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子ども支援のポイント

朝寝坊をする息子のゲーム機を隠したら、予想外の反撃が?「宿題がない」と嘘をつく子どもを追い込んだ支援員の私とお母さんがお互いに反省し話し合って考えた対応とは。

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2025/4/8

【放課後の詩」ノーソンチュー

ノーソンチュー(忖度注意はいらん) 「あんた、走ったらあかんって言うたやろ!」——って、ほんまにそれ、誰のための注意や? 上司の目チラッ保護者の顔チラッ「ええ、私、ちゃんとこども見てますよ〜」ってその“チラッ”はもうええねん。 それ、ソンチュー。忖度しての注意、略してソンチュー。こどもちゃう、自分守っとるだけやん。ほんまの注意、どこ行ったん? こどもはな、見抜いとるで。その声のトーン、その目の泳ぎ。「なんや、また大人の都合かい」って ほんまの注意っちゅうんは、相手のこと、よう見て、相手の言葉よう聞いて、「 ...

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2025/4/7

【放課後の詩】心の成長痛

心の成長痛 ねえ、どうしたの?なにかあった? …… 先生でよければ、話を聞くよ。 …… そっか、今は話したくないんだね。うん、いいよ。無理に聞かないから。 …… じゃあ、代わりに——先生の話、ちょっと聞いてくれる? …… 体が大きくなるときって、足や腕が、じんじん痛くなることあるよね? あれはね、「成長痛」って言うんだ。体が一生けんめい、大きくなろうとしているサインなんだよ。 …… でもね、実は——心にも「成長痛」があるんだ。 たとえば、友だちに言われた一言が胸の奥にずっと引っかかって、 話したいのに話せ ...

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2025/4/4

放課後児童クラブにおける性暴力防止「現場の具体的な取り組み例や研修資料など」

― こどもを守るために支援員ができること ― 令和7年1月、「放課後児童クラブ運営指針」が改正され、性暴力防止に関する項目が新たに盛り込まれました。 具体的には、第3章「放課後児童クラブにおける育成支援の内容」の中の、1‐⑧「こどもが安全に安心して過ごすことができるように環境を整備するとともに、緊急時に適切な対応ができるようにする。」に、次の内容が追加されました。 ◉ 性暴力防止のため、こどもの発達段階に応じた啓発を行う。また、放課後児童支援員等からこどもへの性暴力および、こども間での性暴力が発生した際に ...

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2025/4/3

【放課後の詩】ピンチはチャンス

子ども同士の 大きなトラブル言葉も出ずに 職員室は 静まり返る どうしたらいいの?誰もが 不安な顔でうつむいていた そのとき 先輩がぽつり「・・・これはピンチじゃなくてチャンスだよ」 その一言で 空気が変わったそうか これは子どもたちの大きな成長の 入口なんだ トラブルは ただの困りごとじゃないつまずくことで 気づけることがあるぶつかることで わかりあえることもある ――そう思わせてくれた あの言葉 それから私はピンチに出会うと そっと目を閉じて深呼吸「これはチャンス」って 心の中で唱える そして 目を開 ...

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2025/4/2

【放課後の詩】花より泥団子

花より泥団子 太陽がぽかぽかと地面をあたためる春休み今日も、泥団子日和です 「先生! こっち来てー!」声のほうを見るとすでにちびっこ職人たち手はドロドロ 目はキラキラ ぎゅっぎゅっと握ってはサラ砂をまぶして磨いて、磨いて、また磨く完璧な球体を目指して 「先生の泥団子、まんまるじゃん!」「うわ、すげぇ~!」「天才だ!」……ふふん、でしょ。これぞプロの技よ(でもね、腰、痛いんですけど) しゃがんだままで三十分そろそろ限界、よっこらしょ……ああ、立ち眩み。春の景色がブラックアウト年齢には、勝てません 「先生の団 ...

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2025/4/1

【放課後の詩】もうあそんでいいですか?

