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目次
皆さんこんにちは、がってん学童指導員りえです。
心なしか、最近、私の職場の男子職員たちが、ソワソワして落ち着きがないように思えます。
先輩、チョコっと相談があるんすけど・・・
りえ先生、あの木版画の時に紙をゴシゴシする道具、なんて言ったかな。思い出せなくて気になっちまって・・・
なんて言ったりして、まったく卑しいったらありゃしない。
そう、もうすぐ2月14日。バレンタインデーが近づいているんです。
二人には絶対
あげませんからね!
あ、ちなみに所長が言っていた木版画で使う道具は「バレン」です。
まったくもう・・・。
バレンタインデーにまつわる所長の「苦い苦い」昔話?
そんなたわいもない話をしていたら、所長が神妙な顔つきで、こんなことを言い始めたんです。
実は、毎年この時期になると思い出すことがあるんだ。
なんですか急に?
もう20年も昔のことなんだけど、僕は、同じ学童に勤める女性指導員に、恋心を抱いていてね・・・
なに?なに?おもしろそうな話が始まったよ~
ということで、今日の記事では、所長の、ビターチョコより苦い苦い、バレンタインデーにまつわる学童保育の失敗エピソードをお届けしたいと思います。
〇〇の心をときめかせることに夢中だった日々
当時、僕は、保護者運営の学童保育所で指導員をしていたんだ。
そして、同じ学童に勤める女性指導員に、次第に、心惹かれるようになっていった。
いつも子どもと一生懸命にかかわる、とてもかわいい人でね
当時の僕といったら、毎日、学童に行くのが楽しくてしかたがなかった。
より良い学童保育を目指して、子ども達が心ときめく放課後の生活を一生懸命考えていた。
同時に、その女性指導員の心をときめかせることに毎日夢中だったよ。
その人は、僕が子ども達と一緒に楽しそうに過ごす姿を、いつも笑顔で見てくれていた。
僕はそれが嬉しかった。だから、子どもたちが楽しく過ごせるように、彼女が喜ぶように、力の限りを尽くしたものだよ。
青春っすね!!
いや、公私混同でだめだろ・・・
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想いを寄せる職員からメールが
そんなある日のことだった。
2月14日を来週にひかえた、土曜日保育の日、彼女は子ども達と一緒にバレンタインチョコのお菓子作りの取り組みをしたんだ。
僕はその日は仕事が休みでね、夕方に彼女から、業務連絡のメールが届いた。
「今日のお菓子作りは無事終わりました。所長のぶんのチョコも作ったので、冷蔵庫に入れてあります。」
※注:この時は所長ではありませんが、ややこしいので・・・
僕は、嬉しくて嬉しくて、月曜日が待ち遠しかった。
月曜日に出勤したら、さっそく冷蔵庫を開けて、バレンタインデー前日にもかかわらず、手作りチョコをいただいたんだ。
チョコレートがなくなった?
その日の夕方、学童中が大騒ぎとなる、「ある事件」が持ち上がった。
子ども達が小学校から帰ってきて、学童で過ごしてたら、「土曜日に作ったチョコがなくなっている」という子があらわれたんだ。
3年生のなっちゃんだった。(仮名)
私のチョコがない!
なんだって?
最初は、何かの間違いだと思ったんだけど、チョコは学童のどこにも見つからなかった。
どうやら、なっちゃんの思い違いや勘違いではないみたいだった。
チョコは月曜日の今日、子どもたちが家に持って帰ることになっていて、確かに土曜日には学童にあったということだった。
帰りの会で「犯人さがし」をした自分
あるはずのものがなくなったんだ。当然、「だれかがとったんじゃないか」「だれかが食べちゃったんじゃないか」という雰囲気になっていった。
僕も正直、そう思ってしまったよ。
当時の僕は、まだ若かった。帰りの会で、学童の子ども達全員に、この「チョコレート事件」について話をした。
チョコに足が生えて学童から出てゆくはずがないじゃないか!
何か知っている人は正直に言ってほしい!
失敗はだれにでもある。けど嘘をついたり隠すことは許せない!
こんな風に、子どもたちを追求していった。
・・・
・・・
・・・
それでも無反応な子ども達に、僕はもう、ひくことができなくなってしまっていた。
僕は、最後の手段をとった。
全員、目をつむって!
正直に言ったら許してあげるから、知っている人は手をあげなさい!
僕しか見ていないから、正直に言いなさい!。
そんな言葉を、子どもたち全員に向かって突きつけたんだ。
その時、電撃のように、ある可能性がひらめいた
目をつむる子ども達、その前に仁王立ちになる自分。
その瞬間、僕の脳裏に、ある可能性がひらめいた。
それは、「今日、出勤後に僕が食べたチョコレートが、なっちゃんが作ったものだったんじゃなかったのか?」ということだった。
そして、一度そう思うと、なぜ今まで気づかなかったのか?と情けなくなるくらい、全ての状況が、それがまぎれもない事実であることを物語ってた。
僕は、なっちゃんのチョコレートを、自分のためのものだと勘違いして、今の今までそのことに気が付けなかったんだ。
先ほどまで、自分が子ども達に言っていた言葉の全てが、ブーメランになって自分に突き刺さった。
・・・
子ども達が目を開けた時、そこには、真っ青な顔をした僕がうつむいていた。
それで、その後どうしたんですか?
子ども達に謝ったんですか?
僕には、子どもたちに打ち明ける度胸も、自分の失敗を認めて子どもたちに謝るような根性もなかった。
ただ、
今日は・・・もういい・・・。きっと・・・この中にうそをついている人がいたとしたら・・・今頃・・・心の底から後悔していることだろう。
などと言って、帰りの会を締めくくるしかなかった。
さいってー!!
