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登場人物
指導員4年目のりえです
新人指導員のたけしっす
がってん学童所長です
ボランティアの仮田です
こんにちは、指導員の皆さん、保護者の皆さん。がってん学童の指導員、りえです。
このサイトでは、「学童クラブは愛と苦労でできている!」をテーマに、学童保育の様々な問題を扱っています。
学童クラブの「ク」は苦労の「く」
学童クラブの「ラブ」は「LOVE」!
学童で父の日の取り組みを行うことについて
今回は、学童での父の日の取り組みについて、私たちが話し合ったことをお伝えしたいと思います。
子どもたちの育成支援や学童保育の家族支援にも関連する大切な問題だと思ったからです。
きっかけは、新人指導員のたけし先生の質問でした。
父の日のプレゼント工作、取り組み案考えるのたけし先生の担当だったよね
ちょうどそのことで先輩に質問が・・・
たけし先生は、昨年保育園に実習に行ったんですが、実習先の園では、父の日の取り組みは行っていなかったそうです。
理由は、「母子家庭の子どもや保護者の心情に配慮して」ということでした。
保育園によっては、母の日は取り組むけど、父の日は取り組まないという話を私も聞いたことがあります。
また、どちらの日も「家族の日」として取り組むという園もあるそうです。
父の日の取り組みには、様々な意見や考えがあり、施設によって対応が分かれているんですね。
学童にも、母子家庭の子どもがいますよね。父の日の取り組みをしていいのかな?って・・・
大事な質問だと思う。たけし先生はどうしたらいいと思うの?
え?
僕もあらためて、みんなの意見が聞きたいです。学童保育として、指導員として、どのように父の日の取り組みを考えたらいいのか・・・
というわけで、この問題について、それぞれの指導員が1日考えた意見を、明日の打ち合わせで出し合うことになりました。
なお、今回の記事では、父の日の取り組みをテーマにしていますが、母の日の取り組み方についても同時に考えていただけたらと思います。
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たけし先生の意見
新人のぼくがえらそうに言ってなんだけど・・・
去年実習にいった保育園では、父の日の取り組みをやっていなくて、その時は「そんなもんなんだ」って思ったんだ。けど、よくよく考えたら、いろんなことがわからなくなりました。
母の日はOKで父の日はOUTというのは、たぶん、ひとり親家庭の中で、母子家庭が多いからってことですよね?父子家庭の子どもにとったら、母の日も同じじゃないかな~って思った。
それで、ぼくとしては、学童で、毎日がんばってるシングルマザーの母ちゃんたちを見ていて、父ちゃんの分まで頑張ってるから、2倍お疲れ様って言いたい気持ちです。だから、父の日には、母ちゃんに「ありがとう」って言ってあげてほしい。
いや待てよ。これは、ぼくの勝手な思いで、子どもたちや母ちゃんの気持ちはどうなのか?って考えると、わからない。
「配慮」ってなんだろう?父の日を取り組まないのが配慮なんだろうか?なんかそれって、ひとり親家庭の親子にとっては、余計な気遣いで、かえって失礼なことじゃないだろうか?
いや、これも、それぞれの親子の思いは違うからわからない・・・。
とにかく、配慮って言うんなら、そうやって、それぞれの違う子どもや親の状況とか気持ちの一つ一つによって、配慮する内容も全部違うってことだよね・・・。
学童で父の日を取り組まなくても、カレンダーには「父の日」って書いてあるし、世間には父の日がちゃんとやってくるし、学童で取り組まないってことは、ややこしいものをとりあえずあっちに置いてしまおうってだけな気がして、なんかやだなって思う・・・。
ぼくとしては、父の日に向き合う子どもたちのそれぞれの思いとちゃんと向き合いたいと思います。それで、指導員として、父の日を迎える子どもの気持ち、嬉しいとか、悲しいとか、どちらでもないとかも全部、受け止めてあげたい。
・・・ってことで、ぼくは、学童で父の日の取り組みをしたい・・・いや・・・取り組まないのが「ちょっと違う」って思うんです
りえ先生の意見
私は、学童での父の日の取り組みは大切にしたいです
私は、母の日も父の日も、学童では大切に取り組みたいと思っています。
お母さん・お父さんに日頃の感謝を伝えることは、小学生の子どもたちが親から精神的に自立していくためには、大切な機会になると思っています。
働きながら子育てをしている保護者の皆さんを励ます意味でも、学童として、母の日・父の日は大切に取り組んでいきたい。
父の日の取り組みについて、私のこれまでの経験では、子どもたちの反応は様々です。
母子家庭の子どもが、「お父さんにプレゼントをわたすんだ~!」って、嬉しそうに一生懸命工作を作っていたこともあります。
父の日のプレゼント工作の時に、子どもがどうしていいのかわからないような様子を感じた時は、「おじいちゃんや、大好きな人、お母さんにあげてもいいんだよ」って声をかけるようにして、その後の様子も見守るようにしました。
こんな時に、子どもの家庭環境を知らずに、「お父さんのために、プレゼント頑張って作ろうね!」みたいな、不用意な言葉がけをすることは避けるべきです。なので、特に新しい指導員や補助員の先生と、父の日を迎える前に、あらためて子どもたちの家族の状況を共有しておくことは大事なことかもしれません。