もうあそんでいいですか? みんなで遊ぶ時間それは 笑い声が響きあい手と手がふれあい 心が交わる素晴らしいひとときのはずだった だけど「先生、もうあそんでいいですか?」その言葉に 私は立ちすくんだ え? いままでのは遊びじゃなかったの? 決められた遊び決められたルール決められた時間 それは いつしか“やらなきゃいけないこと”になっていたのかもしれない こどもにとっての「遊び」とは自分で選び 自分で始め 自分で終える自由の中にある 生きた営みだった 私はあの一言にこどもの声なき声を聴いた 「わたしは わたしの ...

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2025/3/30

【放課後の詩】放課後児童支援員宣言

🕊️ 放課後児童支援員宣言 🕊️ 私は、こどもの声に耳を傾けます。言葉にならない気持ちも、沈黙の中のサインも、受けとめられる支援員になります。 私は、こどもの成長を信じます。今できること、これからできることを信じて、焦らず、比べず、そのこのペースを大切にします。 私は、こどもとたくさんあそびます。笑って、転んで、泣いて、また笑って、あそびを、こどもたちと一緒に心から楽しみます。 私は、働く保護者の味方になります。悩みや不安に寄り添いながら、子育て ...

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2025/3/30

【放課後の詩】「はじめの一歩」

はじめの一歩 靴ひもを結びなおしてドアの前で深呼吸 今日がその日新しい職場はじめての出勤 「自己紹介、なんて言おう?」鏡の前で 何度もリハーサル「ええと…はじめまして…いや、もっと明るく!」声に出せば出すほど頭の中はまっしろ、まっしろ、雲の中 名前、趣味、好きなあそびでも一番伝えたいのは「みんなと仲よくなりたいんだ」ってこと 部屋のざわめきが近づいてドキドキが波のように押し寄せるでも、その向こうから小さな「こんにちは」が聞こえた ふと目が合った今日、はじめてこの場所に来た子の不安そうな表情 「あ、緊張して ...

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2025/3/29

【放課後の詩】たった一言で

たった一言で 「どうしてもっとこうしてくれないんですか?」そんな言葉に心がぎゅっと小さくなる 誰のためにやっているんだろうこんなに頑張ってるのにそう思ってしまう夜もある こどもの笑顔に癒されながらも言葉にできない疲れが背中にじわじわと積もっていく 正直、やってられない――そんな気持ちが、ふとこみ上げる だけどある日、ふいにかけられた「いつもありがとうございます」「先生がいてくれて、本当に助かっています」そのたった一言で全部の苦労が、スーッと溶けていった 保護者もまた、働きながら不安や焦りを抱えて懸命に子育 ...

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2025/3/29

【放課後の詩】あのヒーローのように

君、悟空好きやろ?悟空の下敷きもってるやん戦うときの顔、めっちゃカッコええなぁって言うてたやん でもな、悟空のほんまに強いとこって、どこやと思う? かめはめ波?空飛べるとこ?それもすごいけどなほんまの強さって、もっと別のとこやと、先生は思うんや 悟空って、誰かをいじめたりせぇへんやろ?弱い相手に、わざと勝ったりもせぇへん ほんまに強い人はな強さを見せびらかしたりせぇへんねん誰かを泣かせて強くなろうとは思わへんねん 悔しいときもあるやろ腹立つときもあるやろでもな、そこで手ぇ出したらあかんねん 「悟空やったら ...

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目次

保護者

りえ先生、ちょっと聞いてほしい話があるんだけど・・・

支援員

かける君のお母さん、ちょうど私からもお話があって・・・

ある日のお迎えの時間に、保護者から呼び止められました。いつもは明るいかける君のお母さんですが、この時は思いつめたような表情をしていました。

実は、私からもお伝えしたいことがあったのですが、まずは先に、かける君のお母さんの話を聞かせていただくことにしました。

早起きのルールが守れない息子のゲーム機をとりあげた結果・・・

保護者

実は家で困っていることがあって・・・

お母さんの話によると、最近、かける君が夜遅くまでゲームをしていて、朝起きられないことが増えているそうです。そこで『早起きできないならゲームはダメ』というルールを決めたそうなんですが、最初は3日ぐらい頑張っていたかける君が、4日目に寝坊をしたため、約束通り、お母さんは「ゲーム禁止」を宣告したそうなんです。

