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指導員

【学童保育】「子どもが好き」と言う指導員のことが心配な理由

学童保育指導員(放課後支援員)に向いている人の条件として、「子どもが好きな人」と書いてあるのを見ると、私はちょっとした違和感を覚えます。

同じ理由で、指導員の面接の時に、「私、子どもが好きなんです!」と言う人がいたら、「大丈夫かな?」と、少し心配になります。

所長

大丈夫かな・・・

指導員

なんてこと言うんですか!私、子ども好きですけど、悪いですか!?

所長

そういうわけじゃないんだけど。

実は以前、「子どもが好きです!」って言ってた指導員が3カ月で辞めちゃったんだ。

「子どもが好き」と言っていた人が3カ月で辞めてしまった理由

誤解のないように言っておきますが、私は、これから放課後児童支援員の仕事をしよう、と思っている人は、「子どもが好きな人」であって欲しいと思っています。子どもが嫌いな人は、この仕事はできません。

指導員

なんでその人辞めちゃったんですか?

所長

この学童の子どもは、言うことを聞かない!問題がある!って言って、辞めたんだよ。

指導員

確かに・・・。言うことを聞いてくれないこともいっぱいありますよね。

3カ月で指導員を辞めたその人は、塾の先生の経験があり、子どもとのかかわりには、自信を持っていました。ところが、学童では、なかなか子どもが自分の言うことを聞いてくれなかったのです。

所長

その人の中では、塾の教室で座っている「素直な生徒」が、子ども像だったと思うんだ。

それで、そのイメージでもって「子どもが好き」って言っていたんだね。

その人は、子どもは素直、子どもは礼儀正しい、というイメージが強かったようです。

私は、「子どもが好き」という言葉を聞くと、「この人は、子どものどの部分を見て好きって言っているのだろう」と、少し心配になってしまうのです。

あるお父さんの言葉

所長

昔話になるんだけど、学童の仕事を初めて間もない頃に、あるお父さんと飲みに行ったんだ。

そのお父さんは、消防士で、生死にかかわる仕事をしているだけあって、人生観が常人とは違うというか、とにかく若い私にとっては、いろいろためになる面白い話を聞かせてくれました。

随分と酒が進んだ後のことです。そのお父さんが、コップを片手に、酔った目で私をみつめながら、ある質問をしました。

保護者

先生、愛と恋と結婚の違いってわかりますか?

指導員

いったい何の話ですか?

所長

まぁまぁ・・、今回のテーマと関係のある話なんだよ。

私は、その当時、恋と愛の違いというのは、何となく理解していました。「恋は一方通行で、愛は双方向」というやつです。けれど、「愛と結婚の違い」というのは、全くわかりませんでした。

愛し合っているから結婚するのではないのか??愛≠結婚??それどういうこと?全くわからへん・・・。

私がそのように答えると、そのお父さんは、

フッ」と笑って遠くを見つめながら、

保護者

結婚は「生活」なんですよね~

と、言いました。そして、コップを片手に何やら物悲しい歌を口ずさんでいました。渋すぎる・・・。

この、「結婚は生活」という意味が、その後もずっと、私は理解することができませんでした。その後、私は結婚しましたが、それでもやっぱり、わかりませんでした。

しかし、結婚して10年以上が経ち、子どもができて、夫婦で様々な苦労を乗り越えた時に、このお父さんが言っていたことが、ようやくわかるようになりました。

指導員

悪いんだけど、話がわかりませ~ん。

所長

つまりさ、学童は「生活」ってことなんだ。

「恋と愛と結婚の違い」

「あの人かっこいいな~」とか、「あの人かわいいな~」とか、心の中で思っている段階が、「」です。「恋」は自分本位な感情です。

」は相手本位の感情です。愛するためには、自分が努力をしないといけないこともあります。

そうして、愛し合った二人が結ばれて、「結婚」しました。

「結婚」すると「生活」を共にします。家の中では、お互いに「生」の自分を見せ合うことになります。「かっこ悪いところや」「かわいくないところ」だって見せ合います。

指導員

私の結婚のイメージを汚さないでもらえます?

所長

それでも結婚は、素晴らしいものさ!

お互いに家の外で頑張っているのです。だからこそ、家の中では、だらしない自分や弱い自分をさらけ出します。そんなお互いを受け止め、支え合って生きていくのが「家族」です。

学童は「生活」

学童は家庭にかわる「生活」の場です。

そこには、子どもの「かわいい」姿や「かっこいい」姿がたくさんありますが、「わがまま」「いいかげん」など、その子どものありのままの姿もたくさん目にすることになります。

そんな姿を受け止めつつ、子どもも指導員もお互いに成長していくのが、学童保育の営みだと思うのです。

所長

辞めていった人は、子どもに「恋」をしている状態だったんだね。

指導員

「生活」を共にすると、嫌な姿がたくさん見えて、この仕事も嫌になっちゃったんだ・・・。

さいごに・・・

指導員

なんだか、わかったような、わからないような話でしたよ。

所長

ははは。正直な感想をありがとう。けど、僕たち指導員の仕事の奥深さは、何となく感じたでしょ。

指導員

私は、しばらくはこの仕事辞めないんで、安心してくださいね。

所長

(しばらくって言った?)「子どもが大好き」な君が、いつか「この仕事が大好き」って言ってくれると嬉しいよ。苦労はあるけど頑張ってね!

「子どもが好き」ということは、学童保育指導員の入り口に立つうえでは、大切な要素かもしれません。そして、学童保育での子どもとの「生活」は、子どもが「好き」という感情だけでは太刀打ちできない場面もあります。

しかし、そんな場面を乗り越えて、学童保育の仕事の価値や、やりがいを見出してもらえると、私は嬉しいです。

指導員の仕事を辞めていく人はたくさんいます。処遇の悪さや少人数の職場で人間関係に苦労するなど、その理由は数えきれないでしょう

正直に言って、向き・不向きというのもあります。学童保育の仕事以外にも子どもの関係の仕事はたくさんあります。学童の仕事がうまくいかなくても、自分を活かせる職場はきっと見つかりますよ。

所長

辞めていった人には、所長として、十分なサポートができなかったという反省もあります。次の職場でのご活躍を祈っています。

 

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