸足だったんです。
私は、
もう一つの靴、どうしちゃったの?
って聞いたんです。そしたらその子ね、
・・・歩いてたら靴が勝手に飛んで行って家の壁の向こうに入った。
って言ったんです。もちろんあたしは突っ込みましたよ。
そんなわけあるか~い!!
いったいどんな歩き方したら靴が勝手に飛んで行くっちゅうねん、まったく。そのあと、二人でそのお宅まで行って、お詫びして靴を返してもらいました。
「カブトエビ」事件
またある時はね、学童に帰ってきた子どもたちがね、「いや~大変だったよ」みたいな話をしていたから、何があったのか聞いたらね、誇らしげに教えてくれたんですよ。
田んぼのカブトエビ見てたらさ・・・。
大ピンチだったんだよ・・・。
子ども達の話を要約するとですね、こんなことがあったようです。
小学校から学童に向かう道の途中にある田んぼで、てっちゃんがカブトエビに見とれていたんですって。そしたらバランスを崩して、片足を田んぼの中についちゃったんです。足を引き抜いたら、スポンと靴が脱げちゃって、靴だけ田んぼの泥水の中に埋まってしまったそうです。てっちゃんが困っていたら、そこにけんちゃんが通りかかってね、
これを使うんだ~!!
って、田んぼの脇に置いてあった2mくらいの板を運んできて、バシャーン!って田んぼに置いてね、その上を伝って靴をとってあげたんだって。
おまけにね、ドロドロの靴は水筒のお茶をみんなでかけて、綺麗にしてあげたんだって。
大変だったんだ!
えっへん!
「えっへん」ちゃうわ~!!おぬしたち、田植えがどんだけ大変かわかっとるのか~??
子どもたちと一緒に農家さんのおうちまで行って、謝りましたよ。道々農作業の苦労を聞かせながらね。
正直、子どもたちの知恵とチームワークはなかなかのもんだと感心したのも事実です。けどね、
その知恵とチームワークを学童生活の他の場面で発揮してよ!!
って思うわ、ほんと。肝心な時には発揮してくれないんだから、ぶつぶつ・・・。
「川の水を飲んだ」事件
学童から帰宅する時の「グループ帰り」でも色々起こるよね。
昔のことなんだけどさ、子どもたちがこんなこと言ってるのを聞いたんだ。
昨日の帰り道、のどが渇いたから川の水を水筒にくんで飲んだんだよ。
おいしかったよね~!!
あの時はゾッとしたよ。子どもは川って言っていたけど、田んぼの横を流れる用水路のことだった。子どもたちには、用水路の水を飲むことの危険や、飲んでいい水・だめな水についてを説明して、「二度としちゃいけないよ」って注意したけど・・・。保護者もびっくりしていた。みんな元気に学童に来てくれて本当に良かったよ。
「トイレ借用」事件
またある時はね、学童からの帰り道で、子どもたちがお店のトイレを借りることが問題になったんだ。
家までの途中にある、コンビニとかスーパーとか、賃貸住宅のお店とか美容室とかだったんだけど。
学童の出発前にトイレの声かけをしていたけど、1年生の中には自宅までもたない子もいるんだよ。
それに加えて、子ども達、トイレを理由に色々なお店に入れることを楽しんでいるような節があって・・・。
お店の人が温かく対応してくれることに味をしめちゃったんですね。
あんまり頻繁だと迷惑がかかっちゃうからどうしたものかと・・・。
いざという時にお店を頼れることは「生きる知恵」でもあるけど、毎回はどうなのかと指導員で対応を話し合っていたんだよね。
その時、新人アルバイトの職員さんが、たまたまスーパーでトイレを借りていた子どもたちの様子を見ていたらしく、こんな発言をしてくれたんだ。
「子ども達、トイレに行っている1年生のことをみんなで待っていたんです。先生方が日頃から大切にしていること、子ども達に伝わっていますね。」
あの言葉にはハッとさせられましたよ。
そうだね。それで、子ども達を信頼してもう少し様子を見守ることにしたんだよね。
地域の色々な人たちが子どもたちのことを温かく見守ってくださっていて、本当にありがたいよ。
帰り道に起きたあるトラブルから考えたこと
ある日の夕方、学童に電話がかかってきました。1年生の保護者からでした。
「今日、うちの子が泣きながら帰って来たんです。理由を聞いたら、グループ帰りの上級生にランドセルを小突かれたり叩かれたりしたそうで・・・。」
保護者は落ち着いた様子で、「ご報告まで」と言っていましたが、「明日子どもたちに事情をよく聞いて対応します」と伝えました。
翌日、泣いて帰った子に話を聞くと、後ろからランドセルをたたいたのは、上級生のてっちゃんだったことがわかりました。
てっちゃんに何があったのか聞くと、
おしゃべりばかりで、何度言っても早く歩かなかったんだ!
