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学童保育の制度・知識

【学童保育】ICTの選び方・導入方法を解説「ICTシステムで学童保育の悩みを解決」2023年度版

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ICTが学童現場の悩みを解決?

近年、利用児童が増え続ける、学童保育(放課後児童クラブ)の現場が抱える悩みの一つが、煩雑な事務作業です。

支援員

あ~、連絡帳のチェックと記入で、子どもとかかわる時間が全然ない!!

支援員

児童数が増えてお便りの配布作業が大変!

所長

自治体への毎月の報告書や利用料徴収事務が煩雑すぎる、学童保育所には事務員がいないのに!

などなど、日々の学童保育現場が抱える業務負担を軽減するツールとして、ICTシステムが注目され、導入が進んでいます

ICTシステムは他にも、様々な機能を備えています。

保護者

子どもが学童に到着したのが通知されるから安心だわ。

保護者

欠席の連絡を、出勤途中にスマホから送信できるのは嬉しいね。

など、ICTの導入によって、働きながら子育てをする忙しい保護者にとって、施設利用の利便性や安心感を高めることができるのです。

※ICTサービスには各社あり、使える機能は様々です。

結果として、

支援員

ICTのおかげで、子どもと関わる時間が増えた!

支援員

業務が整理されて、働きやすくなったわ。

保護者

ICTのおかげで安心して働くことができています。

毎日学童に行くのが楽しみ!!

というように、ICTは、職員・保護者・子ども(ここ重要)それぞれにとって、働きやすさ・安心感・充実感につながる、まさに学童保育の「救世主」なのです。

今回の記事では、学童保育現場で導入が進むICTについて、おすすめのICTサービスや選び方・導入方法などをお伝えしていきます。

この記事でわかること

  • ICTとは?
  • 学童保育現場にICTが必要な理由
  • 学童保育に特化したICTサービス
  • ICTサービスの選び方
  • ICTの導入方法

ICTとは?

支援員

で、ICTって何なんですかか?

所長

業務の利便性を高める「コミュニケーション」ツールだよ。

ICTは、Information and Communication Technologyの略称です。日本語では「情報通信技術」と訳されます。ICTシステムは、インターネットを利用してコミュニケーションを行うツールを指し、身近には、メールやSNSもICTシステムの一つです。

近年注目されているICTシステムは、例えば学童保育施設であれば、これまで雑多なファイルに収められていた、児童や保護者の様々な情報をでデータで管理し、それによって業務を効率的に処理するとともに、職員間や保護者・職員間のコミュニケーションをスムーズにする総合的なサービスとなります。

なぜ、学童保育現場にICTが必要なのか?

支援員

学童保育にICTの導入が進んでいる背景はなんなのでしょう?

所長

学童保育施設が抱える様々な困難を解消する可能性が期待されているからだよ。

学童保育は、学校や保育園・幼稚園などの施設と比較して、職員数が非常に少ないのが特徴です。

さらに、事務専門の職員や調理専門のスタッフがいない職場がほとんどで、子どもの支援を担当する指導員が、「なんでも屋」のごとく、子どもとのかかわり・煩雑な事務作業・おやつの提供・保育準備や清掃作業などを一手に引き受けることになります。

また、放課後の時間はとても短く、学校終了から2時間ほどの濃密な時間の中で、子どもの支援と並行して、保護者対応や連絡帳の記入などもこなすことになり、個別の配慮や専門的なかかわりを必要とする子どもが増える中で、指導員の負担は大きくなる一方です。

支援員

わかっちゃいたけど、働きにくい条件が重なっているのが学童保育の現場なんですね。

支援員

けど、忙しい中でも、子どもとのかかわりを丁寧にして、一人ひとりが安心して楽しく過ごせる学童にしたい。

一人ひとりの子どもと丁寧にかかわりたい、そのための打ち合わせや振り返りの時間も大切にしたい、と考え奮闘している職員が大勢います。

しかし厳しい状況の中、事務作業や連絡にまつわるミスが多発し、せっかく子どもの支援で築いた保護者との信頼が損なわれてしまうようなケースも起こってしまう・・・。

所長

子どもの支援じゃなく、事務のミスで保護者とトラブルになってしまうこと、意外と多いんです。

ICTシステムは、このような学童保育の現場の悩みを解消し、充実した子ども支援を実現する「支援」を行う役割が期待されているのです。

「放課後児童クラブにおけるICT化推進事業」について

厚生労働省は現在、放課後児童クラブ等において、利用環境を整備するとともに、職員の業務負担の軽減を図ることを目的として、放課後児童クラブ等のICT化推進事業を行っています。