ひっどー!!
うその上塗りをすることに・・・
本当に最低だよ・・・
けど、話はそれで終わらなかったんだ。
チョコがなくなって、大騒ぎになったことや、なっちゃんが学童で泣いたこともあって、なっちゃんのお母さんに、指導員として報告をする必要があった。
それは、自分のしたことを打ち明けて謝罪するチャンスだった。
その日の夜、僕は決意して電話をかけたよ。
トゥルルル、トゥルルル・・・
「はい、もしもし?」
しかし、そこでも、僕は真実を伝えることができなかった。
じ、じつは・・・はかくかくしかじかで・・・
え!?そんなことが?
ひどいわ!
そうですよね・・・ひどい話ですよね・・・
一度うそをついたら、二度・三度とうそを重ねることになる。僕が、常日頃、子ども達に向かって言っていた言葉を、僕自身が思い知ることになった。
言葉がでない・・・
なにやってるんすか・・・
最後のチャンス、ホワイトデーの日に・・・
それからというもの、僕は、なっちゃんを傷つけてしまったことや、他の子どもたちにも犯人捜しのような真似をしてしまったこと、うそをついてその場をごまかしてしまった自分自身が許せなくて、かといって子どもたちに打ち明ける勇気もなく、人生のどん底のような日々を彷徨うことになった。
どん底と言ったって、傷ついたり、嫌な思いをしたのは、なっちゃんや子ども達の方なんだ。
ただ一つ、救いだったのは、なっちゃんが、翌日からも明るく学童で過ごしてくれていたことだった。
その後も、後悔と自己嫌悪にさいなまれ続けた僕は、そんな泥沼の底で、あることを実行する決心をした。
事件から一か月後のホワイトデーの日に、僕は、チョコを持って、なっちゃんの家を訪れたんだ。
こんばんは
あっ所長!
あら、どうなさったんですか?
こ、これ・・・この前・・・のおわびで・・・チョコがなくなっちゃったから・・・
そう言って、僕は、なっちゃんにチョコをわたした。
僕はやっぱり意気地なしだった。
罪の告白はできなかった。
僕の意味不明な行動は、ますますなっちゃん親子を困惑させてしまったと思った。
心の中で、「なっちゃんごめん・お母さんすいません・・・」と繰り返し叫んで、僕はなっちゃんの家を飛び出した。
2月の風が、頬を切り裂くように冷たかった。心はもっともっと冷たかった。「僕は指導員失格だ。それ以前に人間失格だ」という強烈な思いで、心が引き裂かれるようだった。
真実を告げずにチョコを渡して、いい人ぶったりなんかして・・・!。
毎年、バレンタインデーが来るたびに、その時の思いが、ありありとよみがえってくるんだ。
これから先も、ずっとそうだろう。
結局それっきりなんですか?
僕はその後、職場を異動したし、なっちゃんは引っ越したと、風のうわさで聞いたよ。
当時、僕の職場の学童は、僕と相棒指導員と、女性アルバイト指導員の3人で保育を行っていた。全員、20代前半だった。振り返ってみると、ベテラン職員が一人でもいたら、もっとまともな対応ができたんじゃないかと思うよ。
失敗が僕をつくっている
なんで、そんな話を私たちにしたんですか?
今は施設長なんて立場でいるけど、若い頃の僕は、数々の失敗を経験してきたということを、二人に知ってほしかったんだよ。
ベテランと呼ばれる指導員の人たちもきっと、こんな、人には言えないような失敗を、三つや四つ、胸に抱えているんだと思う。
胸の中にいつまでも残る失敗の数々や、その時々の子どもたちや保護者の顔が、いつも呼びかけてくるんだ。
あなたはもっとよい指導員になりなさい
って。
学童の仕事を長年続けていたら、何かを達成した喜びや、子どもたちの感動のエピソードもたくさんもらえる。
しかし、それと同じくらい、たくさんの失敗で、今の僕はできている。
傷つけた人々がいる以上、こんな言い方は不適切だと思うけど、僕は僕の失敗たちをこれからも大切にして生きていくよ。
さいごに この話の教訓は
以上が、所長のバレンタインデーにまつわる苦い経験でした。
所長の話に教訓があるとすれば、それは、
- 人は後悔や失敗を力に成長していくことができる
ということでしょうか。
正直、所長の失敗エピソードは、指導員にあるまじき行為だったと思いますが、今となっては、私たち職員から、ちょっとは頼りにされる存在です。
こんなことを言って、所長の失敗を許すわけではないけど、バレンタインチョコの話をすっかり忘れてしまうような人だったなら、私は今みたいに、所長のことを(ちょっと)尊敬したりはできなかったと思う。
まったく・・・。
今、所長と同じように、自分の失敗に悩んでいる人がいたら、このエピソードを聞かせて、こんな所長でも立派になったんだから、あなたもきっとそこから立ち上がれるはずよ、って声をかけたいです。
そして、もしできるなら、チャンスを逃さずに、勇気を出して真実を告白して、ちゃんと許されてください。
- 失敗は幾度となく訪れるだろう。しかし、償う機会はわずかしかない。
それもまた、このエピソードの教訓だと思います。
所長、ひょっとして、その心惹かれた女性指導員というのは・・・
うん。その後人生を共に歩むことになったよ。
結婚した所長が、どんな家庭を築いたのかは、この記事からうかがえると思います。よかったらのぞいてあげてください。
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今日の話は後味が悪いっす。なんか甘いものが食べたくなっちゃった。
チョコはあげないからね
な~んて言いながら、実は、昨日のお休みに手作りチョコを作ったの。
明日は、二人をびっくさせてあげよう。
ということで、今日の記事は以上です。
皆さんも、素敵なバレンタインデーをお過ごしくださいね。