と、てっちゃんなりの理由を話してくれました。てっちゃんいわく、「毎日毎日我慢しているんだ」とのことでした。
指導員でも一筋縄ではいかない、超マイペースな1年生が何人もいいるんだから、上級生(しかも低学年)の子ども達の苦労は想像できました。
そうだったんだ、いつも頑張ってくれているんだね。けど、叩くのはよくないよね。
私はそのようにてっちゃんに伝えました。
私は思いました。
てっちゃんたち上級生は毎日がんばってくれている。トラブルがあった時には注意をするけど、それ以外の「何もない日」の中での子どもたちの頑張りを、どれだけ私は認めてあげることができているだろうか。
無事に帰っていている日がほとんどなのに、「何かあった日」だけ怒られたりしたら、私が子どもだったら腐っちゃう。
これからは、「何もない日」だからこそ上級生たちに感謝する気持ちを、もっともっともたなくっちゃ。
学校・学童・家庭の狭間は「子ども達だけの時間」
学校から学童までの道のりは、子ども達だけの時間なんだ。
学童から家までの道のりも。色んなドラマがあるわ。
学童は放課後の時間と言え、指導員の目があるわけだけど、学校と学童の間は、真に子どもだけの時間なんです。
色んなことが起こります。そんな子どもたちのドラマを見守っていきたいという思いと、やはり心配で、毎日無事に学童まで帰ってきてほしいという両方の思いが私にはあります。
以前は、私の職場では、「子どもの支援は子どもたちが学童に帰って来てから」という考え方だったんですが、今は、学童の行き帰りも含めて子どもたちの放課後の生活として、指導員で支援していこうという考えになっています。
子ども達には、事故や不審者から身を守る力をつけてほしいです。
そうだね。「自分たちで危険を回避できるように」というところがポイントだよ。
学校から学童の道のりでは、指導員が途中までお迎えに行くようにしてるし、学童からの帰宅時、グループ帰りの付き添いも指導員がつくようになりました。
しかし、その中でも、指導員がいないと安全に帰れないような子ども達にならないように、子どもの主体性や指導員の適切な距離感を大切にしています。
参考:「運営指針」第1章
放課後児童クラブにおける育成支援は、子どもが安心して過ごせる生活の場としてふさわしい環境を整え、安全面に配慮しながら子どもが自ら危険を回避できるようにしていくとともに、子どもの発達段階に応じた主体的な遊びや生活が可能となるように、自主性、社会性及び創造性の向上、基本的な生活習慣の確立等により、子どもの健全な育成を図ることを目的とする。
子ども達の力で行き帰りができるように・・・
学童の行き帰りの見守りは、子ども達の様子を見ながら行っています。
だいたい以下のような感じです。
<年度初め>
- 1年生は学校までお迎えに行く
- グループ帰りは最後までついて行く
<5月頃から>
- 1年生のお迎えポイントを、学校から少しずつ学童に近い場所にシフトしていく
- グループ帰りは途中までついていく
<6月頃から>
- 1年生のお迎えは、学童最寄りの信号まで
- グループ帰りの付き添いをやめ、指導員が自転車で巡回する
・・・というように、段階的に子どもだけで行き帰りする距離を増やしていくんです。
その過程では、子ども達だけで長い距離を歩けるようになったことを認め励ますことを大切にしています。
上記は基本なので、その年々の様子や、複数あるグループの子ども達の様子を見ながら、送り迎えの距離や付き添いの期間を柔軟に調整しています。
連休や長期休み明けなどは、丁寧に行き帰りの様子を見るようにしています。
このような安全のための取り組みを指導員だけでやるのではなく、保護者と共有することも大切だね。
学校から学童の道のりは小学校の先生と連携をしながら、学童から家庭の道のりは家庭の協力を得ながら、子ども達が安全に行き来できるように支援や見守りを行っています。
保護者にお願いしたいこと
保護者には次のような点を伝えて、子ども達の帰り道の様子を見守ってもらっています。
学童からのグループ帰りは、小学校の集団登校班と違い、低学年の子どもが班長になる日も多くあります。また、学童は小学校と比べ日々の欠席が多いため、グループの人員が安定しないという特徴があります。子どもたちには、「まとまって安全に帰るように、決められた道を通ってまっすぐに帰るように」と繰り返し伝えていますが、ご家庭でもそのように子どもに伝えていただくとともに、余裕のある時は途中までグループの様子を見に行くなどご協力をお願いします。
それぞれにペースの違う低学年の子ども達が、グループで帰ることは容易ではありません。そのことをご理解いただき、温かく見守ってください。また、グループ帰りの様子で気になることがあれば、指導員までご報告ください。
私からもお願い
時々、グループ帰りの途中で、我が子だけ自転車や車に乗せてサッと帰っちゃったり、我が子のランドセルだけ持って先に帰っちゃう保護者の方がいるんだけど、あれはやめていただきたいんです。
忙しいのはよくわかるんですけど、グループ帰りは集団行動なんです。他の子どもの気持ちを考えてほしい。途中まで迎えにきたら、他のメンバーと一緒に歩いて帰るなどご協力をお願いしたいです。
子ども達が地域で安全に生活できる力をつけられるように
学童の行き帰りには、危険もあるし、トラブルやハプニングも起こります。
安全のための支援をどこまでやるのかで悩むことがあります。
しかし、子ども達は日々の道中で、地域の自然や人々と触れ合い、刺激や温もりを受け、成長していきます。目的地から目的地まで車で移動するのではなく、自分の足で歩いて通うからこその学びがあるのです。
学童に通う子どもたちは、いずれ、中学生になると、自分たちだけで小学校より遠い中学校まで行き来するようになります。その時に困らないように、仲間と一緒に安全に地域を移動できる力を身につけなければいけません。いつまでも大人が付き添うことはできないんです。
それに、学童に来ていない小学生の子ども達の中には、自転車で地域を走り回っているようなたくましい子ども達も大勢います。
子どもたちが自分たちの力で安全に行き帰りできるように見守っていくことが大切だと思います。
最初は丁寧に、次第に子どもの力を信頼して、指導員と保護者で見守っていきましょう。
小学校の先生や地域の皆さん、見守り隊の方々との関係を大切に、協力してもらいながら・・・。
最後になりましたが、行き帰りの安全確保の取り組みは、学童に残っている子どもの保育や保育準備・閉所作業と並行して行うため、職員体制にゆとりがないと大変難しくなります。
運営や行政の方にはその点を理解していただき、充分な職員配置を行ってもらいますようお願いしたいです。
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