2023年8月末に実施した学童保育の「夏休み期間の外遊びに関するアンケート」の全回答の集計結果です。(8月31日時点の結果報告を修正しました。)
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全国の支援員の皆さん、夏休み保育お疲れさまでした。
がってん学童の支援員りえです。いつも当サイトをご覧いただきありがとうございます。
2023年の夏は「異常な暑さ」となりました。夏休み期間の学童保育現場では、熱中症対策のため、子どもたちは外遊びができなかったり、できたとしても長い一日の中でわずかな時間だけ、という施設も多かったのではないでしょうか。
学童保育は、もともと施設環境に恵まれていません。外遊びができる日は屋内と屋外に子どもの人数が分散されるけど、雨の日は室内がぎゅうぎゅう詰めになるという施設もあります。ところが、近年は猛暑のため、7・8月は晴れていても外遊びができない日がとても多くなっていると私は感じています。
「異常な暑さ」は今年だけでなく、来年も続くという見通しがあるそうです。(参考:東洋経済ONLINE)
もし本当なら、来年の夏休みが子どもたちにとって今年より素敵で安心して過ごせるものになるように、今からならできることがあるのではないだろうか。
そのような思いから今回の「夏休みの外遊びに関するアンケート」を実施しました。
私は、朝から夕までの開設が長期にわたる夏休みの学童保育において、外遊びを制限することは、子どもの安全や健康のため必要なことだとわかっているけれど、それと引き換えに、ストレスフルで消化不良な毎日を子どもたちが過ごしている現状はとても辛いと感じています。なぜなら、私たち学童支援員の仕事は、子どもたちの安全と健康守りながらも、一人ひとりの子どもが安心して楽しく過ごせる学童の生活を保障することだからです。
アンケートのフリー記述欄には、子どもたちや支援員の皆さんの苦労とともに、工夫をして子ども達が楽しめる夏を過ごしたよ~!という意見も寄せられていました。過酷な状況に遊び心で立ち向かう支援員さんの姿や子どもの健康と安全を守るためきめ細かい対策を行う支援員さんの姿などから、私はたくさんの元気と勇気をいただきました。
お忙しい中アンケートにご協力いただいた皆様には心より感謝申し上げます。
以下に集計結果をご報告いたします。
アンケート実施期間:2023年8月30日~9月3日
回答数:106
アンケートは、X(旧Twitter)の私のアカウントおよびブログサイト「がってん学童」より実施しました。
1.勤務先施設の地域を教えてください。
北海道:1(0.9%)、東北:7(6.6%)、中部:19(17.9%)、関東:52(49.1%)、近畿:20(18.9%)、中国・四国:3(2.8%)、九州・沖縄:4(3.8%)
全国の学童支援員の方からご回答をいただきました。
1名、放課後等デイサービスのスタッフの方からもご回答いただきました。
2.勤務先施設の夏休み期間の登録児童数を教えてください。
20人以下:8(7.5%)、21人~40人:20(18.9%)、41人~80人:36(34%)、81人~120人:22(20.8%)、121人~160人:9(8.5%)、161人以上:11(10.4%)
ご回答をいただいた中では、児童数81人以上の大規模学童の割合が39.7%となっています。
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3.夏休み期間、雨天以外で外遊びができない日がどれくらいありましたか?
ほぼ毎日外遊びができなかった:46(43.4%)、1週間のうち4・5日は外遊びができなかった:20(18.9%)、1週間のうち2・3日は外遊びができなかった:19(17.9%)、ほぼ毎日外遊びができた:21(19.8%)
「ほぼ毎日外遊びができなかった」という施設が43.4%で最多となっています。
一方で、「ほぼ毎日外遊びができた」という施設も19.8%あります。地域別のデータを抽出して比較してみましたが、106件の回答数では目立った傾向は見られませんでした。同じ地域でもそれぞれの施設環境や取り組み内容が多様であるという学童保育の現状が作用していると推測しています。
4.夏休み期間に外遊びができなかった日があった施設の方に質問です。理由は次のうちどれですか?(複数回答可)
職員体制のために外遊びができなかったという施設が意外と多いことがわかりました。職員間の考えの違いに関する悩みもフリー記述の欄に書かれていました。
5.夏休み期間、1日のうち何時間程度外遊びができましたか?(日によって違うと思いますが、平均的なものをお選びください)
できていない:32(30.2%)、1時間以内:45(42.5%)、1~2時間程度:22(20.8%)、2~3時間程度:6(5.7%)、4時間以上:1(0.9%)
3.の質問で「外遊びができている」と回答した施設でも、42.5%は1時間以内という結果です。
以下のグラフは、問3で「ほぼ毎日外遊びができなかった」と回答された方以外の一日あたりの外遊び時間を集計しなおしたものです。
これを見ると、外遊びができた施設においても、一日の中で1時間以内・1~2時間という施設の割合が85%以上を占めています。
夏休みには8時頃から18時頃まで開設されている学童保育が多く、長い一日の中でほとんどの時間を子どもたちが室内で過ごしていたということになります。
大規模学童や室内環境に恵まれない施設は本当に大変だったと思います。
6.夏休み期間に外遊びができない日があった施設の方に質問です。外遊びができなくて子どもや支援員は困りましたか?