事業概要

①ICT化の推進
連絡帳の電子化や、オンライン会議やオンラインを活用した相談支援に必要なICT機器の導入等の環境整備に係る費用を補助することにより、放課後児童クラブ等における業務のICT化を推進する。
②研修のオンライン化
都道府県等が実施する研修をオンラインで受講できるよう、必要なシステム基盤の導入にかかる費用等を補助する。

※厚生労働省資料「放課後児童クラブについて」より抜粋

自治体により実施状況は様々のようです。また、ICTサービスによっては補助の対象外となる場合があります。ICTサービス担当者・自治体に確認してください。

ICTシステムでできること

所長

具体的に、ICTシステムでできるのは、次のようなことです。

※ICTサービスは各社あり、使える機能はそれぞれ違います。

  • 児童の管理(児童票など)
  • 児童の入退室の管理
  • 職員の管理(出退勤など)
  • 保護者との日々の連絡
  • 保護者へのお知らせ配信(一斉メール)
  • 保護者アンケート
  • 利用料等の徴収
  • 写真の販売
  • 動画の配信 等
支援員

これまで連絡帳や電話で受けていた、出欠席やお迎え・早帰りの連絡などが、一括して管理できるのはとても便利ですね。

支援員

連絡帳は子どもがいる時に書かないといけないけれど、子どもがいない時間にも保護者に連絡メールを送ることができるんだ。

私の職場でICTを導入して、特に手ごたえを感じているのは、ペーパーレス化により、文書の配布作業がなくなったこと(子ども向けのお便りなど、一部紙で配布しているものもあります)、出欠席の連絡や連絡帳をICTに一元化できたことです。これだけでも随分と業務が楽になりました。

もう少し詳しくお伝えします。

児童の管理

ICTシステムでは、児童の入退室時に、ICカードやタッチパネルを用いて入退室時間を記録します。また、保護者のスマホに、児童の入退室時間を通知することもできます。また、欠席の児童やまだ入室していない児童を、管理画面で確認したり、お迎えやグループ帰り、早帰りなど、帰り方や帰る時間も素早く把握できます。

これまで、学童施設と保護者の間で、連絡帳や紙の配布物を使って行っていたやりとりを、ICTシステムを通じて行えるため、児童のいない時間に連絡内容の送信や過去の連絡の確認を行うことができます。保護者にとっても、配布物を手元のスマホでいつでも確認でき、スマホからアプリを使って連絡を送信できるため、大変便利です。

職員の管理

ICTシステムを使い、勤怠の記録やシフトの作成を行うことができます。放課後児童支援員等が適正に配置されるように、シフトを自動で作成する機能もあります。

学童施設の管理

ICTシステムにより、学童の利用料金を自動的に計算し、保護者への請求や料金の引き落としをすることができます。引き落とし明細が保護者スマホに通知されるため、領収書等の発行も不必要になります。

また、ICTシステムを活用することで、従来、手書きしていた出席簿から自治体への報告書の作成なども、自動で集計・出力することができます。

どんなICTサービスがあるの?

