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この記事の内容
がってん学童保育所の指導員集団が、チームとして成長していく過程を描くシリーズの第4話目。指導員の連携の具体的手段「ゾーン」(ゾーン・ディフェンス)を、実際の現場で活用するために必要な指導員の「スキル」を解説しています。指導員のチームワーク向上に課題意識のある皆さんにおすすめです。
この記事の目次
- 「攻めの連携」と「守りの連携」
- 指導員連携の3つのスキル
- 指導員連携のスキル①「コミュニケーション」
- 指導員連携のスキル②「木と森を見る意識」
- 指導員連携のスキル③「CIAポジション」
- さいごに
登場人物
指導員4年目の、りえです
新人指導員の、たけしっす
ボランティアの仮田ですじゃ
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指導員の「チームワーク」の話の続きじゃよ
前回は、学童で子ども達が、自由にのびのびと遊んで過ごせるように、複数の指導員が、連携して保育にあたることの大切さと、指導員の連携の具体的な方法として、「ゾーン」(ゾーン・ディフェンス)について話したですじゃ。
今回の話の前に、言っておきたいことが2つあるんじゃ
「攻め」の連携と「守り」の連携
1つ目は、指導員の連携(チームワーク)には、「攻守」の2種類があるということなんじゃ
こう?しゅ?
二つの連携
- 「攻めの連携」・・・子どもたちが、学童保育で「成長」するための指導員連携
- 「守りの連携」・・・子どもたちが、学童保育で「安全」に過ごすための指導員連携
子どもたちが、学童保育で、より楽しく過ごせるように、そして、そんな生活を通して一人ひとりが「成長」していけるようにするための指導員連携が「攻めの連携」じゃ。言い換えると、今ある状況を前に進めるための連携ということになるかな。
それに対して、子どもたちが、学童保育で安全に、安心して過ごせるための指導員連携が「守りの連携」じゃ。つまり、今ある状況を維持するための連携ということになる。
ところで、中堅指導員のりえ君は、①攻、②守どちらの連携が大切じゃと思う?
どちらも大切です。選べないわ。
うむ。さすがりえ君じゃ。子どもが安全に安心して過ごすことと、学童保育でより楽しく過ごすことや学童の生活で成長していくことは、どちらも大切なことなんじゃ。今回は、新人指導員のたけし君に、わかりやすく説明するために、敢えて、「攻守の連携」という話をしておるんじゃよ。そのうえで、りえ君に質問じゃ。
指導員集団が先に身につけるべきは、①攻、②守どちらの連携じゃと思うかな?
選べないけど、どっちか1つを先にって言われたら、「守りの連携」かな
ありがとう、りえ君。じゃぁ、今度はたけし君に質問じゃ。たけし君はサッカーをやっていたんだね。
自陣にゴールキーパーやディフェンス(守りの選手)がいない中で、安心して敵ゴールを狙えるかな?
自分のゴールが心配で、攻められないっす!
そうじゃろう。安全が確保されているという安心があってこそ、子どもたちも指導員も、思いっきり活動することができるんじゃよ。
まわりくどい話になってしもうたが、新年度に新しい指導員チームを立ち上げた我々は、攻めと守りのチームワークの大切さを理解しながら、まずは、「守り」のチームワークを身につけていくことが大切なんじゃ。
だから、守りのチームワークの手段として、前回、「ゾーン」の説明をしたんじゃよ。
指導員連携の3つのスキル
2つ目の話は、昨日説明した「ゾーン」は、「机上の空論」だということじゃ
きじょーのくーろん??
現場では、何の役にも立たない理論ってことですね
中堅指導員のりえ君なら、「そんなうまくいくはずはない」ということを見抜いておったんじゃないかな。
現場での子どもたちとのかかわりや指導員間の連携は、もっともっと複雑なんじゃ。
今回話をする、指導員連携の「3つのスキル」を身につけていない段階では、「ゾーン」は機能しないんじゃよ。
3つのスキルって?