困った:64(66%)、困らなかった:33(34%)
私は困ったわ・・・
困らなかったという支援員さんが思っていたより多かったです。これは室内環境や児童数の影響、取り組みの工夫や子どもへの説明の成果と推測しています。
詳しくはフリー記述の欄に寄せられた支援員の皆さんからのご意見をご覧ください。
児童数と夏休みの困り感
児童数の規模と支援員の皆さんの困り感を比較してみました。
困らなかったと回答された方が一定数いることも考慮しつつ、児童数が増加するにつれて困り感が増大している傾向が見てとれます。
7.フリー記述(長期休みの外遊びに関する問題や悩み・工夫や対策・要望など、よろしければお書きください)
全国の支援員の皆さんからの報告を通して、今年の夏休みの大変さを改めて感じました。また、そんな中でも子どもたちとともに生活や遊びを工夫する支援員さんの姿から、たくさんの元気と勇気をいただきました。
❤は問6「外遊びができなくて子どもや支援員は困りましたか?」の質問で「困らなかった」と回答された方、💙は「困った」と回答された方、🤍は未回答の方です。
💙日陰の場所を探してなるべくそこで活動、鬼ごっこなど走り回る遊びは控えた。10~15分程度の短時間単位、日に2回程。学校の敷地内にあるので、体育館にエアコンを設置してくれたらと思う。(関東)
💙外遊びがない分、元気な児童のエネルギーをどう発散させるかに腐心した夏休みでした。学校の体育館を借りたり、部屋の机を全て片付けて遊ぶスペースを作ったり。それはそれで楽しかったのですが。(中部)
❤外に行ける日は行きたくない子も外に出さないとならないので説得に疲れます。外に行きたいのに帽子を忘れた子は行けないのでこれも説得に疲れます。お茶を持って外に出るように散々言っても持って行かずにお茶が無いと騒ぐ子供に疲れます。(近畿)
❤夏休みお疲れ様でした😊廊下や体育館で遊ぶ、新しいおもちゃを出す、イベントの準備を行うなどで過ごしました😊(関東)
💙学校内施設のため、体育館を借用した。(関東)
💙狭い室内で毎日過ごすことになりこどもにとってストレスが大きかった。室内で走り回る、不満をぶつける、トラブルへ。(中部)
💙熱中症指数で、気温が35℃以上を基準にすると毎日その気温や、湿度が高く夏休み中1日も外遊びができなかった。ぬりえやお絵描きの紙が多く消費された。ブルーシートを敷き、長机でスライム遊びで涼を感じながら、ストレス発散をさせた。高齢の職員が多く外遊びに行けない。子どもたちもだが職員の体調面が不安すぎた。保育課へ提出する日誌に日々の気温、熱中症アラートなど記載し、なぜ外遊びに行けなかったのかを示した。これは、役所に外遊びがないとクレームが入った時の予防のため。きちんと訳あって外遊びをしなかったと示したかった。それにしても、本当に長くストレスの溜まる夏休みだった。(関東)
💙夏休みは外遊びできない代わりに市民プールで1時間程遊びましたが、学校が始まって外遊びが出来ないのが辛いですね。(関東)
❤施設が第一と第二の二つありそこに30人程度で割りとゆったり使えるので圧迫感がなかったのと、映画鑑賞やボーリング、プール、夏祭りなどイベントを行ないました。あと、うちの学童ではポケカが人気で、僕も6デッキ持っていって、貸し出したりしてみんなと遊びました。(中部)
❤予め学校の体育館を借りていたので、身体を動かす場所の確保ができていた。(関東)
❤給料低いのは業務内容的にもある程度容認するけど長時間労働は何とかしてほしい。超過時間40時間未満としなきゃいけないのに、人員確保できないために余裕で超える。(関東)
💙図書館で本を借りる。工作ネタを用意する。トランプゲームのレパートリーを増やす。(中部)
❤夏休み企画として、事前に子供達と相談して保護者にも伝え、30分ぐらいで切り上げるようにしました。内容は、水鉄砲遊び(着替えや水着着用。職員も一緒に水濡れ覚悟笑)とシャボン玉遊び。なるべく日陰の多い、体育館の渡り廊下付近で行いました。幸いにも、午前中の少し雲☁が多時間帯だったので子供達もよろこんではしゃいでいました。やっぱり暑くて帰りたい…と言う頃が限度でした。(東北)