一度、母子家庭の高学年の子どもが、父の日のプレゼント工作で、お父さんにメッセージを書いていたことがあって、少し複雑な内面が見て取れたので、お母さんに電話でその時の様子を伝えました。
私は、ひとり親家庭の保護者が、子育てに苦労を感じた時に、指導員に相談ができるためにも、指導員の側からも、保護者に相談することも大切だと思います。
この時は、お母さんは、「あの子、お父さんのこと大好きだからね~」と、サッパリした感じで話しておられました。
それと、学童での父の日の取り組み方ですが、全員が必ずやらないといけない、という取り組み方でなくて、やりたい人はやってね、って子どもが参加を選択できる取り組み方を考えてもいいと思います。
取り組み方を工夫することも必要だと思う
所長の意見
学童保育の対象となる、子どもの年齢を踏まえた対応が必要だと思います
保育園で父の日の取り組みを行わない背景には、離婚後間もなく、母子ともに新しい環境での子育てに慣れておらず、生活そのものが不安定であるケースが多いからと思われます。
また、幼児は、そのような家庭環境のことがまだ十分に理解できない年齢であり(学童期と比較してという意味で)、主に保護者の心情に配慮した対応が求められるのでしょう。
一方、小学生を対象とする学童保育では、保育園とは異なる視点での対応が必要と考えています。
小学生の6年間の間に、子どもたちは大きく成長します。
その過程には、以下のような発達的特徴があります。
- 学校や学童、地域と子どもが関わる環境が広がり、多様な他者との関わりを経験するようになる
- 集団生活の中で、他者と自己の多様な側面を発見できるようになる
- 他者と自己を比較するようになり、様々な心理的葛藤を経験するようになる
- 他者の視線や評価により一層敏感になる
自分の家族と友達の家族を比べたり、ひとり親家庭の子どもが、自分の家に両親がいないことを意識するようになったり、まわりの子どもが、なぜ、あの子の家にはお父さんがいないのかな?と疑問を持つようになったりします。
親が、そのような我が子の疑問に、大人として向き合い、自分の人生について子に語るような場面もでてくるでしょう。
私たち指導員は、そんな中で、子どもたちが、自分の家庭環境を前向きに乗り越えていったり、他者との違いを受け入れていけるように、支援していきます。
言うまでもないですが、1年生と6年生では、子どもへのかかわり方もまた違う、ということが前提です。
私は、親でも学校の先生でもない、学童の指導員だからこそできる支援があると思っています。
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学童保育では、離婚後一定時間を経て、母子ともに安定した家族生活を営んでいる、ひとり親家庭の親子もたくさんあります。
一方で、母子家庭の貧困率が高いことや、コロナ禍で経済的苦境にある母子世帯が増加していることを踏まえた見守りも必要です。
学童に通っている子どもの親が離婚をする、というケースもあります。そのような時は、子どもが不安定になりますので、子どもの学童での様子をしっかりと見守り、母親(保護者)との連絡を緊密にする必要があるでしょう。
過去に私は、父の日を取り組まず、「プレゼント工作」としたことがありました。
その時は、新しく入所した子どもが父親と離別して間がなく、親子ともに非常に不安定な状態だったのです。
保護者からも相談を受け、指導員として話し合った結果の判断でした。
「ケースによる」というのが私の意見です
仮田先生(ボランティア職員)の意見
「普通」でいいんじゃよ
指導員の思いも大事、親の生き方を尊重し応援することも大事、何より大事なのは子どもの気持ちじゃよ。
年よりのワシとしては、あんまり気を回さずに、普通でいることが一番じゃと思うよ。
それと、わかったようなことを言ったりしたりしないことじゃな。
わしらが、親子とかかわれるのは、学童保育という場所と時間のなかだけじゃ。
その枠をはみ出すようなことはせんでいいし、したらいかんのじゃ。
それとな、今、子育て支援における「父親の支援」が大きな課題となっていることも、指導員として知っておいたほうがよいぞ。
「男性の産前・産後のうつ」(外部リンク:「医学書院HP」)が注目されたりしておるんじゃ。
父の日の機会に、父親の育児を応援することは大切じゃと思うよ・・・
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おわりに・・・
で、どうしよう?今年の父の日の取り組み
いろんな意見があることがわかったし、それもふまえて、取り組みたいっす!
今回は、「父の日の取り組み」について話し合った中ででてきた、みんなの意見をまとめました。
がってん学童のメンバーの意見は、父の日の取り組みを行う中で、子どもたちや保護者の気持ちに寄り添った支援をしていきたい、というものが多かったですが、同じように子どもや保護者の気持ちを大切にして、父の日の取り組みを行わないという意見も多いと思います。
皆さんはどのように思いますか?
学童保育には、正解のない問題もたくさんあります。
だからこそ、指導員で話し合い、考えを深め合うことが大切だと私は思います。
様々なバックグランドを持つ親子に、学童保育や私たち指導員と出会えてよかった!って思ってもらえるように、今日も一日がんばるぞ~!