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保護者とともに

学童保育等で新年度に行う個別面談のポイント「こどもの課題や困り感を柔らかい表現で伝えて保護者との信頼関係を築く」【言い換え一覧】

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目次

はじめに

支援員

先輩、新1年生の保護者面談ってそろそろっすよね…?

支援員

そうね。5月がちょうどいい時期かな。入所して一か月、こどもたちも少しずつクラブの生活に慣れてきたころだから。

支援員

でも、正直、話しづらい話題もありますよね。「落ち着かない」とか、「手がでちゃう」とか、どうやって伝えたらいいのかな・・・。

支援員

その気持ちすごくわかるわ。でもね、大事なのは「その子の姿」をまるごと受け止めているって保護者に伝えることなの。

支援員

ま、まるごと?

支援員

そう。困った行動もその子らしさの一部。「こんなふうに関わろうとしています」とか「こういうところが伸びしろだと思っています」って、支援員の視点を伝えていくの。

支援員

えーっと、問題を言うんじゃなくて、可能性を一緒に考えるって感じっすか??

支援員

その通り!あと、言い方も工夫するといいよ。「落ち着かない」じゃなくて「動きが活発で興味が広がっている」とか、あ、あと「プラス面」も必ず伝えるのがポイントね!

支援員

え?プラス面?そういえば課題の方ばっかり考えていたかも・・・。

支援員

大丈夫。この記事では、面談の必要性から、伝え方の工夫、保護者と信頼関係を作るコツまで、しっかり紹介してるから!

支援員

おお…!これを読めば、僕も自信を持って面談に臨めそうっす!

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1.新年度の個別面談の必要性〜子どもが安心して過ごせる居場所となるために〜

4月は、子どもにとっても、保護者にとっても大きな環境の変化がある時期です。特に新1年生は、小学校への入学と同時に放課後児童クラブという新たな生活の場にも馴染んでいく必要があります。


令和7年1月に改正された「放課後児童クラブ運営指針」には、育成支援の在り方として、以下のように記されています。

「一人一人の子どもの発達の状況や置かれている環境等を十分に踏まえ、個に応じたきめ細かな対応が求められる」(第2章「育成支援の基本的な考え方」より)

また、保護者との連携についても、

「家庭との緊密な連携を図り、日々の情報共有や意見交換を通じて、子どもの最善の利益を確保することが重要である」(第3章「支援体制の整備」より)

と明記されています。

このような考え方に基づき、入所から約1か月が経過したこの時期に行う個別面談は、以下のような目的を持ちます。

  • 子ども一人ひとりの現在の様子や課題を支援員と保護者で共有する
  • 保護者からの意見・要望・不安を直接聞き取り、信頼関係を築く
  • 家庭と連携しながら、発達や性格、生活リズムに応じた支援の見通しをたてる
  • 「子どもの最善の利益」を保障するために施設と家庭との協働体制をつくる

新年度のスタート期にこうした機会を設けることは、今後の支援の方向性を整理し、子どもが安心して過ごせる環境を整えるうえで大きな意義があります。

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2.面談の内容と進め方のポイント

面談は一方的な報告ではなく、対話による共有を重視します。以下のようなテーマを用意すると進行がスムーズです。

支援員

初めて面談するご家庭の場合は、信頼関係を築くことが一番の目標です。「あ、この先生になら話せる」と保護者に思ってもらうと、面談以外の様々な場面で「折に触れ」こどもの課題について話し合えるようになります。

面談の基本構成:

項目内容例
①あいさつ・趣旨の説明「新年度が始まって数週間、放課後の様子をお伝えしながら、ご家庭の思いも伺いたく面談の機会を設けました」
②子どもの様子の共有生活面(着替え・おやつ・持ち物の管理など)、遊びの様子、友達との関わり、宿題の様子、支援員との関係など
③保護者の話を聞く不安に思っていること、家庭での様子、気になる行動、希望や配慮してほしい点など
④今後の支援の方向性必要な支援内容、具体的な対応、見守り方、成長の見通しなどを共有
⑤まとめと感謝「ご家庭と連携しながら、安心して過ごせる環境づくりを進めていきます」

