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今日は、学童保育に関する制度や法律を、クイズ形式で学んでいきましょう
ぼく、制度は苦手だけどクイズは得意っす
学童保育は、1997年に法制化され、その後も社会的な背景を踏まえた制度改正が行われてきました。
今回の記事では、特に法制化から今日にいたる制度改正の重要ポイントを、14問のクイズ形式にしてできるだけわかりやすくまとめました。
制度のことはちょっと苦手という人は、ぜひ読んでみてくださいね。
一緒に勉強しましょう!
解説
全国各地で保護者と指導員が力を合わせ、学童保育の「つくり運動」をはじめたのが1950年代のことでした。
働くことと子育ての両立を願う親の思い、子ども達の豊かな放課後を目指す指導員の熱い思いは、学童保育連絡協議会を通じて大きな力となり、とうとう1997年の児童福祉法改正により、学童保育が「放課後児童健全育成事業」として位置づけられました。
これを機に、放課後児童健全育成事業は社会福祉法においても第二種社会福祉事業の一つとして位置づけられました。
正解「放課後児童健全育成事業」
解説
放課後児童健全育成事業は、厚生労働省が所管(事務を責任を持って行うこと)しています。保育所も厚生労働省の所管、小学校・幼稚園は文部科学省の所管となります。
学童保育と同じ放課後に学校内で行われる「放課後子ども教室」は、文部科学省が所管する事業です。
厚生労働省は、子どもからお年寄りまでが安心して生活できる社会作りを担う国の機関です
文部科学省は教育や科学技術・芸術・スポーツなどの振興を担う国の機関です
正解「厚生労働省」
解説
学童保育は、地域により「○○学童保育所」「○○児童クラブ」「〇〇児童ホーム」「○○育成教室」「○○放課後児童クラブ」等様々な呼ばれ方をしています。
放課後児童健全育成事業(学童保育)を所管する厚生労働省は、省令や通知に「放課後児童クラブ」という語を用いています。
正解「放課後児童クラブ」
解説
児童福祉法に「児童福祉施設」として位置づけられている保育所には、最低基準や市町村の保育実施義務などが定められています。
一方、学童保育は「児童福祉事業」の位置づけであり、市町村の責務は「利用の促進の努力義務」にとどまりました。
そのため、1979年の法制化以降も、学童保育施設の床面積や職員配置に関する具体的な基準がない状態が続きました。
正解「児童福祉事業」
解説
1997年の法制化当初は、学童保育の対象は「おおむね10歳未満」とされ、6年生までの学童保育を独自に行う一部の自治体や施設を除いて、3年生や4年生で学童保育所を「卒所」することが一般的でした。
2012年の改正により、学童保育の対象が「小学校に就学している児童」となりました。
対象が小学6年生までに拡大したことにより、高学年までが豊かに過ごせる生活内容や発達段階に応じた子どもとへのかかわりなどが現場に求められるようになりました。
正解例:「1~6年生」「高学年まで」「小学生」など
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解説
児童福祉法第6条の内容を要約すると、学童保育の役割は以下のようになります。
対象:小学校に就学している児童であって、その保護者が労働等で昼間家庭にいないもの
方法:児童厚生施設等を利用して適切な遊び及び生活の場を与え
目的:児童の健全な育成をはかること
学童保育の対象は、親が疾病や介護等のために放課後等に子どもを見ることができない場合も含まれます。
なお、条文では、利用時間が「授業の終了後(放課後)」とされていますが、授業がない土曜日や長期休みに開所している施設がほとんどです。
また、「児童厚生施設等の施設を利用して」とされている点でも、実際には児童厚生施設(児童館等)に設置されている学童保育所は少なく、「学校」内への設置が進んでいる実態があります。
正解:A「労働」B「遊び」C「生活」D「健全」
解説
2012年、子どもや子育てに関する様々な問題を解決し、新しい時代の保育・子育てを方向付ける法律として、「子ども・子育て支援法」が成立しました。
この法律により学童保育は市町村が行う「地域子ども・子育て支援事業」に位置づけられました。市町村は、事業の実施にあたりニーズ調査に基づいた「市町村子ども・子育て支援事業計画」を5年ごとに策定します。
また、「子ども・子育て支援法」と、関連する法律に基づき、幼児期の学校教育や保育、地域の子育て支援の量の拡充や質の向上を進めていく「子ども・子育て支援新制度」が、2015年4月から始まりました。
この流れの中で、学童保育の様々な制度改革が進んでいくことになりました。
「新制度」の背景には、人口減少時代に女性労働力を活用するために保育の受け皿を拡大するという経済成長戦略があることも知っておいてほしいです
正解「子ども・子育て支援法」
解説
2012年、日本の子どもの貧困率が16.3%と、過去最悪を更新しました。子どもの6人に1人が相対的貧困状態にあり、特に母子家庭の半分以上が貧困状態であるなど、先進国の中では最悪の水準となりました。
正解「子どもの貧困対策法」
政府は、2014年に、「小1の壁の打破」と「待機児童の解消」のため、放課後子ども総合プランを定め、「2019年度末までに30万人の放課後児童クラブの受け皿」を整備する目標を示しました。
「小1の壁」とは
子どもが小学校に入学すると、保護者がこれまで勤めてきた仕事を辞めざるを得ない状況となる問題であり、解決のためには学童保育制度の量的拡大だけではなく質的充実が重要である。
また、「全国1万か所以上の場所で、放課後児童クラブと放課後子ども教室の一体化」を行うとしました。
2018年には、さらに2023年度末までに30万の放課後児童クラブの受け皿を整備し、計152万人のの受け皿を整備することを目標とする「新・放課後子ども総合プラン」が定められています。
放課後子ども総合プランは新制度と連動しており、政府の経済成長戦略から誕生しました
