こんにちは、がってん学童指導員の、りえです
指導員のたけしです!
新年度は、新しい職員を迎えたり、新しい職員チームが編成されたり、職場のチームワークについて話し合う機会が多いですよね。
子どもへのより良い支援を行うためには、職員のチームワークはとても大切です。
そして、職員チームは、子どもたちや職員一人ひとりと同じように、成功や失敗、数々の悩みを乗り越えて成長していくものです。
今日は、そんなチームワークの本当に本当の基本的なこと、「なぜ職員のチームワークが必要なのか?」ということを、わかりやすくお伝えしたいと思います。
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目次
ある遊び道具を使って、職員の協力の大切さを伝える方法
2年前の4月、たけし先生が、新卒でがってん学童にやってきました。
その時、所長が私たちに、職員の連携の大切さを伝えた方法が、ちょっとユニークだったので、ご紹介したいと思います。
ある日の職員会議で、
職員の協力の大切さを伝えるから、学童にある「こま」を全部ここに持ってきてください
って、突然所長が言い出しました。
持ってきました。全部で20個です
何が始まるんすか?
私とたけし先生は、所長の意図がわかりませんでした。
すると所長が、こんなことを言いました。
この「こま」を「子ども」だと思ってください
こまが元気に回っている時は、子どもが元気で楽しんでいる状態。
フラフラしている時は、見守りが必要な状態。
止まっている時は、トラブルや怪我や体調不良など、困っている状態。
コマだけに、こまっているってね
おやじギャグ??
困っている子どもには支援が必要だ。支援っていうのは、また元気にこまを回してあげることだよ。
僕たちの仕事は、ここにいる20人の子どもたち(20個のこま)が、元気で過ごせる(回り続ける)ようにすることなんだ。これから5分間、全部のこまが、回り続けるようにしてください!
2人で協力してやるんだよ。
それじゃ、スタート!
えっえ??
ちょっ、ちょっと
20個のこまを2人で回した時
それから私とたけし先生は、20個のこまを回そうとしました。
けど、「こま」ってしばらくすると、フラフラして、止まっちゃうじゃないですか。
次々止まるこまを、拾いあげて、また回してっていうのを、2人で延々と繰り返したんです。
ちょっと、そこのこま止まってるよ!
先輩の近くのこまも、もう止まりそう!
はい!5分経過。2人ともお疲れさまでした。
は~は~
ぜ~ぜ~
声をかけあって、2人でよく協力できていたね
次は所長、もっと変なことを言いました。
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一人が一個のこまだけを見た時残りの一人は・・・
じゃぁさ、次は僕が言うよにやってほしいんだけど
えっ?まだやるの?
いったいなんなの~?
あったりまえじゃん、ここからが大事なんだよ
所長が言うには、
次は、私は1個の「こま」(1人)だけを見ていればいいんだって。
私は一人だけとかかわっていたらいいってことね
なんすか、そのルール?
それじゃ、また5分間だよ。
さぁ、「こま」を子どもたちだと思って、こまっている子どもがなく、みんなが元気に過ごせるように頑張って!
よ~い、スタート!
はい!5分経過。2人ともお疲れさまでした。
楽ちんだったわ~
ぜ~ぜ~ぜ~ぜ~!
職員の協力の大切さについて
どうだった?
私はこま回し堪能しちゃった~
めっちゃ大変でした!
そうなるよね~
ここからは、僕(所長)が説明するね。
2人で20個のこまを回している時は、目が行き届き、多くのこまを回すことができていたよね。たくさんの子どもたちが安心して元気に過ごせていたってことだね。
一方で、2回目のこま回しは、りえ先生には1個のこまだけを見てもらった。その時何が起こっていたかというと、たけし先生が残りの19個のこまを一人で見なければならなくなってしまった。
1人の職員が1人の子どもとかかわっている時、もう一人の職員が残りの子どもたちを見なくてはいけない、そのことがどれほど大変なことかを知ってほしかったんだよ
めちゃくちゃ大変でした
全体の子どもの安全という意味でも、心配な状況だと思うよね
僕たちの仕事は、一人ひとりの子どもを大切にしながら、全員の子どもが安心して楽しく学童で過ごせるようにすることなんだ。
それは一人ではできないし、職員同士の協力があってこそ、子どもたちにとってより良い学童保育となる。
このことをしっかりと心に刻んでおいてほしい。
はい
わかりました!
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40人の子どもを2人でみるということ
放課後児童クラブ(学童保育)の設備運営基準では、次のように定められているね
- 一の支援の単位を構成する児童の数(集団の規模)は、おおむね40人以下とする。(第10条)
- 放課後児童支援員を、支援の単位ごとに2人以上配置する。(第10条)
これは、わかりやすく言うと、「40人の子どもを2人の職員で見てください」ということなんだ。
この基準自体がどうなのか?という論議はさておき、このように定められているんだね。
図にすると、こんな感じになる。
20個のこまでも大変だったけど、40人か~
2人でみるなんて、協力がないと絶対できないよね
職員の仕事は、子どもの支援以外にもたくさんある
それに、実際には、子どもの支援以外にもやらなくてはいけないことがいっぱいあるよ
放課後の生活の中で、たくさんの子どもたちとかかわりながらも、職員は次のような業務や対応をこなしていかないといけない。
- 出席簿をつける
- 電話対応
- けんかやトラブルの対応
- 怪我や病気の対応
- 保護者対応(連絡帳など)
- おやつの準備
- 取り組みの準備
- 清掃・衛生管理 等々
職員だってトイレに行くこともあるしね
その間は、私が1人で全体を見るわ
自分がチームの1員であり、職員みんなで、全員の子どもの安全を見ながら様々な業務を行っていることを、いつだって忘れないでいてほしいんだ。
さいごに・・・
職員がお互いの状況を見たり声をかけあって連携することの大切さを、あらためて感じました
ちょっと質問なんですけど、1対1のかかわりって絶対にだめななんですか?「2人きりで遊びたい」って言ってくる子がいるんだけど
学童のあそびや生活の中では、そのような場面がたくさん出てくるよね。
今回は、職員の連携の基本の基本として、40人の子どもたちを2人の職員で見ることについて、かなり簡略にして伝えたんだよ。
もちろん、実際の子どもの支援は、もっともっと複雑なチームワークが求められるんだ。
だからこそ、職員間のチームワークを深めていくことが大切なんだよ。
じゃあこれから、さっきのこま回しと実際の子どもの支援と、どこが違うのか、みんなで話し合ってみようか
1対1のかかわりが必要な場面での連携についても話し合いましょう
・・・って、所長がこま回しをきっかけに、チームワークの大切さを私たちに考えさせて、そのあと、みんなで、職員間の連携や協働について話し合ったんです。
職員会議や日々の打ち合わせでは、実際の子どもとのかかわりを通して、職員間の連携について振り返ることが多いけれど、たまには、こんなユニークな方法もいいかもしれないと思いました。
みなさんの職場でも、こま回しの遊びを導入として、職員のチームワークを考えるディスカッションをしてみてはいかがでしょう。
(おしまい)