3.面談時の注意点と心がけ

  • 否定的な表現を避け、事実をやわらかく伝える
    →「落ち着きがない」ではなく、「活動が盛り上がると少し興奮しやすいようです」など
  • 子どもの長所にも必ず触れる
    →「声が大きく元気」「友達への関心が強い」など肯定的に受け止めている姿勢を見せる
  • 保護者の話を遮らず、共感を持って聞く
    →「お母さんもご心配だったんですね」と共感の言葉を添える
  • メモを取りながら、記録を残す
    →後の支援に生かすためにも、要点を簡潔に記録

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4.面談の実施方法と保護者への案内

実施方法の例

  • 期間: 5月上旬~中旬(子どもの生活が安定し始める時期に)
  • 時間帯: お迎え時間前後や土曜日など、保護者の希望に応じて調整
  • 場所: 放課後児童クラブ内の静かな一室や空きスペースなど

◆個別面談の案内における配慮のポイント

たとえ実際には一部の家庭のみが対象であっても、全保護者に向けたお知らせの形で案内文を配布すると、特別感や違和感が生まれにくくなります。

個別面談のお知らせ文例

【個別面談のお知らせ 文例1】
新1年生の入所から数週間が経ちました。クラブでの子どもたちの様子をお伝えするとともに、ご家庭の思いやご要望もお伺いするために、個別の面談を予定しています。
ご都合のよい日時を職員までお知らせください。
お子様の安心したクラブ生活のため、ご協力をお願いいたします。

【個別面談のお知らせ 文例2】

支援員からお子さまのクラブでの様子をお伝えしたり、ご家庭からのご意見・ご心配なことなどを伺う場として、個別にお話をさせていただく機会を持ちたいと思います。該当の方には、こちらから日程調整のご相談をさせていただきます。

※「面談を実施します」ではなく「お話させていただくことがあります」とすると、柔らかい印象となります。


声かけの仕方

支援員

個別に声掛けをする場合は、以下のように保護者にお伝えします。

  • 「少し落ち着いてきたこの時期に、一度面談させていただけたらと思っています」
  • 「クラブでの○○さんのご様子をお伝えしたくて…ぜひ一度お話できたらと思います」
  • 「何かご心配なことがあれば、それもぜひ伺いたくて」

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5.こどもの様子の伝え方のコツ

支援員

年度初めの面談ということで、初対面の保護者の方と話すことも多いと思います。課題となる行動を「どストレート」に伝えると、保護者によっては「わが子を否定された」と感じてしまう場合があります。

支援員

変化球では事実が伝わらないのでは??

支援員

最初からはっきりとお伝えした方がいい保護者もいるし、これは本当に色々。けど、支援員として子どもの行動をバリエーション豊かに表現する力は備えておいた方がいいと私は思う。

◆個別面談で使える、課題となる子どもの行動の言い換え一覧

支援員の本音(観察された行動)保護者に伝えるときの言い換え例
落ち着きがない活動への興味関心が高く、動きが活発です。場面ごとのメリハリを少しずつ学んでいるところです。
手が出る気持ちをうまく言葉で伝えることがまだ難しいようで、つい行動で表してしまうことがあります。相手の気持ちを学ぶ過程にあります。
支援員に過度に甘える大人との関わりを求める姿が多く見られます。安心できる人としっかりつながりたい気持ちのあらわれかもしれません。少しずつ自分でできることも増えてきそうです。
帰りの会で寝転ぶ長時間の集団活動や静かな時間が少し苦手なようで、身体の感覚でリラックスを取ろうとすることがあります。生活のリズムに慣れていけるよう支援しています。
奇声を発する感情の高まりを声で表現することがあります。まだ言葉で気持ちを整理するのが難しい時があるようです。安心して表現できるよう見守っています。
お友達と関われていない周りのお友達の様子をよく観察しています。これから自分のペースで関わりが増えてくると思います。無理なく一歩を踏み出せるよう支援しています。
おやつに時間がかかりすぎる食事やおやつの時間にこだわりがあるようで、ゆっくりと自分のペースで楽しむ傾向があります。生活リズムに少しずつ慣れていけるようにしています。
切り替えができない活動の終わりや始まりなど、気持ちの切り替えがまだ難しい時があります。見通しを持てるような声かけを行いながら、練習しているところです。
集団行動がとれない個別での動きが中心になる場面もあります。集団の流れをつかむことがこれからの課題と感じていますが、安心できると少しずつ参加できるようになります。