❤事前にどんなとき(暑さ指数危険)に外に出られないかを説明し周知を行い、視覚でも認識できるようにしました。また、室内で夢中で遊べる物を一学期中に見つけていたので、特に困ることはなかったです。(関東)
🤍少し気温の下がった夕方16時くらいから外遊びに行きました。外に行く前に塩分タブレットと水分をとってもらいました。(北海道)
💙体育館もエアコン設置を自治体にお願いしたい。校庭が人工芝だと夕方以降は校庭で遊べます。パラスポーツやカーレットなど教室でも遊べるスポーツを準備しておくと、室内でも子どもたちは楽しんで遊びます。(関東)
💙毎日のように熱中症アラートが出ているような地域に住んでいますが、外遊びはありました。学童の隣に空き地があり、夕方15分から30分ほど希望者のみ外遊びをしていました。(午後からの勤務が多かったので、午前中のことは詳しくわかりません)5 分遊んで2分休憩をとっていました。外で体を動かしたい子にとっては、楽しい時間だったようです。きのうは突然の雨で、外に出られずみんな残念がっていました。やっぱり、子ども達はずーっと室内にいるとストレスが溜まるみたいです。(中部)
🤍首都高のガード下にあるので、その日陰を利用したり、近くに大きい公園があるので、夕方にいくようにしていた。(関東)
💙熱中症対策。人手不足。子供の安全。(中部)
🤍9時20分〜10時00分まで外遊び、20分間は部屋で休憩(塩飴なめる)、10時20分〜10時50分まで外遊び、15時30分〜17時00分まで外遊び(この時間は日陰がたくさん)。暑さ指数31℃の基準は定められていますができるだけ早い時間帯と遅い時間帯での活動と休息。日陰、水分補給の声かけをしながら、乗り切りました。(近畿)
💙放課後等デイサービスで働いています。配慮の必要な子が多いため職員体制は学童と比べて手厚い方ですが、体力や集中力が少ないお子さんが多いため、熱中症や怪我、迷子などには特に気を使ってます。。。地域差があると思いますが、無料で遊べる広い体育館や室内アスレチックや日陰がある水遊び場などがもっと増えるといいなと思ってます!(関東)
❤外遊びを「しなかった」日と「できなかった」日がありました。子どもたちから希望があっても「暑くていけない」と説明したときもありますが、そもそも「行きたい」という声が上がらないことも多いです。工夫といえば「外行けないから何か工夫する」ではなく「今、楽しめることはなにか」という意識を子どもも職員も常に持つように声かけをしたことだと思います。子どもたち自身が外遊びに限らず、楽しいことを自ら発見・創造出来れば理想的だと思います。理想ですが。(関東)
💙小学校の建物内に教室があり、そこでは入りきらないので隣の教室も借りています。トイレは体育館しか使えません。今年は毎日熱中症警戒アラートが出ていた為、1日も外遊びが出来ませんでした。体育館でも開放してもらえればそこで思いっきり遊べますが、窓の開閉が支援員では出来ないので、暑すぎてできません。
トイレに行くだけでも汗だくなのです。日直の先生が週に何日かだけでも協力していただければ、子ども達も発散する場が出来ると思うのですが、難しいようです。体力の有り余っている子ども達(特にやんちゃな子達)は、室内遊びだけではちょっとした事でぶつかったり、本来の遊び方ではない室内遊びを生みだしたりして、危険を感じる事が何度かありました。その度に注意したり、話し合ったり。それもまた経験かもしれませんが、一応体育館という場が近くにあるので、使用できる状態に協力してもらえたら、もっと楽しく過ごせるかと思いました。学童は子どもの安全で安心な居場所というのが大前提なのに、あまり学校と連携が取れてないのが残念です。他の地域の学童はどういう対策や連携をしているのかが気になるので、アンケート結果を見てみたいです。(中部)
💙警戒アラートがほぼ毎日出ていたので期間中外遊びは数回しかなかった。体育館は大体使えたが窓を開けて扇風機を回してもとても暑く子供も指導員も汗だくになっていた。(九州・沖縄)