Googleで「学童保育・ICT」と検索すると、様々な会社の様々なサービスが出てきます。ここでは、特に検索上位に表示される主だったサービスをご紹介します。

所長

それぞれに特色があります。詳しくは、各ホームページをご確認ください。

CODMON(コドモン)「全国の学童保育施設1296施設以上の導入実績」

CODMON(コドモン)は、全国11639の子ども施設で導入されている、日本で最も使われるICTソフトです。学童保育施設でも1296施設以上の導入実績があります。(※2021年7月時点)導入サポートや導入後のサポートも充実しています。

<主な機能>

  • 入退室管理
  • 保護者連絡
  • 請求管理
  • シフト管理
  • アンケート
  • 行事予定
  • 写真販売
  • 動画配信 等

\\公式サイトを見る//

GAKUDOU(ガクドウ)「学童システム業界最安値のリーズナブルな価格」

GAKUDO(ガクドウ)は、「保育システム業界最安値」「保育システムランキングサイト総合1位」を獲得する、実績あるICTシステムHoicの学童保育版です。導入前後の充実したサポートも魅力です。

<主な機能>

  • 児童・保護者情報管理
  • 児童入・退室記録管理
  • 職員シフト管理
  • 職員間連絡帳機能
  • お休み・遅刻・早退連絡機能
  • お知らせ更新(個別・全体)
  • フォトギャラリー

\\公式サイトを見る//

Child Care System「一人ひとりと向き合う時間を増やすシステム

学童施設の煩雑な事務作業を省力化することで、指導員の事務負担を軽減するICTシステムです。直営施設から得た膨大な事例と独自の研究・開発体制により保育の個別最適化を実現します。

<主な機能>

  • 出退勤管理
  • 児童台帳
  • メール送受信
  • 入退室管理
  • 日誌作成
  • 請求管理機能

\\公式サイトを見る//

うぇぶさくらしすてむ「日々の入退室の変更受付はスマホアプリで簡潔に

児童の利用実績管理資料を各自治体専用フォーマットで作成。ヒヤリハット記録のデータを蓄積して、事故やヒヤリハットが起こりやすい場所を分析しグラフにして出力することができます。

<主な機能>

  • 入退室管理
  • 請求管理・口座振替
  • 児童台帳管理
  • 職員怠勤管理
  • 事故・ヒヤリハット記録
  • 各自治体フォーマット対応

\\公式サイトを見る//

ICTサービスを選ぶポイント

支援員

いろんなICTサービスがあって、どれにしたらよいのかわかりません!

所長

ICTサービスを選ぶポイントがあるんだよ。

保育・教育・学童保育等、子ども支援の職場にICTサービスの導入が進む中で、様々な企業がICTに参入しています。それぞれの特徴を備えた、多種多様なサービスがある中、いったいどのサービスを選んだら良いのでしょうか?

ICTを導入する際には、必ず複数の企業に資料請求をして、担当者にICTを使って実現したいことを具体的に伝えたうえで、サービス内容や料金を比較・検討しましょう。

選択のポイントとしては、重要な点から順番に次の4点を挙げたいと思います。

  • 学童保育現場への導入実績がある
  • 導入前・導入後のサポートが充実している
  • 導入の目的に合った機能を備えている
  • 料金

POINT.1 学童保育現場への導入実績

所長

最も重要なのは、学童保育施設への導入実績です。

「学童保育」「ICT」と検索すると、様々なICTサービスがあがってきますが、そのようなサービスの中では、塾や習い事などの場を中心に活用されているものもあります。学童保育には、塾や習い事、保育園や学校とは違った、固有の状況や課題があります。

学童保育へのICT導入を検討される場合は、学童保育施設で導入された実績が豊富で、学童保育現場からのフィードバックを受けているサービスを選択してください。

POINT.2 導入前後のサポート

ICTは、児童や職員の管理など、運営の根幹にかかわる問題ですので、職員だけでなく運営者の理解と許可がないと導入がかないません。また、様々な周辺機材の購入やインターネット環境の整備などが必要です。こういった準備や運営者の理解を得るための「導入サポート」が手厚いICTサービスを選びましょう。

私の施設は法人運営のため、ICTの導入には理事会の承認が必要でしたが、最初提案してもなかなか理事さんの理解を得ることができませんでした。

所長

ICTを導入したいんです。

理事長

アイ・シー・テー??なんじゃそれは?お金がかかるんじゃろう?どうしてそんなものが必要なんじゃ??