「コミュニケーション」「木と森を見る意識」「ポジショニング」のことじゃ
指導員連携の3つのスキル
- コミュニケーション
- 木と森を見る意識
- ポジショニング
この3つのスキル(能力)を磨くことで、指導員のチームワークが深まり、初めて「ゾーン」が現場で生きてくるのじゃ。
一つずつ説明していくぞえ。
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指導員連携のスキル①「コミュニケーション」
ちょっとこの図を見てごらん
時間は、おやつ後から帰りの会までの自由遊びの時間じゃ。A部屋には所長、B部屋にはたけし君、C部屋にはわし、屋外はりえ君というように、エリアごとに指導員が分担(ゾーン)して、子どもたちとかかわりながら安全を見守っておった。その時に、A部屋でトラブルが発生したために、所長が対応にあたった。結果的に、A部屋で遊んでいる他の子どもたちを見る「目」がなくなってしまった、という状況じゃ。
この時、たけし君はどう動いたんじゃったかの?
B部屋とA部屋のどちらも見える場所に移動したっす!
そうじゃったな。たけし君は、次の図のように、A・Bの部屋が見通せるポジションに立って、両方の部屋の子どもたちを見守ってくれた。新人指導員にしては、素晴らしい判断じゃと思うぞ。
では、りえ君に質問じゃ。たけし君がそのように動けたのはなぜじゃろう?
所長がたけし先生に「応援」を求めたから?
その通りじゃ。実際の現場では、A部屋でトラブル対応にあたる時に、二人の間で、「たけし先生、僕はトラブルの対応をするから、A部屋も見てもらえるかな?」「わかりました」等のコミュニケーションがとられておるはずじゃ。
指導員間のコミュニケーションには、「言葉」「身振り」「アイコンタクト」などがある。
「アイコンタクト」は、目と目を見ただけで、お互いが「何を求めているか」を伝えあう技術じゃ。習熟した指導員集団は、言葉以上に目で会話をしておる。いわば究極のチームワークじゃな。
指導員連携のスキル②「木と森を見る意識」
さっきの場面で、所長とたけし君の間で、コミュニケーションがとられておる、と言ったね。
実際の現場で、りえ君とたけし君のコミュニケーションはいつでもとれておるかな?
あんまりとれていないかな・・・。だって、たけし先生子どもとの遊びに夢中なんだもん
あら~
指導員は常に子どもとかかわっておる。新人のたけし先生にとっては、まずは目の前にいる子どもたちとのかかわりを大切にすることが一番じゃ。
しかし、指導員のチームワークを考えた時に、必ず、学童全体の動きへの「意識」が必要となるんじゃ。
目の前の子どもとのかかわりに90%集中しながら、残りの10%では、
「今、他の部屋にいる子どもたちは何をして過ごしているのかな?」
「今、他の指導員はどんな動きをしているんだろう?」
ということを、常に「意識」するんじゃ。
「木を見て森を見ず」という言葉を知っておるかな?
木を見て森を見ず
一部や細部にとらわれすぎて、物事の全体を把握できないことのたとえ
現場では、目の前にいる子どもとのかかわりを大切にしながら、全体のことも意識するんじゃ。
「木を見て森も見る」ということですね
「木と森を見る意識」を一人ひとりの指導員が持っておると、お互いの応答の感度が高くなるんじゃ。指導員間のコミュニケーションがとりやすくなり、チームとしての動きが活性化する。さっきの場面で言えば、所長が、「たけし先生、僕はトラブルの対応をするから、A部屋も見てもらえるかな?」という発信をする以前に、たけし君が、A部屋の異変に気付けるようになったりするんじゃな。
おいら、「木」しか見てなかったっす
明日から少しずつ「森」(全体)を意識していくんじゃよ
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指導員連携のスキル③「ポジショニング」
悪者から命を狙われる、CIAエージェントは、街のレストランで食事をとる時は、必ず、店の入り口や店内全体を見通せる席に座るんじゃ。そして、食事をしながら、店内の様子や客の出入りに注意を払う。店内に背中を向けて壁に向かうような座り方は、命取りじゃから絶対にせん。
な、なんの話??