💙新たなカードゲームやボードゲームを夏休みが始まって外で遊べない日に少しずつ出す工夫をした。小学校隣接の公設公営の学童のため、学校閉鎖日以外は体育館を貸してもらい、熱中症指数を見ながら、外はダメだが体育館は窓を全開にする事で使用ができる日も多くあった。(近畿)
❤余裕のある施設ですので、雨天や熱中症アラートの出ている日は室内スタジオを利用できます。(中部)
🤍16時から日陰が出来るので、外遊びができました。外遊びの時間は30分くらいで、室内に入ったら塩分チャージをあげていました。(関東)
❤熱中症の表を作って、それぞれに快適、注意、厳重注意、危険などの文字と共に、低学年でもどのくらい危険なのかすぐにわかるように、顔をつけて表しました。外で、熱中症指数を測ってから、その表を合わせます。それを見て、子どもたちは納得してくれます。何日か遊べない日がありましたが、誰1人文句も言わず、部屋で遊びましたよ。ついでに、空気の表も作りました。効果がスモッグも発令されたりするので、気温だけでなく空気の状態も外遊びができるかどうかの基準になりますから。(中部)
❤猛暑が続いて朝の涼しい時間だけ外遊びをしました。日陰で20〜30分おきに休憩したりしました(帽子タオル水筒の3点セット持参)。体育館の方が熱がこもって昼から夕方まで遊べない日がほぼほぼでした(計測器使用)。 暑いと熱中症だけでなくケガも増えるのではないかと心配の毎日でした。気温上昇で室内に居てほしい時間の遊びを工夫しました。もちろん体育館にエアコンをつけてもらえる訳ないですが、思いっきり遊べる時間が減るとなると、来年以降の夏休みも心配です。(東北)
💙低学年が多く、体力的にも心配だったので、ほとんど外遊びをせずに、室内で過ごしました。暑いから出れないだけじゃなく、どうして出れないのか、熱中症の危険、命に関わることの話をきちんとして、納得してもらっていました。室内で走り回って、転ぶ、ぶつかる等の事故もありました。外に行きたい子は、外の様子をよく見ていて「先生、今太陽隠れてるよ!5分だけ行かせて!」って言う時もありました。そんな時は、ホント5〜10分だけ行かせていました。汗だくになってニコニコ帰ってきました。日が暮れて、お迎えの時に外で遊んでいる子をよく見かけました。お母さん方は見ながら、立ち話タイムでした。(関東)
❤室内運動場がありそこで体を動かせた。(近畿)
❤アラートが出ていても、夕方16:30から17:00は比較的毎日外で遊びました。体育館の大きな日陰があったので、こまめに水分とらせながら日陰の中で遊びました。熱中症にはヒヤヒヤしましたが、少しでも外に出られる方がいいだろう、とやっていました。幸い何事もなく無事に夏休みが終わりました。雨の日などは室内のレイアウトを変えて、足当てや集団遊びをしたりもしました。ただ、そんな風にできない施設は辛いだろうなと思います。(関東)
❤学校の運動場の片隅にある学童なので時間を短め(外遊び20分、部屋で休憩30分とかにしてた。休憩中はもちろん部屋遊びしても良いにして外遊び自体は一応出来たかな。でもさすがに33度ぐらいを超えたら職員もためらうし子どもがそもそも外に行こうとしない。また、遊びが中断されるので「遊び切った」かと言われると正直、消化不良。そういう意味では部屋遊びの方がしっかり遊べてたかも。怪我の功名と言うと怒られるかもですが、毎年夏休みは体力との闘いみたいに滋養強壮系の錠剤や休憩は必ず1時間しっかり取る!悩みや困った事など溜め込まないなど気力•体力とも温存?して行こうとしてましたが、外遊びの時間が減ったので体力的にそこまで疲れなかったです。外遊びでは水遊び系(水鉄砲とか)を増やしたりしましたが、逆転の発想で部屋でじっくりして遊ぶ物(普段は出来ない300ピース系のパズルや工作など)を充実させたりコマとかけん玉を盛り上げたりしたので子ども達からは外行きたいという声が出て困ったというのはそれほど無かったです。個人的には学校がハチ対策をしたのでアシナガバチやスズメバチなどがほとんどいなくなって(毎年1匹か2匹捕獲してペットボトルにいれて子ども達に見せてました)、少し寂しかったです。(近畿)