保護者

ところがよ、りえ先生

その日、お母さんが仕事から帰ってきたら、先に学童から帰っていたかける君が普通にゲームをしていたそうです。お母さんは『約束違反!』って叱ったそうです。そのうえ、また次の日も寝坊してしまったかける君に頭にきたお母さんは、ゲーム機を隠しちゃったそうです。お母さんが帰ると、家の中のあちこちにかける君がゲームを探し回った痕跡があったそうですが、お母さんは気づかぬふりをして、「自業自得よ・・・」と思っていたそうです。

そんなある日のこと、かける君がまたもや朝寝坊をしたのでお母さんがゲームを隠そうとしたら・・・

保護者

ゲーム機がどこにも見当たらなかったのよ・・・

いつもの置き場所を見てもゲームがない。家のどこを探しても見当たらない。そこでお母さんは思ったそうです。

保護者

どうもかけるがゲーム機を隠したみたいなの。

支援員

お母さんにゲーム機を隠されないように隠したと・・・。

保護者

りえ先生、どう思う?

・・・どう思う?って??

私はかける君のお母さんにどのような言葉をかけたらよいのか一瞬言葉に詰まりました。で、とっさに出てきたのは、こんな言葉でした。

支援員

よかった~

保護者

え?

支援員

私からもお話があるって言ったでしょ?お母さんの話を聞いたら話しやすくなったわ。今度は私の話、聞いてくれますか?

「宿題がない」と嘘をつく子どもを追求し続けた結果・・・

私が、お母さんに相談したかったのは、最近の学童でのかける君の様子でした。

支援員

実は、宿題のことなんですけど・・・

実は昨日、かける君に、「宿題やろう」と声をかけたら、「今日は宿題ない!」って言われたんです。でも、同じクラスの他のこどもは宿題をやっていたし、おかしいと思ってランドセルを見せてもらったら、ちゃんと入っていたんです。

保護者

嘘をついていたんですね?

支援員

ええ。なので私はかける君を叱りました。

『嘘をついたらだめだよ』と、かける君にお話しをしました。お母さんにはお伝えしていなくて申し訳ないのですが、同じようなことが以前にも何度かありました。

それで、今日のことなんですが、また、『今日は宿題ない!』とかける君が言うんです。確かめさせてもらったら、本当にランドセルに宿題は入っていなかったんです。同じクラスの子に聞いたら『宿題出ているよ』って言うし、変だなと思って・・・

支援員

その時気づいたんです。

かける君のズボンの後ろポケットに、折りたたんだ宿題プリントが入っているのを・・・。

保護者

えっ?じゃあやっぱり嘘をついていたんですね・・・。

支援員

はい。「どうして隠したりしたの?」ってきいたんですが、何も言わなくて。

宿題をやるのが嫌なのか、叱られるのが嫌で隠すのか・・・。ちょっと心配になって、お母さんに相談したいと思っていたんです。

二つの事例から考えたこと「かける君への支援とは・・・」

保護者

りえ先生、ごめんなさいね。うちの子が迷惑かけて・・・。

支援員

いえ、そんなんではないんです。私、自分がふがいなくって・・・。

保護者

え?

支援員

私のせいでかける君は嘘をつくしかなかったんじゃないだろうか。私、支援員って名ばかりで、かける君への支援が全然できてないかも、って思ったんです。ほんとごめんなさい。

この気持ちは本当でした。私、かける君の後ろポケットの宿題を見た時、ハッと思ったんです。

かける君が宿題を隠さざるをえないように追い込んでいるのは私じゃないだろうか、って。

私は、かける君が宿題をやりたくない気持ちに共感したり、そもそもなんでそんなに宿題が嫌なのかを想像したり、「だったらどうしたらいいだろう?」って、かける君と一緒に考えたり、そんなかかわりが全然できていなかった。

支援員

私のばっきゃろー!