◆ 課題が多いと感じる子どもの「プラス面」を伝える表現一覧

行動や傾向ポジティブな視点(伝えやすい表現)
よく動き回る活発でエネルギーがあふれている/好奇心が旺盛
手が出やすい感情表現がストレート/気持ちが強い・正直
甘えが強い安心できる相手には心を開くことができる/信頼関係を結べる力がある
集団行動が苦手自分のペースやこだわりを大切にしている/周囲をよく観察している
話を聞かない自分の世界をしっかり持っている/独自の発想や集中力がある
指示に従わない自分で判断しようとする力がある/意思がはっきりしている
一人で遊びたがる自分の好きなことを大切にできる/落ち着いて一つのことに取り組める
おやつを食べるのが遅い味わって食べることができる/食に対して丁寧な姿勢がある
言葉が乱暴表現したい気持ちが強い/自分の意見を持っている証拠
切り替えが苦手一つのことに没頭できる/情熱をもって取り組んでいる
静かすぎる落ち着いて物事を見ている/じっくりタイプで周囲をよく見ている
奇声を発する自分なりの表現方法がある/楽しさを全力で表す力がある

◆ 伝え方のコツ

1.事実ベースでやわらかく伝える

支援員

帰りの会では、どうしても床に寝転んでしまうことが続いていまして…疲れもあるのかなと思います

2.前向きな見通しや努力の様子を添える

支援員

最近は○○という声かけが届くようになってきました

3.「困っているのは子ども自身かもしれません」という視点

支援員

頑張って切り替えようとしているのが伝わってきます

4.クラブとして工夫していることを伝える

支援員

職員で声かけの仕方を統一してみたところ、少しずつ落ち着く時間が増えてきました

◆ 保護者に響く“プラス面”の言い方

支援員

こんな一面も見られて、いいなと思いました


支援員

〇〇なところがあるので、そこを生かしていきたいです


支援員

伸びていく可能性が大きいなと感じています


支援員

まだ言葉にはならないけれど、〇〇しようとする姿が感じられます

◆ 気になる行動とあわせて伝える

支援員

お友達との関わり方で悩む場面もありますが、一方で、相手に関心があるからこそ関わろうとする姿が見られます。これからその思いをどう表現していくかが成長のポイントになりそうです


支援員

切り替えが難しい場面もあるんですが、それだけ集中して取り組んでいる証拠かなと感じています。声かけの工夫で、少しずつスムーズになってきています

6.面談後の対応

  • 職員間で内容を共有し、支援の方向性をすり合わせる
  • 必要に応じて、他学年への配慮事項や特性の理解を周知
  • 子どもにも、面談の内容に沿って寄り添った関わりを行う

おわりに

1年間のスタートの時期である4~5月は、今後の育ちにとってとても重要な時期です。保護者との面談では「こどもを一緒に育てていくパートナー」として一歩を踏み出す貴重な時間です。安心・信頼をキーワードに、丁寧な対話を重ねていきましょう。

支援員

あ、一つ言い忘れてたけど、課題が多い子どもの個別面談の時には、「小学校の担任の先生とも連絡を取り合っていきたいのですたよろしいですか?」と保護者に確認をとっておくこともめっちゃ大事だよ。

支援員

小学校の先生???

支援員

うん、小学校の担任の先生と連携することで、こどもや家庭に向けた多面的なより良い支援ができるようになるから。

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