💙学校校庭内の施設です。学校に許可を貰い、9時から10時に外遊びの時間をとりました。内容は日影になる校庭内の樹木の下で虫探しなど。満足の出来る活動とは言い難いですが、少しでも外に出られるようにしたかったので。その後10時から学習時間としました。学校の体育館などを借りられたらもっと活動の幅が広がるのにと思います。(関東)
💙遊戯室でのボール遊びなど、エアコンが効かないので時間を区切ってやる、休憩を多くとるなどした。職員配置の問題で、教室にこどもたちがすし詰めになると、やはりこちらもエアコンが効かなくなり暑い。水遊びも4回ほどしたが、休憩の取り方も難しい。日陰もなく、風も吹かないなかで、どうやって体を休めるのか。悩んだ。(中部)
💙ある保護者の独自の考え方で毎日外に行かざるをえませんでした。その方の考え方として、子どもは外に出てこそ健康。外で暴れ回るから熱中症になるんであって、木陰で静かに本を読んだりじっとしてれば熱中症にならないというお考えでした。誰も逆らえず、毎日1時間外に行く事になりました。仕方なく、大量の水分と電動扇風機、塩分タブレット、大量の保冷剤を毎日持っていきました。(中部)
💙1部屋につき70名、2部屋ため計140名の子どもを1部屋あたり3〜4人の指導員で運営しています。夏休み開始直後は10時〜12時40分までのお昼ご飯(男女で前半組と後半組で交代)、14時40分〜15時までおやつ(お昼と同じく交代制)を除き16時50分までは外遊びがメインでしたが、熱中症対策により8月より外遊びは原則15時以降、それまでは部屋もしくは体育館で遊ぶ(冷風機×4台で対応)でした。
しかし、冷風機に使った水を排水しきれず残る水がカビ臭くなり、子どもたちの健康被害に影響を及ぼしてはならないので、お盆明けより学校の2教室をお借りし、当所から15時までは原則室内で過ごし、外遊びは15時以降で本日まで対応してきました。外遊びが好きな子どもたちが多いので、できるだけ外遊びをさせてあげたかったのですが、子どもたちの命を守るためにも、これで良かったのかと思います。長文失礼いたしました。(近畿)
❤大人数なので、地域の公園では遊べないのが日々の悩みです。ただ、外で遊びたい子もいますが、部屋でゆっくりじっくりと遊びこむ経験も沢山出来た夏でした。熱中症に関しては、気をつけていても室内熱中症になるくらい暑い夏だったので、子どもたちも外で遊ぶことを望まない子も多かったです。ちなみに外遊びは、夏休み中は水遊びオンリーにしていました。(関東)
💙外の日陰でカードゲームをやりました。たまには外に出ないとと思いまして。でも今年は特に暑かったです。(東北)
💙夏休みは学校施設の普段出来ないこと(クーラーの点検工事など)ここ数年必ずどこかしらの工事や作業が入るので暑さ対策もあるが学校内学童なので外遊びができなかったことは多々ある。外にいけるのは朝8:30~30分程度か夕方16時ごろかげが出来てからしか行けなかった。今年は人数が多いことが分かっていたので学校内の他の教室を借りることができたので学年別でその教室をつかえた。体育館にクーラーが設置されたので週に1回1時間程度だけ利用させてもらった。(近畿)
💙せめて、体育館を使いたかったのですが、吹奏楽部が練習に使うため、全く使えず。子どもらは狭い教室で暴れる→注意する→ストレスたまる、の悪循環です。(近畿)
💙学校の体育館を借りて、午前中はそこで遊び、スポーツドリンクタイムを設けてリフレッシュしました。(関東)
💙外で遊べないぶんストレスがたまるのと体力が有り余るのとで、室内で走り回ったり危険な遊びをする子が多くてとても困った。(中国・四国)
💙コロナ禍では禁止していた、他のクラスに遊びに行っていいよ、けん玉大会、夏まつり、工作(段ボールハウスなど)、などで乗り切った。保護者会からのおもちゃ(レゴやカプラ、カードゲーム、ボードゲームなど)が潤沢にある方だと思うので、子ども達からの不満は多くなかったが、体力的な事を考えると大丈夫なのか心配になる。(近畿)
💙職員間の考えの違いが悩みです。時間帯、日陰、風の様子、遊ぶ時間の長さなど工夫すれば外遊びできると思います。どうやったら外遊びできるか、子どもたちと考えて納得の上遊ぶ。長い一日の中で気分転換は必要だと思います。が、1人頑な方がいると(心配性、保身)一切ダメとなります。そしてその傾向が年々強くなってる気がします。(関東)