保護者

り、りえ先生落ち着いて・・・。

具体的な支援について「そのあとお母さんと話し合ったこと」

かける君のお母さんの前で取り乱してしまった私ですが、お母さんはお母さんで、私の話から自分とかける君のかかわりについて客観視できたところもあったようでした。

支援員

かける君、いいところもいっぱいあるんです。それなのに私・・・。

保護者

なんか考えさせられたわ・・・。

そのあと、お母さんと一緒にあれやこれやと話し合ったのは以下のような内容でした。

  • りえ:「宿題を隠す、ゲーム機を隠す、嘘をついてしまうというのは、『怒られたくない』という気持ちが大きいと思う。自分でもまずいことだと思いつつ、叱られるのが嫌で、さらに隠すという悪循環になっているのかもしれない。
  • :叱らなきゃと思ってやってきたけど、正直、効果があるようには思えない。もっと良い方法があれば知りたいと思っている。
  • りえ:学童では、かける君が宿題を取り組みやすいように、最初に声かけする時間を決めたり、終わったらちょっとした遊びを用意したりしてみようと思う。『ちゃんとやろう』という一方的な押しつけではなく、『終わったら○○できるよ』というような、少し前向きな形でアプローチをしてみようと思う。
  • :家でも『早起きできたらゲームしていい』というルールを決めてみたが、いま思うと『できないならダメ』ばかりが強調されてたのかもしれない。もう少し前向きに、『○時までに起きられたらこんないいことがあるよ』みたいにしてみようかな・・・。
支援員

叱る場面が必要なときももちろんあります。でも、『ここはよく頑張ったね』とか、『昨日よりちょっと早く起きられたね』みたいに、できたところに注目する声かけがあると、本人も『やればできるんだ』と感じられるかもしれないですよね。

保護者

最近は怒ることばかりで、かけるのいいところを見つけてあげられてなかったかもしれないと思ったわ。ゲーム機を隠し合うのはお互いにストレスなので、話し合ってルールを一緒に決め直そうと思う。

支援員

そうですよね。隠し合いだと、お母さんも嫌な気持ちになるし、かける君も『また怒られる』『取られる』という不安が増えちゃいますものね。ルール決めがうまくいかないようなら、“ゲームをやるときはリビングでする”とか、“一定時間のみ”といったやり方をされているご家庭もありますよ。

保護者

なるほど。ちょっと考えてみますね。かけるが納得しやすいように、一緒に話し合うのがよさそうですね。

支援員

学童でも、まずは宿題を無理やりやらせるのではなく、かける君が自分から『やろうかな』と思える声かけを工夫してみますね。

保護者

りえ先生ありがとう。私も家で叱るばかりではなくて褒める部分を意識してみるわ。もしまた何かあったらすぐ相談してもいい?

支援員

もちろんです! 何か変化があればこちらからもお伝えしますので、一緒に様子を見ながらやっていきましょう。


ポイントまとめ(放課後児童クラブと家庭との連携)

  1. 「嘘」や「隠す」行動の背景を理解する怒られたくない、面倒・嫌なことを回避したいなど、子どもが追い詰められている気持ちがあるかもしれない。
  2. 叱る場面だけでなく、「褒める」・「認める」場面を意識する小さな達成(少し早く起きられた、宿題を出した)を見つけ、言葉にして伝える。叱るだけでは子どもはモチベーションを失いがちになってしまうことも・・・。
  3. 具体的・前向きなルール設定「できなかったらダメ」だけではなく、「○時までに起きられたらこんないいことがある」など、子どもが納得・イメージしやすい形にする。ゲーム機を隠すのではなく、管理方法や時間のルールを子どもと相談するなど、トラブルを減らす工夫をする。
支援員

かける君のお母さんとゆっくりお話ができてよかったです。

かける君については、学童での様子や宿題の声かけの反応などをこまめにお母さんにに伝えたり、家庭のルールや取り組みの変化も学童側と共有していただくなど、お互いに相談をしながら、それぞれの場所(学童と家庭)でのアプローチを工夫していくことになりました。

今後も家庭と連携しながら、放課後児童クラブでできるかける君への支援について考えていきたいと思います。

※記事内容はフィクションです。

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