指導員の位置取りの話じゃよ
「木と森を見る意識」は、その名の通りチームワークのための個々の指導員の「意識」の持ち方の話じゃ。「ポジショニング」は、チームワークのための「行動」じゃ。そして、目の前の子どもとのかかわりを大切にしながら、まわりの子どもの安全も見なくてはいけない指導員にとっては、必須のスキルといえる。
例えば、1年生のかける君から「一緒にオセロやろう」と誘われたとする。その部屋には他にもたくさんの子どもたちが遊んでおるが指導員はたけし君1人だけじゃ。
1年生からのお願いじゃから、なんとしても誘いを受けたいところじゃが・・・、1対1で相手をしてしまうと、他の子どもの見守りができなくなってしまう。
たけし君なら、部屋の中のどの位置でオセロをする?
え~っと、こんな感じっす・・・
よろしい。この時のたけし先生に見えておる範囲は次の図のようになるんじゃよ。
これでは、完全に1対1の対応になってしまって、部屋にいる他の子どもの動きはたけし君には見えなくなってしまっておる。
では、りえ君なら、どうする?
私なら、部屋全体が見渡せる場所に座ります
さすがりえ君じゃ。これこそより良い「ポジショニング」じゃ。りえ君の位置取りでは、1年生と1対1でオセロをしながらも、部屋全体の子どもたちの様子を見ることができる。さらに、わしが部屋の入り口に立った時にお互いの視線が交わるため、指導員間のコミュケーションが取れるようになっておるんじゃな。
「Cポジショニング」のポイントは、部屋の中なら、入り口から奥まった「壁」を背にした位置取りになる。いろいろな部屋や運動場でも、どの位置が、最も子どもや他の指導員が見えやすい場所かを考え、子どもと遊びながら自然にその位置に移動するようにするんじゃ。
この「ポジショニング」は、百戦錬磨の指導員なら無意識で行っておるよ
われわれは、警備員のように、部屋の隅に立って子どもたちの安全を見ておるだけではなく、常に目の前の子どもたちとかかわっておる。そうしながら、全体の子どもの安全に気を配ったり、指導員間でコミュニケーションを取り合っていくんじゃ。
新人のたけし君がCIAポジションをとれるようになったら、子どもたちとしっかりかかわりながら、見守る範囲が広くなり、指導員全体のコミュニケーションも活発になる。子どもたちの安全と、のびのびとしたあそびによる満足感を両立させることができるんじゃよ。
さいごに・・・
わしの話はどうじゃったかな?
指導員のチームワークには、「攻」「守」があること、まず身につけたいのは「守りのチームワーク」であること。「守りのチームワーク」の具体的な方法として「ゾーン」があること。「ゾーン」が機能するためには、指導員間のコミュニケーションと、個々の指導員の「意識」(木と森を見る意識)と、「行動」(ポジショニング)が大切じゃということを話したが、わかってくれたかのう?
チ、チームワークの大切さがわかったっす
よしよし。たけし君がそう言ってくれただけで、指導員集団としては大きな成長じゃよ
最後に一ついいでしょうか
私、仮田先生のお話を聞いていて、指導員集団としてチーム力を高めることが、子どもたちのために大切なんだってことはわかったんですけど・・・、そこに子ども集団の成長っていう観点がなかったように感じられたんです。
例えば、この場面・・・
室内で同時に2つのトラブルが発生した時に、所長とたけし先生がトラブル対応にあたって、仮田先生が全体を見る動きをしたでしょ?
B部屋のトラブルを子どもたち自身が解決する道もあると思うんです
それに、C部屋にいる6年生のみさとちゃんに、「ちょっとB部屋のトラブルを見てもらえないかな?」って、子どもの力を頼りにすることもできると思うんです。
ブラボー!!じゃ
りえ君が言う通り、いつだって指導員がトラブルを解決するわけではない。子ども自身がトラブルを解決する力がついてくると、話は大きく変わってくる。そうなるためにも、この時期に、指導員が一つひとつのトラブルと丁寧にかかわって、子どもたちがトラブルを通してお互いに成長できるようにしていかなくっちゃいけないのう。
指導員のチーム力をUPさせながら、子どものチーム力もUPするってことっすね
まさに、その通りじゃ!
「それにしても、仮田先生、ボランティアスタッフなのに、学童のこと知りすぎてないっすか?」
「ふぉっふぉっふぉ・・・。いよいよ、学んだことを現場で活かしてみるぞえ!!」
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