今回は、子どもと身体接触を伴うかかわりをするうえで、指導員が注意すべきポイントについて説明します。子どもから抱っこやおんぶをせがまれたりした時には、どのように対応したらよいのでしょうか。
新着記事
学童保育指導員になりたいないなら
スポンサーリンク
年間休日120日以上!
ほとんど残業なし?
無理なく働ける学童保育所を探すなら「はじめての学童保育指導員」簡単30秒登録!
たけし先生の女子へのかかわり方が気になっています。
1対1でべったりって感じで・・・。
学童保育の中では、放課後児童支援員(以下「指導員」)に、子どもが、おんぶや抱っこ、膝乗せなどをせがんでくることがあります。
子どもの側からそのような「身体接触」を伴うコミュニケーションを求めてきた場合、どこまで許容すればよいのか、悩むことがあるのではないでしょうか。
今回は、子どもと身体接触を伴うかかわりをするうえで、指導員が注意すべきポイントについて説明したいと思います。
こちらもCHECK
-
がってん学童の「おやつ論争」前編【トイレに学童保育のおやつが捨てられていた?】
続きを見る
学童で、子どもが甘えてくるのは、よくあること
学童の現場では、子どもが、指導員に甘えてくることはよくあります。学童は家庭にかわる生活の場です。指導員には、こどもにとっての、お母さん・お父さん・お兄さん・お姉さんなど、色々な役割が求められます。
指導員が、子どもから甘えられる存在であることは大切なことなんだよ。
指導員には、小学校の先生と生徒の関係と比べると、子どもとぐっと距離感を縮めてかかわったり、対等の目線でかかわるような場面が多くあります。
この点が、学童保育の面白さであり、やりがいでもあると思います。
1年生が、初めて私に抱きついてくれた時、「私に心を許してくれたんだ」って、手応えを感じました。
例えば、絵本の読み聞かせをしている時に、自然と子どもが膝の上に乗ってくることがあります。座っていると、子どもが背中に乗りかかってきたり、「おんぶして~」「抱っこして~」と、子どもから頼まれることもあるでしょう。家庭的な雰囲気を大切にする、学童保育ならではの風景ですね。
子どもが、身体接触を求めてくる場合は、多くの場合は、「自分を受け止めて欲しい」「安心したい」という欲求からです。様々な理由で、そのような欲求が満たされていない子どもにとっては、指導員にしっかりと受け止めてもらえることは、大きな安心感になります。
こちらもCHECK
-
「がってん学童の宿題論争」前編【学童保育の宿題の悩みについて】
続きを見る
それが、プロとしてのかかわりなのかどうか
大切なことは、それが、プロ(放課後児童支援員)としての意図的なかかわりであるかどうか、ということです。
例えば、最近、指導員にベッタリと甘えることが増えているAちゃんに対して、
プロとしてのかかわりとは
- (背景)Aちゃんのお母さんは、最近仕事が忙しくて、Aちゃんが寂しい思いをしている
- (指導員の意図)Aちゃんをまずはしっかりと受け止めよう
- (支援の目標)指導員と1対1の関係でAちゃんが安心したら、他の子どもを巻き込んで一緒に遊ぼう
というように、支援の見通しを持って関わっているかどうか、ということです。また、これらの対応を、個人的な思い入れではなく、職場として話し合って、指導員間で共有していることも大切です。
私は、学童保育の現場で働く指導員(放課後児童支援員)や補助員、アルバイトスタッフなどすべての人に、プロ意識をもって子どもとかかわってほしいと思っています。
それが、子ども・指導員にとって「安全」なかかわりであるかどうか
私たち指導員の仕事は、子どもの安全を守ることです。
例えば、指導員が、子どもからせがまれて、「肩車」をしたとします。これは安全なかかわりと言えるでしょうか。
「肩車」には、転落などの危険が伴いますので、子どもにとって安全とは言えないでしょう。
体が大きくなった小学生を、おんぶや抱っこすることは、指導員にとって、腰痛など職業病につながることがあります。特に、後ろから、子どもが急に跳びついてくるような場合は、腰痛の危険が大きくなります。
指導員の立場からしても、安全ではないかかわりは避ける必要があります。
「こういうことは危ないから、絶対にやめてね」と、子どもに教えましょう。
同じように、安全面ということで考えると、たくさんの子どもがいる中で、1人の子どもだけと長時間かかわるような対応は、その子以外の安全を守れていない、ということになってしまいます。
身体接触を子どもが求めてきたときの対処法
先にも述べたように、このようなかかわりを求める子どもは、ストレスや不安感を抱いている場合があります。指導員は、子どもの思いを受け止めつつ、やがては、2人から3人、3人から4人と、遊びの輪を拡げていくことで、子どもの関係を拡げていきましょう。
やがて、遊びが盛り上がった頃合いで、支援員がスッと抜けると、後には子どもだけで遊ぶ姿が残ります。
「指導員との関係から、子ども同士の関係へ」という方向性は、意識しておきたいですね。
子どもが女性指導員の胸を触ってきたり、乱暴なかかわりをしてくるような場合は、「それはやめて」と、はっきりと伝えましょう。
「行為を否定しつつ、その子ども自身は否定しない」と、いう対応であれば、その子どもは少しずつ落ち着いてくるはずです。
さいごに・・・
たけし先生、この前、〇〇ちゃんと長い間二人きりで遊んでいたんだって?
はい!おいら、女子から人気があるみたいで!
ところで、男性保育士が乳児のおむつ交換をしていたら保護者からクレームがあったって話知ってる?そんな厳しい目で見る人がいるってことは、男性指導員として知っておいた方がいいよ。
なんすか?それ??おいらは無実だ~!
子どもから寄ってきたときはどうしたらいいんすか?
他の遊びに誘うとか、他の子も誘って遊ぶとか、指導員なら色々な対応を身につけておこうね。
いかがだったでしょうか。「男性指導員が、女子を抱っこしたりしていいのか?」という質問に対しては、そのかかわりが、「必要な支援」かどうか、「子ども・指導員にとって安全」かどうかで、判断してください、というのが答えです。
「男性だから」「女性だから」という問題ではなく、放課後児童支援員としてどうなのか、という視点で考えてください。
同時に、今、自分が子どもに対して行っているかかわりが、「客観的にどう見えるのか」という意識は、男女問わず、指導員の仕事をするうえで、持っておきたいですね。
まとめ
【子どもが抱っこやおんぶなどを求めてきた時の対応】
- なぜこの子は抱っこを求めてくるのか?など、行為の背景を考えることが大切
- 抱っこを受け入れる場合は、それが指導員としての意図をもった関りであることが大切(意図があるということは、なぜ抱っこが必要かを説明できるということです)
- 抱っこを求めてくる子が、やがては子ども同士の関係で遊べるよう支援の見通しをもつ
- 子どもや支援員にとって危険な行為や行き過ぎた身体接触は、その「行為」をしっかりと否定する
対応について職場で協議したり、他の支援員が介入してうまく距離をとるなど、支援員のチームワークも大切です。
こちらもCHECK
-
がってん学童の「おやつ論争」前編【トイレに学童保育のおやつが捨てられていた?】
続きを見る
こちらもCHECK
-
【学童保育】職場環境や人間関係から転職を考えている指導員の皆さんへ「転職のメリットとデメリットについて」
続きを見る