娘が新型コロナウィルスに感染していることがわかりまして・・・
保護者から施設に、このような電話があった時、皆さんはどのように応えますか?
そうなんですね。お大事になさってください。
一般的には、このような対応かと思います。
しかし、子どもの健康と安全を守り、保護者が安心してして我が子を預けられるように、信頼関係を築いていく学童保育のような施設では、これだけの対応では100点満点中、20点の残念な対応と言えます。
今回の記事では、新型コロナ感染や身内の不幸、保護者が事故に遭ったなど、一般的な体調不良以外の事由による欠席の連絡を受けた時に、保護者との間に信頼感と安心感を育む対応について考えていきたいと思います。
こんな連絡があった時の対応のポイントは?
- 子どもが新型コロナに感染した
- 保護者が新型コロナに感染した
- 職員が新型コロナに感染した
- 利用児童の身内に不幸があった時
- 職員の身内に不幸があった時
- 保護者が事故に遭った時
- 利用児童が骨折をした時
目次
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保護者からの連絡「子どもが新型コロナウィルスに感染した」ケース
新型コロナウィルスの影響はいまだに続いています。
子どもが通う学童保育などの施設では、日常的に、「新型コロナウィルスに感染した」という連絡を保護者から受ける状況があります。
トゥルルル・トゥルルル・・・
はい、がってん学童、山田です!
「5年生の竹内です。娘が新型コロナの陽性になりました」
利用児童が陽性になった時には、施設としてはいくつか確認するべきことがあります。
しかし、このような連絡を受けた時の、第一声は、
そうでしたか。ふみかちゃんはどんな様子ですか?
子どもの安否を気遣う一言とすることを心がけましょう。
昨夜は38度まで熱があがったんですが、今は少し落ち着いています。
今は落ち着いているんですね。安心しました。
まだ熱が高い状態なら、「それは心配ですね。」と、不安な気持ちでいる保護者に共感する言葉がけをしましょう。
お母さんや、ご家族の皆さんは大丈夫ですか?
はい。今のところ娘以外は元気にしています。
感染力が強いのが新型コロナウィルスの特徴です。子どもが感染した時には、家族の安否を気遣う一言があれば、職員の思いやりが伝わり、保護者も安心することでしょう。
これらのやり取りの後、施設として知るべき事柄を確認します。必要に応じて、施設側の対応についてもアナウンスしましょう。
保護者への労いや思いやりの言葉なく、真っ先に事務的なことを聞こうとすると、「冷たい」対応だと感じられる保護者もいるかもしれません。注意してほしいと思います。
大変な時に申し訳ありませんが、いくつか確認させてもらっていいですか?
はい、どうぞ。
陽性時の確認事項
- 発症日(症状の表れた日時)
- 症状
- 受診機関
- 検査方法
- 待期期間
※自治体や施設によってこれら確認事項が違う場合があります。
相手は、看病をしている保護者です。大変な状況に配慮して、必要事項を手短に聞くようにします。
最後に、
大変な中、ご連絡いただきありがとうございました。
早くよくなるといいですね。お母さんもお気をつけくださいね。
ありがとうございます。
大変な状況の中、施設に連絡をくれた保護者への感謝の言葉とともに、子どもや保護者の今後を気遣う一言をそえるようにしましょう。
連絡の際に、これらの内容があると、保護者にとっては、職員に対する安心感と信頼感につながることでしょう。
まとめ
新型コロナに子どもが感染している連絡を受けたら・・・
- 子どもの体調を気遣う言葉がけ
- 家族の体調を気遣う言葉がけ
- 施設が知るべき事柄の確認
- 連絡をくれた保護者への感謝
- その後を気遣う一言
などを伝えましょう。ただし、相手の状況に配慮して簡潔に伝えることを心がけます。
保護者からの連絡「保護者が新型コロナウィルスに感染した」ケース
新型コロナウィルスに、利用児童以外の「家族が感染した」場合の対応についても見ていきましょう。
これには2つのパターンがあります。一つ目は、連絡をくれた保護者自身が陽性となった場合です。二つ目は、連絡をくれた保護者以外の家族(配偶者や利用児童のきょうだい・祖父母等)が陽性となったケースです。
連絡をくれた保護者自身が陽性のケース
「もしもし、5年生の竹内です。私が新型コロナの陽性になってしまいました。娘は濃厚接触者となりましたので〇日まで学童をお休みします。」
このような連絡があった時の第一声は、保護者の体調を気遣う言葉がけです。
お母さん、ご体調は大丈夫なんですか?
はい。今は熱が下がっています。
自身が体調不良の中、わざわざ施設に連絡してくださった保護者の思いに応える一言も忘れないようにしたいです。
そんな大変状況なのに、ご連絡をいただいて本当にありがとうございました。
その後、施設として知るべき事務的な事柄について確認しましょう。
お母さん、しんどい中だと思いますが、いくつか確認させてもらってもよろしいですか?