正解「放課後子ども総合プラン」
解説
2012年の児童福祉法改正により、学童保育は「児童の身体的、精神的及び社会的な発達のために必要な水準を確保するものでなければならない」とされました。
これを受けて、国が「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」(以下「設備運営基準」)を省令で定め、それに基づいて市町村が「基準条例」を定めることになりました。
正解:A「設備」B「運営」C「基準」
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解説
それまでは、学童保育の職員は、保育士資格や教員免許などの有資格者が「望ましい」とされるに留まっていましたが、設備運営基準によって、放課後児童健全育成事業に必置の職員として公的な資格である「放課後児童支援員」が定められました。
放課後児童支援員は「支援の単位」ごとに2人以上置くこととされ(ただし、2人のうち1人は「補助員」に代えることができるとされています。)、保育士や教員となる資格を有する者などであることに加えて「都道府県知事が行う研修を修了した者」とされました。
認定資格研修は、16科目・計24時間を受講し、研修内容は「認定資格研修ガイドライン」により示されています。
正解「放課後児童支援員」
解説
設備運営基準の策定に伴い、これまでの「放課後児童クラブガイドライン」が見直され、厚生労働省が2015年に「放課後児童クラブ運営指針」(以下「運営指針」)を発出しました。
運営指針の内容には以下のような特徴があります。
- 児童期の発達的特徴を3つの時期区分に整理し、子どもの発達過程を踏まえた支援の配慮事項を示している
- 具体的な支援の内容を子どもの立場に立った観点から網羅的に示している
- 障害のある子どもや特に配慮を要する子どもへの対応について、具体的な考えや留意点を示している
- 保護者との協力関係や地域の関係機関との連携の必要性や連携にあたっての留意点を示している
- 運営主体が留意すべき点として、放課後児童クラブの社会的責任や職場倫理等を示している
正解「放課後児童クラブ運営指針」
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「放課後児童クラブ運営指針」全文
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解説
運営指針第3章では、「放課後児童クラブにおける育成支援の内容」として、9項目の留意事項を示した後、「障害のある子どもへの対応」「特に配慮を必要とする子どもへの対応」「保護者との連携」「育成支援に含まれる職務内容と運営に関わる業務」を示しています。
育成支援の9項目
- 子どもが自ら進んで放課後児童クラブに通い続けられるように援助する
- 子どもの出欠席と心身の状態を把握して適切に援助する
- 子ども自身が見通しをもって主体的に過ごせるようにする
- 放課後児童クラブの生活を通して、日常生活に必要となる基本的な生活習慣を習得できるようにする
- 子どもが発達段階に応じた主体的な遊びや生活ができるようにする
- 子どもが自分の気持ちや意見を表現することができるように援助し、放課後児童クラブの生活に主体的に関わることができるようにする
- 子どもにとって放課後の時間帯に栄養面や活力面から必要とされる「おやつ」を適切に提供する
- 子どもが安全に安心して過ごすことができるように環境を整備するとともに、緊急時に適切に対応ができるようにする。
- 放課後児童クラブでの子どもの様子を日常的に保護者に伝え、家庭と連携して育成支援を行う
正解「育成支援」
解説
日本政府は、1994年に子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)を批准し締約国となりました。それから20年以上が経ち、児童福祉法に子どもの権利が明記されました。
子どもの権利条約第31条では、子どもの「休息・余暇」の権利や、遊び・レクリエーション的活動・文化的活動・芸術的活動に子どもが「自由に参加する」」権利が保障されています。
学童保育にも、大人から見ると無駄に見える遊びや価値がないように見える遊びも含めてその自由を十分に保証することが求められます。
また、子どもの権利条約12条「意見表明権」は、子どもが自分に関係のある事柄について自由に意見を言うことができる権利であり、大人はその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮することが定められています。
学童保育の生活の中でも、子どもの意見を尊重し、行事の企画段階から子どもの意見を反映させるような取り組みを大切にしていきましょう。
正解:A「児童の権利に関する条約」B[最善の利益」
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さいごに・・・
どうだった?
学童保育の制度について理解が深まったかな?
も、もちろんっす!
今回の記事で取り上げた制度改正等について、年表としてまとめました。
こうやってみると、1997年以降、学童保育制度が社会の影響を受けながら発展してきたことがわかります。
一方で、現場で子ども達と関わる私の実感としては、子育てをする親の悩みや現場で働く指導員の悩みは尽きることがなく、子ども達の放課後の環境も不十分と感じています。
まだまだ学童保育は発展途上です
子ども達・親たち・指導員にとって、もっともっと良い制度になるように求めていこう!
ということで今日はこの辺で失礼します
【参考文献】
「日本の学童ほいく」(2021年㋂号・22021年10月号)/全国学童保育連絡協議会
「放課後児童クラブ運営指針解説書」/厚生労働省編
「テキスト学童保育士基礎カリキュラム」/一般社団法人日本学童保育士協会・特定非営利活動法人学童保育協会
「放課後児童支援員都道府県認定資格研修教材」/放課後児童支援員認定資格研修教材編集委員会