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今日は、学童保育をはじめとする、子どもの施設の職員の方に向けて、保育や支援など子どもとかかわる時の「姿勢」についてお伝えしたいと思います。
とても基本的な事柄だけに、これができていないと、いざという時に子どもを守る行動がとれなかったり、最悪のケースでは、子どもを守る立場であるはずの職員が子どもにけがをさせてしまうことになりかねない、大切な内容です。
精神的な「姿勢」ではなく、身体的な「姿勢」のお話ですよ
目次
保育中の不適切な姿勢①「手を腰にあてるポーズ」
こんにちは、がってん学童の所長です。
正しい姿勢は無数にありますので、これだけはやめておきたい「不適切な姿勢」からご説明します。
一つ目は、「手を腰にあてるポーズ」です。
この姿勢、腰が楽になるので、くせになってしまっている人を時々みかけます。
しかし、肘の高さが子どもの顔の高さにあたり、非常に危険なポーズです。
私も、振り向いたタイミングと近づいてきた子どもの動きが合わさって、ヒヤリとしたことがあります。
また、前に突き出した足は、子どもがつまづく危険があります。
あぶない!
子どもを守る職員が、子どもにけがをさせるなんて、あってはならないことですよね。
子どもは予測ができない動きをしたり、死角から急に飛び出してくることもあります。十分に気を付けてください。
保育中の不適切な姿勢②「後ろ手を組むポーズ」
二つ目に気をつけたい姿勢は、「後ろ手を組むポーズ」です。
この姿勢も、くせになっている人がけっこういますよ。
「後ろ手を組むポーズ」は、とっさの対応がとりにくい姿勢です。
子どもの安全を守らなければいけない職員がとる姿勢としては、不適切と言えるでしょう。
この姿勢は、社会人としてもマナー違反とされています。
後ろ手を組むポーズは、保護者や目上の人と応対する時の姿勢として、「失礼」にあたるとされています。
社会人のマナーとしては、手を前で組む姿勢が適切です。
本人が思っている以上に、客観的に見ると偉そう見えることがあります。
安全管理とマナーの両面から、気をつけたい姿勢です。
保育中の不適切な姿勢③「壁にもたれて座り込む」
三つめに気を付けたいのは、「壁にもたれて座り込む姿勢」です。
これも、「後ろ手を組むポーズ」と同じく、とっさの動きがとりにくいだけでなく、勤務中の態度として不適切です。
一度自分の姿を客観的に見てほしいです
以前、このような姿勢をしている職員に注意をした時に、「大人が子どもの活動を、そばで立って見ているのが、監視しているようで嫌だ」と言った方がいて、なるほどと思いました。
しかし、その理由であっても、壁にもたれるというのはどうでしょうか。
低い姿勢や子どもの目の高さで、一緒に遊びや活動を行うことは、私も大切にしています。そのような場合も、壁にもたれてしまうと、とっさの動きができません。注意しましょう。
保育中の適切な姿勢とは
保育中の適切な姿勢に、決まった形はありません。次の2つのポイントを大切にしましょう。
まずは、上にあげたような「不適切な姿勢」をとらないことを大切にしましょう。
そのうえで、大切にしてほしいのは、次の二つのポイントです。
- いつでも子どもの安全が守れる姿勢
- 安心感と信頼感を感じてもらえる姿勢
いつでも子どもの安全が守れる姿勢
スポーツをやっている人は、初心者の時に、基本的な「構え」を教わったと思います。
その競技に必要な動きがとりやすく、無理のない自然な姿勢です。
例えば野球の守備では、左右に飛んできた玉や、前に転がってきた玉に瞬間的に反応できる、「最初の一歩の動き出しが早くなる姿勢」を教えてもらいます。
子どもの安全を守る「保育」や「支援」に置き換えるとどうでしょうか。
イラストは、ちょっと大げさですが、常に周囲の子どもたちに注意を払い、様々な状況に対応し、いつでも必要な支援ができるできるような姿勢を心がけましょう。
安心感があり信頼できる姿勢
安全を意識することは大切ですが、職員の表情が険しくなったり、動きが落ち着かなくなってしまっている人がいます。職員の緊張は、周囲の子どもを緊張させ、落ち着かない気持ちにさせてしまいます。
子どもが安心して過ごせるように、頭の中では四方八方に注意を払いながらも、おだやかな表情やゆったりとした動きを心がけましょう。
忙しい時には、気持ちが職員の姿勢や表情、動きに出てしまいがちになります。忙しそうな先生には、困っている子どもが声をかけにくくなります。
いつも落ち着いている、それでいて子どもの動きをしっかりと見ていて、必要な時にはサッと支援の手を差し伸べることができる。そのような職員は、子どもや保護者・同僚から信頼されるでしょう。
さいごに・・・
いかがだったでしょうか。今日は、子どもの安全を守るための、基本的な「姿勢」についてお伝えしました。
まずは、自分が「不適切な姿勢」となっていないかを振り返り、セルフチェックを心がけてください。
最後に、この記事のポイントをまとめておきます
<保育・支援をする時の不適切な姿勢>
- 腰に手を当てるなど、子どもにとって危険な姿勢
- 壁にもたれる・後ろ手を組むなど、支援やとっさの動きがとりにくい姿勢
<保育・支援をする時の適切な姿勢>
- いつでも子どもの安全が守れる姿勢
- 安心感と信頼感を感じてもらえる姿勢
姿勢には、自然と心がまえがあらわれるものです。職員の不適切な姿勢は、子どもや保護者、同僚の職員に知らず知らずに不安感や不信感をあたえてしまいます。
子どもとかかわるプロとして、勤務中はもちろん、施設の近隣や地域を歩くときなどにも、姿勢には気をつけたいものです。
適切な姿勢をとり、子どもの安全を守り、周囲の子どもや大人から信頼される職員を目指しましょう