ある日の学童での出来事です。
私が部屋に入ったら、てっちゃんが、なんだかそわそわしている気がしました。
ふと見ると、鉛筆削りの横に、先がとがった割りばしが転がっていました。

この割りばし、鉛筆で削ったのね・・・。
とがった割りばしは、危険だと思いました。

これ、危ないわよ。誰がやったのかな?

知らない
みんなに聞いてみたけど、だれも「自分がやった」とは言いませんでした。
私は、鉛筆削りの近くにてっちゃんがいたのと、最初から挙動不審な感じがしたのとで、てっちゃんが怪しいと思いました。

てっちゃん、何かしってるんじゃないかな~?

おれ、知らない・・・。

誰でも失敗や間違いはあるんだよ。
正直に言ったら、私怒らないよ。

し、しらないって言ってるだろ!
私は、指導員としての「カン」を信じて、もう少してっちゃんを追及しようと思いました。
失敗や間違いは誰にでもある、けれど、うそをついてごまかすことは、てっちゃんのためにならないと思ったからです。
でも、これ以上言っても、てっちゃんは認めないこともわかっていました。
だから、「やった」「やってない」じゃなくて、事の良し悪しを伝えることにしました。

鉛筆削りで割りばしをとがらすのって危ないと思わない?

わかってるよ!そんなこと!

なによその言い方!ほんとにわかってんの!?
夕方に、てっちゃんのお母さんに、電話でこのやりとりのことを伝えました。

私もちょっと言い方が強くなってしまって・・・。てっちゃん、何か言ってませんでしたか?

あの子、帰って来るなり、「あいつは優しいふりしてるけど心は腐ってる!」って言ってましたよ。おほほほ~

そ、そうですか・・・。
私は、お母さんから、「あいつは心が腐っている」という言葉を聞いて、確信しました。

てっちゃんじゃなかったんだ・・・。
本当にてっちゃんがやっていたのなら、帰って一番に、お母さんにそんなふうに言うはずがありません。
最近は、子どもの様子から、黒か白か察知できるという自信があったのですが、自分の「カン」を便りに、「決めつけて」対応をしてしまったことを反省しました。
今思えば、あんなにむきになるほどのことじゃなかった・・・。
なんであんなふうに言っちゃったんだろう?
てっちゃんは最初から知らないって言っていたのに・・・。私は信じてやれなかった。
てっちゃんより、自分のカンを信じたんだ。
最低な私。てっちゃんを傷つけてしまった。
「心が腐ってる」って、すごい言葉だな。
そんな言葉子どもに言わせちゃった。
指導員失格だ・・・。
・・・。

は~い!!
反省タイム終了!!

指導員だって人間だ!失敗だってあるわい!

しっかり反省した!
もう同じことは絶対しない!

今回の失敗で私は成長した!

明日、てっちゃんに謝る!

私は、子どもに謝れる指導員になる!

明日から、もっといい指導員を目指して頑張るぞ~!

だから今日は・・・

もう寝る。おやすみ~!