最後は、企業担当者の方が理事会で説明してくれたことが(オンラインで)導入の決め手となりました。

また、導入後にも、職員がICTシステムに慣れるまでは、研修や様々やアフターサポートが必要となりました。

POINT.3 導入の目的に合った機能であるか

様々な機能を備えているICTサービスですが、実際に学童保育現場では必要のない機能もあります。

導入の目的を明確にしておくことが必要です。

私の施設の場合は、子どもの送り出しのミスを改善するという目的がありましたので、その点を重視してサービスを選択しました。

POINT.4 料金

コストパフォーマンスは大切ですが、先に挙げた1~3のポイントを踏まえていることがさらに重要です。料金が安くとも、必要な機能が得られないと導入の目的が果たせません。複数の企業で相見積もりを取り、機能・費用を比較検討しましょう。

\\資料請求する//

ICTシステムの導入に必要な環境・機材

ICTシステムにはインターネット環境やパソコン、通信を保護するセキュリティー対策が必要です。

タブレットやICカードリーダー・バーコードリーダーなどが必要になる場合もあります。企業で提供しているものもありますが、必要な機材を担当者に確認して、安く手に入る場所で購入する方がよいでしょう。

ICTシステムの導入手順

ICTシステムの導入は、出席把握の仕組みや保護者連絡など、運営に影響がありますので、現場の職員判断だけで実現するケースは少なく、以下のような手順が必要となります。

  • ICTサービスの比較検討
  • 運営者の提案・承認を得る
  • 導入時期の検討
  • 必要な環境・機材の整備
  • 利用者への告知
  • 職員の研修
  • 試験運用
  • 本格運用
所長

現場に負担が少ないように、計画的な導入が必要です。

【重要!!】ICTの導入時期

ICTシステムを現場に導入するためには、一定の準備期間が必要となることも知っておきましょう。

ICTを現場で活用するためには、職員研修などで基本操作を学び、実際に活用してからも操作に習熟するまでは時間がかかります。

新1年生を迎える4月から、突然ICTシステムに切り替えることは現場の混乱を招き、一時的に著しく保育サービスを低下させる危険があります。

ICTの導入は、新1年生の生活が落ち着き、一番大変な夏休みの生活が終わった、9月以降が現実的でしょう。

既存の出席確認等の仕組みをICTに置き換える過程では、どちらも並行して行う「試験運用期間」も必要です。

私の施設では、新年度4月からの導入を目指して、1月頃から試験運用を行いました。運営者への提案や承認のプロセスを考えると、今頃の時期に各種サービスを比較・検討しておくとよいでしょう。

さいごに

いかがだったでしょうか。今回は、学童保育で導入が進むICTシステムについて、概要やおすすめのサービスについてお伝えしました。

ICTシステムは、現在進行形で、進化・発展しており、サービス内容や信頼性は、日々向上しています。

所長

しかし、現時点では、学童保育のICTはまだまだ発展途上にあるというのが率直な感想です。

現場の声を聞き、より良いサービス内容への改善を期待します。

子どもが自らの足で通い・帰る施設である学童保育は、保護者が送り迎えをする保育園や幼稚園とは大きく異なります。私の施設では、子ども自身がICカードを管理し、「打刻」をするのですが、子どもの立場からすると扱いづらい点があります。子ども目線で考えると様々な改善点やアイデアが浮かぶのですが、それはまたの機会に記事にまとめたいと思います。

開発にかかわる企業の方が、学童保育現場が抱える様々な課題や、学童保育の特性を知り、また現場職員の声を聞くことで、より良いシステムに改善されていくことを大いに期待しています。

そして、くれぐれも、「ICTがあるから、少ない職員体制でより多くの児童をより安全に見ることができる」というような安易な考えに陥らないようにしてほしいと思います。

学童保育の適正規模や職員配置は、ICTの導入とは全く別問題であり、学童保育に子ども達が安心して通うことができる前提です。

ぞういった前提が守られ、より良い子どもの支援を目指す指導員の専門的なかかわりがあり、初めて、ツールとしてのICTが生かされ、子どもの豊かな生活へとつながるのだと思います。

(おわり)

-学童保育の制度・知識

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