上記の「陽性時の確認事項」と合わせて、ご家族の中に症状のある人がいないかについて確認しましょう。
最後に、
お母さん、お大事になさってください。
何かご協力できることがあれば、遠慮なく言ってくださいね。
と伝えることもよいでしょう。
「何かご協力できることがあれば言ってください」という言葉は、私自身、わが子がお世話になっている施設の職員さんから言ってもらった言葉です。実際に施設が、保護者の病休中に協力できることはあまりないと思われます。しかし、この一言は心に染みわたりました。
子育て中の保護者にとっては、新型コロナウィルスに感染して不安な気持ちでいっぱいです。この職員の一言は、励みになる言葉だと思います。
連絡をくれた保護者以外の家族が陽性のケース
父親が陽性になりまして・・・
連絡をくれた保護者以外の家族が陽性の場合も、まず最初に、陽性となった方を気遣う言葉がけが大切です。
次いで、連絡をくれた保護者や家族の様子をたずねます。
そうでしたか、お父さんのご体調はどうですか?
今も高熱で、自室で隔離しています。
それは大変ですね。早くよくなられるといいですね。
お母さんやご家族は大丈夫ですか?
以降の事務的な確認事項は、前述を参考にしてください。
連絡をくれた保護者にとって、家族の感染はとても心配なことです。施設職員から、「家族みんなの健康を気にしている」という思いが伝わると保護者は心強く感じることと思います。
お母さんも大変なのに、わざわざご連絡ありがとうございました。
お母さんもお気をつけくださいね。
温かい言葉ありがとう。先生も気をつけてくださいね。
このようなやり取りを通して、施設職員と保護者との信頼は育まれていくのではないでしょうか。
職員からの連絡「職員や職員の家族が新型コロナウィルスに感染した」ケース
職員やその家族が感染するケースも多いと思います。
コロナ禍を乗り越えるためには、職員同士の思いやりや助け合いが不可欠です。
自身の感染や家族の感染で、出勤できなくなってしまい、職場に迷惑がかかることを心配するのが職員の心情ではないでしょうか。
また、自分が発症したことで、職場仲間への感染を心配してくれる職員もいます。
お互いがピンチの時こそ助け合えるのが、真のチームワークですよね。
トゥルルル、トゥルルル・・・
はい、がってん学童所長です!
山田です。すいません。やっぱり、陽性でした・・・。
そうだったか。体調はどうだい?
38度の熱があって、喉が痛みます・・・。
同僚の職員から陽性の連絡を受けた場合も、保護者の時の対応とかわりません。まずは何よりも、本人の体調を気遣うことが大切ではないでしょうか。
施設内で陽性者が立て続けに出ている場合などは、当該職員も職場の大変な状況を知っているわけですから、申し訳ない気持ちになる人もいます。
しかし、だれも感染したくてしているわけではありません。明日は我が身というのがコロナ禍です。
大変な時に申し訳ないっす・・・。
心配してくれてありがとう。
けど君の方が心配だよ。
職場は何とかするから、とにかくゆっくり休むんだよ。
本来は「すいません」や「申し訳ない」などは不必要な言葉です。しかし、熱を出している相手に、そんなことをくどくど言っても仕方がありません。職員の思いを受け止めて、それより、今大切なことはあなたの健康ですという思いやりを伝えられるといいですね。
彼が復帰した時に、
この度は迷惑をかけてすいませんでした!
などと言おうものなら、
お互い様じゃないか。
そこは「すいません」じゃなくて「ありがとう」って言い合える職場にしようよ。
なんて伝えられるといいですね。
一人暮らしの職員や、子育て中の職員が陽性になった時は心配です。先ほどの保護者の時の対応と同じように、
何か協力できることがあれば、遠慮なく言うんだよ。
と伝えてあげたいところです。
病休中の職員の容態は心配ですが、こちらからメールで体調を確認することは控えましょう。闘病中に、職場のメールに返信することは大きな負担です。連絡がなければ無事でいると思っておくことが、かえって親切です。
メールでの連絡の場合は・・・
最近は、ICTの普及で、新型コロナウィルスの連絡などがメールで施設に届く場合もあると思います。
そのようなケースでは、こちらから電話をかけて、家族の状況などを確認します。
チャンチャラリーン♪
はい?もしもし・・・
がってん学童の山田です。大変な時に申し訳ありません。メールを見てお電話しました。今、お話ししても大丈夫ですか?
その時は、家族の大変な状況に配慮して、思いやりを込めつつ手短に用件を話すように心がけましょう。
新型コロナの連絡を受けた時の対応のまとめ
まだまだ先が見えないようなコロナ禍です。
子ども達が安心して施設に通うためには、職員と保護者の信頼関係を大切です。私は、職員への信頼は、大変な状況の中、保護者や家族を思いやる気もちが育んでいくものだと思います。
日々の対応や、陽性の連絡を受けた時のとっさの一言について、あらためて職場で考えてみませんか。
形式的な言葉がけよりも、子どもや保護者を心配する、素直な気持ちを自分の言葉で伝えられるようになるといいですね。
この記事が参考になれば幸いです。
(冒頭目次にあった、コロナ以外の項目については、次回の記事でお伝えします。)