学童で行った「不審者の避難訓練」の最後に、たけし先生が子ども達に言った言葉が物議に・・・。
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この記事は前回の続きです。
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【学童保育】「不審者」について、子どもにどう教えたらいいの?「避難訓練」を通して私達が考えたこと(前編)
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たけし先生が「不審者」の避難訓練の最後に子ども達に向けて言ったのは、次のような内容でした・・・。
「不審者」って言ったら、怪しい人って言う意味だよね
それで、すごい難しいことだと思った。
?
世の中には、怖そうに見えて、優しい気持ちの人がいます。
それとは反対に、優しそうに見えて、心の中で悪いことを考えている人もいるかもしれない。
その人が不審者かどうか、どうやって見分けたらいいんだろう・・・、みんなに不審者のことをどう教えたらいいんだろうって思ったんだ
・・・
それで、先生はこう思った。
みんなは、「人を見る目」を鍛えていかないといけない!
優しそうとか、怖そうとか、見た目だけじゃなくって、その人の中身を見抜く「目」を持った人になってほしいと思うんだ。
それで、どうやったらみんなが、そんな人を見る「目」を鍛えられるか、これから話したいと思います。
一つ目は、友達とか家族とか、みんなが大切に思う人ののことを精一杯大事にすること!
二つ目は、自分の嫌だと思うことは、友達にちゃんと言葉で伝えること!
そんな風に、相手のことを大事に思って、正直な気持ちでまわりの人とかかわっていると、相手が自分のことをどんなふうに思っているのかも、きっとわかるようになると思うんだな~!
その人が、自分のことを大事に思っているのか、自分のことを傷つけようとしているのか、わかるようになるんだよ。
だからみんな、仲間のことを大切にしようぜ!
先生からの話はこれで終わります!
避難訓練はこれにて終了!!
たけし先生がこんなことを子どもたちに言ったのは、前回の「不審者」の避難訓練の後に、子ども達が、知らない人に対する不安を強めている様子があったからなんです。
疑うことだけじゃなくて、人を信じる気持ちや大事に思う気持ちを子ども達に伝えたいと思ったんだ!
そうだったんだね・・・
「不審者」の避難訓練を行った後に、子ども達が人に対して疑心暗鬼にならないような言葉がけをして、訓練をしめくくろうとした、たけし先生の配慮は大事なことだと思う。
それに私も、子ども達には、人を信じる気持ちやお互いを大事に思う気持ちをもってほしい。
けど、そんな、一人ひとりがかけがえのない大切な子ども達だから、犯罪の被害から絶対に守りたいし、自分で自分の身を守れるようになってほしいと思う。
だから、私はたけし先生の言葉がけに違和感を感じたのよ
私はね、たけし先生は、「不審者」を見極めるもっとわかりやすくて、具体的な判断基準を子ども達に示すべきだったと思う。
仲間を大切にしようぜ!って伝えましたけど・・・?
だから、そうじゃないんだよー!!
え~??
子どもが、まわりの人がみんな「不審者」だと思うようなことにならないために、そして、いざという時には自分の身を守ることができるために、「正しく恐れること」が大事だと思うの。
そのためには、次に書いたような小学生にも理解できる伝え方で、①「不審者」を判断する方法と、②「変だな」と思った時の行動、を教えないといけないと思う。
①「不審者」の判断
私が、不審者を判断する具体的な判断基準と言ったのはこういうこと
不審者の判断基準
- 「変だな」と思うことを言ってくる人
- 「こわい」と思うことをしてくる人
- 興味をひくようなことを言ってくる人
- 同情をさそうようなことを言ってくる人
特に低学年の子どもには、より具体的に伝える必要があると思うんだ
こういう人は「不審者」です
知らない人で、こんなことを言ったりしたりして来る人に気をつけよう
- 名前や住所を聞いてくる人
- 写真を撮りたがる人
- 追いかけてくる人
- 車に乗るように言ってくる人
- 体を触ろうとしてくる人
- ゲームをしよう、おやつをあげるよ、などと言ってくる人
「変だな」と思った時の行動
そして、そんな「あやしい人」に出会ってしまった時に、子どもがとるべき行動も伝えないといけないの。
「変だな」と思った時は
- 「いやです」「できません」とはっきり断る
- 逃げる
- 声を出して助けを求める
- 防犯ブザーを押す
- 子ども100当番の家に逃げ込む
いかない、のらない、おおごえを出す、すぐににげる、(大人の人に)しらせる、というのもとってもわかりやすいよね
「いかのおすし」っすね!
これらの具体的な対応を伝えずに、「怖そうな人でも優しい人かもしれない」「仲間を大切にすることが、不審者を見抜く目を鍛えることになる」というメッセージを伝えることは、子どもにとってはわかりにくいし、かえって判断を難しくする危険があると思うの。
「不審者」の防犯教育は2種類ある
これも大事なポイントよ
今言った①不審者の判断と②不審者に出会った時の行動は、学童や学校の外で不審者に出会ってしまった時の対応なの。
前回の避難訓練は、学童に不審者がやってきた時の対応。
学童や学校の中では、先生が「危険だ」と判断することで避難行動がスタートするけど、子どもだけでいる時に外で不審者と出会ったら、子ども自ら危険かどうかを判断しなくてはいけない。
だから、この二つの状況では、子どもに伝えることがそれぞれに変わってくるんだ。
たけし先生の話の中では、この二つがごっちゃになってしまっていたの。
学童に不審者が来たという訓練の流れで、子ども自身が不審者を判断することをぶちこんでしまったのよ
本来は、別々に丁寧に教えた方が子どもにはわかりやすいと思うんだ。
さらにそこに、「まわりの人がみんな不審者に見えて子どもが不安にならないように」という思いや「人を信じる気持ちを大事にしてほしい」という思いも入っていたから・・・
わかる子はわかったかもしれないけど、混乱したりよくわからくなってしまった子もいたんじゃないかな。
大事なことだからこそ、伝え方や伝えるタイミングには気をつけたいと思うの。
もう一度言うけど、私はたけし先生の配慮は見習いたいと思う。
それに、人を大事に思う気持ちや人を信じる気持ちを子ども達には大切にしてほしいし、そのことは学童の生活のあらゆる場面で子ども達に伝えていきたいと思ってる。
さいごに・・・
・・・ってことをたけし先生に言いたかったの
避難訓練の指揮、よくがんばったね
わっかりました!
もっと精進するっす!
僕はたけし先生の言葉がけもよかったと思ったけど、りえ先生の指摘はさすがベテランって思ったよ
- 不審者の避難訓練が子どもを不安にさせることがある
- 不審者を正しく恐れるためにも、具体的に伝えること
- 人を大事にする気持ちや信じる気持ちを子ども達に伝えたい
今回の避難訓練を通して、色々と考えを深めることができたと思う。
そして、様々な学年、様々な発達過程の子どもが通う学童保育だけに、指導員は子どもへの伝え方にはこだわりたいし、特に低学年の子どもは大人の言うことをそのまま受け止めてしまう特徴があることにも注意が必要だね。
子ども達が安全に、安心して生活するためには、地域の人々と交流を深め、子どもを見守る地域社会をつくっていくことも学童保育の大切な役割だよ
なお、子ども向けの安全教育では「不審者」という言葉を使わず「あやしい人」という表現を使うことも多くあります
また次の記事でお会いしましょう!
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