学童の備品を子どもが壊してしまった時、皆さんの学童ではどのような対応をしていますか?
今回は、私の学童で職員の意見が分かれたケースを通して、考えていきたいと思います。
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その日は、梅雨の合間のよく晴れた日だったのですが、帰りの会の時間に急に強い雨が降り始めました。
天気予報に「傘マーク」がなかったこともあり、傘を持っていない子がたくさんいて、5年生のたくま君もその一人でした。
たくま君、学童の傘貸してあげるよ。
いらねーよ。
まぁまぁそう言わずに、けっこう雨降ってるからさ・・・。
5時のグループ帰りの子どもで傘を持っていない子には、学童の傘を貸してあげていたのですが、たくま君はめんどくさがって、借りるのを拒みました。しかし、雨の中濡れて帰すわけにもいかず、たけし先生が傘を持たせたんです。
すると・・・、
バキッ!!
たくま君、学童の門を出てすぐに、傘を開いたままフルスイングしたんです。ほら、傘を裏返す遊び、皆さんも子どもの時やったことあるでしょ?
この時、傘は裏返るだけでなく、骨が折れて壊れてしまったんです。
あっ!
たけし先生が声を出すと、たくま君は、一瞬バツの悪そうな顔をして言いました。
わざとじゃねーし
どうすんのさ・・・。
たけし先生が言うと、たくま君は開き直って、
うっせー!俺は傘いらねーって言ったのにお前が無理やり持たせたんじゃねーか!
って怒鳴って、壊れた傘をおいて雨の中帰っていちゃったそうです。
家庭にどのように説明するか
・・・って様子だったんすけど。
たくまのやつ~。
こまったね。
たくま君が帰ったあとすぐ、私たちは、たけし先生から報告を受けました。
たけし先生は、たくま君が濡れて帰ったこともあり、家に1本電話連絡を入れると言いました。
傘の件はなんて言って説明するの?
え?
もちろん弁償だよね!学童の備品こわしちゃったんだもの。
いや、ちょっと待った。
この時、傘を壊した件について、家庭にどのように連絡するのか、職員の中で意見が割れたんです。
学童の備品を子どもが壊した時の対応
皆さんの学童でもありませんか?子どもが学童のおもちゃや備品なんかを壊してしまったこと。
そんな時、どう対応したらいいのか悩んでしまいますよね。
以下は、今回のたくま君の対応について、がってん学童の職員のそれぞれの意見です。皆さんならどの対応をするのか、考えながら読んでみてくださいね。
補足ですが、傘はちょっと修理して使えるような壊れ方ではありませんでした・・・。
弁償してもらう
私は、新しい傘を買って学童に返すよう保護者に伝えるべきだと思います。
子どもが学童の物を壊してしまった場合は、まず、故意なのか、不慮の事故なのか、はたまた不注意なのか、物を壊した時の状況を正確に把握します。それから、どのような対応をするか判断します。
今回のように、「わざと」傘が壊れるような行動をした場合は、もちろん弁償してもらうよう家庭に伝えます。
たくま君が高学年で、ことの良し悪しを判断できる年齢であることも考慮しました。
費用だけ(今回の傘だと500円くらい)受け取り、こちらで購入する方法もありますが、できれば家庭でも話をしてもらい、保護者とたくま君が一緒に傘を買いに行くことを通して、たくま君が自分のしてしまったことを反省して見つめ直す機会にしてほしいと思います。
ちなみに、うちの学童では、各家庭に学童クラブ保険(賠償責任保険)に加入してもらっていますが、今回のケースでは今のところ手続きを保護者にすすめるつもりはありません。
弁償は求めない
弁償まではいいんじゃないかい?
今回は、たくま君の行動によって傘が壊れてしまったけれど、状況から、傘を壊すつもりでやったわけではないと私は思いました。
また、職員とのやりとりの中での出来事なので、子どもだけの責任とする対応はとりたくありません。
たくま君が傘を借りることを拒否したけれど職員が傘を持たせたという経緯も気になります。
今回は、家庭でも話をしてもらい、明日、たくま君と職員で話をしてしっかり反省してもらう、というのが妥当かと。
というわけで、事実を家庭に伝えるのみで、弁償等については求めないという対応でどうだろうか。
甘い!
いや、りえ先生も知ってると思うけど、たくまの母ちゃん手強いんだよ。弁償なんて言ったら「そこに職員いたんでしょ~!」とか絶対に言われちゃうよ。
結局そこですか・・・。所長、見損ないましたわ。家庭がどうあれ筋は通してもらわなくっちゃ。
修理して使う
僕は、修理して使うべきだと思います。
修理って、バキバキに壊れているよ・・・。
それでもなおします!
あの傘は、3年前に卒所記念として保護者から贈ってもらった傘の中の1本だと聞きました。他の傘で代わりになるようなものではないっす。
お金を支払ったり、新しい傘を買っても、壊れた傘は壊れたままです。お金では解決しない。
僕は、明日、たくま君と壊れた傘を一緒になおす活動を通して、たくま君に学童の物を大事にする心や、壊れてもすぐに買い替えるのではなく、修理して使うことができるということを伝えたいっす!
・・・
・・・
それで、ことあるごとに、修理したおんぼろ傘をたくまに見せて「だれのせいでこうなったんだったかな~?」って言ってやります!
途中までは素晴らしい対応だと思ったけど・・・
あんた意外と執念深いのね・・・
おわりに
いかがだったでしょうか?
結局今回私たちは、たけし先生の意見を採用し、たくま君の家庭に連絡を入れて事のあらましを伝えたあと、「明日学童で一緒に傘をなおします」と保護者に伝えました。
次の日・・・
たくま君、ここテープで貼って
ここってどこだよ~、めんどくせーな~
がってん学童では、壊れた傘をなおすたけし先生とたくま君の姿がありました。
傘はなんとかなおって(?)させるようになったけれど、開くとグラグラしてしまいます。
こんな傘使えねーよ。
そうだね。子どもが使うと危ないかも・・・。僕が使って、使うたびにたくま君がなおしてくれたことを思い出すことにするよ。
学童の物が壊れた時の対応は、ケースバイケースです。時には、弁償するという解決方法が、「安易にお金ですます」ということになっていないか、今回はたけし先生の対応から考えさせられた私達でした。
実は、この出来事のこと、たくま君は大きくなってもずっと憶えていたんです。高校生になったたくま君が、アルバイトで稼いだお金で傘を買って、がってんがくどうに持ってきたのは、もっと先の未来のお話・・・。
(おわり)
※備品の種類によっては、修理して使用し続けることが危険なこともあります。注意しましょう。
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