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学童保育の制度・知識

放課後児童クラブにおける性暴力防止「現場の具体的な取り組み例や研修資料など」

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― こどもを守るために支援員ができること ―

令和7年1月、「放課後児童クラブ運営指針」が改正され、性暴力防止に関する項目が新たに盛り込まれました。

具体的には、第3章「放課後児童クラブにおける育成支援の内容」の中の、
1‐⑧「こどもが安全に安心して過ごすことができるように環境を整備するとともに、緊急時に適切な対応ができるようにする。」に、次の内容が追加されました。

◉ 性暴力防止のため、こどもの発達段階に応じた啓発を行う。
また、放課後児童支援員等からこどもへの性暴力および、こども間での性暴力が発生した際に、適切かつ迅速に対応できるよう体制を構築する。

この改定は、支援員が日々の現場でこどもたちの安全を守るために性暴力防止の視点を持つことの重要性を改めて示しています。

本記事では、現場の支援員が

  • 性暴力防止のために普段からどのようなことに取り組めるのか
  • こどもたちにどのように伝えていけばよいのか
  • 万が一、性暴力が発生した際にどのように対応すべきか

について、具体的に解説していきます。なお、本記事では、基本的な対応のポイントのみを紹介しています。今後は、専門家の意見や行政による研修なども活用しながら、放課後児童クラブにおける性暴力防止への理解を、さらに深めていただければと思います。


1. 支援員が日常的に気をつけること

(1)環境づくり

  • 見通しの良い空間:ブラインドの使用や仕切りの配置に注意し、施設内の死角をできる限り減らします。
  • 1対1の場面を避ける:必要がある場合は、周囲から見える・聞こえる状況を意識して行います。
  • 更衣・トイレの配慮:着替えやトイレの場面での対応は同性の支援員が行い、プライバシーを守りつつ、常に安全を確保します。

(2)日常の関わり方

  • こどもの身体に過剰に触れない:安心感を与える関わりは大切ですが、スキンシップの程度や場所には細心の注意を払いましょう。
  • こどもの話に耳を傾ける姿勢:日頃から「困ったことがあれば話していいんだ」とこどもが思える関係性を築くことが予防につながります。

2. こどもたちへの性暴力防止の伝え方

こどもの発達段階に応じて、無理なく自然な形で伝えることが大切です。

(1)低学年へのアプローチ(1~2年生)

  • 自分の体は自分のもの」という基本を伝える。
  • いやだと思ったら、いやって言っていい」「いやなことをされたら大人に相談していい」ことを繰り返し教えます。

(2)中~高学年へのアプローチ(3~6年生)

  • 性のプライバシー」や「自分と相手の境界線」についても丁寧に話す。
  • 友達同士でも「ふざけていても、嫌なことは暴力」であると理解させます。
  • SNSのトラブルなどにも触れ、断る力・相談する力を養います。

(3)伝え方の工夫

  • 道徳的に話すのではなく、「自分を守るための大切なこと」として伝えます。
  • 絵本や紙芝居、ロールプレイなどを活用すると理解が深まります。

参考

『だいじだいじどーこだ?』 遠見才希子著

著者の遠見才希子医師が自身のお子さん(当時2歳)とのエピソードを交え、からだの大切さだけではなく、一人ひとりが大切な存在ということを伝える”はじめての「からだ」と「性」のえほん”です。


3. 性暴力が発生したときの「迅速な対応」とは?

万が一、支援員やこども同士による性暴力が発生・疑われた場合、速やかに行動することが求められます。

(1)こどもを守る行動が最優先

  • 話を信じて受け止める:「そんなことあるわけない」と否定せず、真摯に聴きます。
  • 被害にあったこどもの安全確保:関係者と物理的・心理的に距離をとり、安心できる場所に保護します。

(2)対応の手順

  • クラブ内の責任者(主任や所長)へ即報告
  • 保護者へ連絡し、状況を丁寧に説明(専門機関の助言を得ながら行う)。
  • 市区町村や児童相談所、警察など関係機関と連携し、法的・専門的対応を依頼
  • 加害行為をしたこどもへの対応は慎重に(罰するのではなく、背景や支援の必要性を考慮)。

(3)記録の徹底

  • 発言・行動・対応の内容を事実に即して記録
  • 支援員間での情報共有と機密保持のバランスを保ちます。

4.性暴力防止に関する職場内の研修の実施

支援員同士が意見を交わし合い、施設の環境や日頃の子どもとの関わり方を見直す機会を持つことは、とても大切な取り組みです。

今回の「放課後児童クラブ運営指針」の改正を機会に、性暴力防止に関する職場内研修を実施し、支援員一人ひとりの意識と対応力を高めることが、子どもたちの安心・安全を守る確かなアクションとなります。

本記事のポイントを簡潔にまとめたレジュメを以下に添付しますので、ぜひ職場での研修資料や意見交換のきっかけとして、ご活用ください。


まとめ:支援員全員が「性暴力防止の当事者」

性暴力の防止は、特別な場面だけで意識すればよいものではありません。
むしろ、放課後児童クラブの日常の関わりの中でこそ、意識し続けることが大切です。

支援員一人ひとりが「こどもの安全を守る責任がある」ということを改めて自覚し、

  • こどもが「いやなことはいや」と言える雰囲気をつくること
  • こども同士、そしてこどもと支援員の間に「困ったときに安心して相談できる関係性」を育てること
  • 支援員間でも「気になることはお互いに指摘しあえる関係性」を築くこと

これらの積み重ねが、性暴力の予防につながっていきます。

こどもたちが安心して過ごせる放課後児童クラブをつくるために──
今回の運営指針の改正を機に、性暴力の防止と、万が一のときの対応の両面について、職場全体で改めて考えていきましょう。

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