🤍外は暑いから室内に居たいけど、うるさいし、つまらないから外遊びに行く…みたいな子ども達の様子も。遊びの「引出し」が多い職員ばかりではなく、課題感を感じました。(関東)
💙大きな行事としてはドッジボール大会を計画し練習する。あとは週代わりで継続して遊べるものを提供し、夏休みの終わりに頑張ったで賞を渡す。ちぎり絵や塗り絵、スポーツテストなどです。(近畿)
❤事前に学校の先生にお願いし、部活の練習など入っていない日は全て学童が利用できるように保護者、地域の方に学校よりメール配信して下さいました。アラートが出てれば、体育館にエアコンを入れドッチボールや、バスケ、鬼ごっこ、バドミントンなど、学校の体育館にあるものを使わせてもらい遊びました。熱中症対策で20分遊んで10分エアコンの吹き出し口の下でクールダウンや水分補給、もちろん塩分タブレットや、おやつにアクエリアスを提供しました。(関東)
❤熱中症警戒アラートが連日のように出ていたため、午前中でも30度を超える日が続き、体育館の窓やドアを開けても暑さが逃げず室内活動が多かったです。警戒アラートが出ていない日は午前中に校庭や体育館で遊びましたが、校庭の場合はなるべく日陰で遊ぶよう声かけしたり、20〜30分ごとに水分補給タイムを設けたり、塩分タブレットをクラブで購入して子どもたちに食べてもらったりしました。水筒の中身がなくなった子のためにジャグに麦茶を作って校庭などに持っていって、水分補給ができなかった、という事態にならないようにしました。それでも夏休みが始まってすぐ(8月上旬)に低学年の子数名が、熱中症様症状になってしまい、遊びに夢中になっている子どもたちはのどの乾きや暑さ、疲れが感じにくくなっているので、特に低学年の子どもや暑熱順化できていない時期は、より気をつけなければならないと思いました。(東北)
❤外遊びや庭でプールができない時は、特別に室内で出来るイベントなどを皆で考えてしていました。(おやつを使ってのお祭りごっこやお店屋さんごっこ等)レジンやプラ板等。(九州・沖縄)
💙外遊びは朝の早い時間や午後の少し遅い時間等に30分程度していました。しかしその時間帯でもかなりの暑さだったため、やむを得ず外遊びを中止することが多かったです。悩みとしては、夏休みよりも学校が始まってからの方が子どもの荒れが酷くなっているように感じます。暑さによって学校でも外遊びや体育館遊びが禁止されており、そのストレスが学童へ向いているのと、夏休みと違い放課後の僅かな時間で遊び込むことができていないのかなと感じています。(東北)
💙中々夏休みは、公園などに行くことができなかったため室内でボール遊びができるスペースがあるため体をなるべく動かしてストレス発散をした。(関東)
💙15分に1度の水分補給と30分ごとに室内でクールダウンでも45分が限界でした。子どもたち自ら室内に戻ることもあり、異常な夏でした。(関東)
🤍熱中症対策は計測と水分補給、塩分補給と細かな休憩 20分ごとに休憩して体調管理し、午前中と午後には必ず外へ出しました。暑すぎるのは大人の感覚。この暑さが日常になる未来を生きるこどもたち。いかに工夫して外で楽しくすごさせるか。適度に暑さの負荷をかけながら、こどもたちに暑さへの耐性をつけてあげることも、こどもたちのためです。(近畿)
💙早い時間(10時すぎ)に日陰でシャボン玉をしました。指導員の関係で一度しかできませんでしたが、近くの公園で水遊びしました(せせらぎのある公園)。(関東)
💙外遊びは暑すぎて中々出来ませんでしたが、体育館を利用したり、水遊びなどのイベント、また室内では制作、子供たちで考えたイベントも行いました!(九州・沖縄)
💙来所人数が多いため、外遊びまたは体育館遊びが必須で、午前中の早い時間は外遊び、その他の時間帯は学年別で体育館遊びを行っています。(関東)
💙暑すぎて、大変でした。狭いクラブ室内に監禁状態で、酷いものでした。環境が悪すぎます。人数などやいろいろな基準を決めて、学童保育を何とか良くするように、考えてほしいです。(中部)
💙外遊びは WBGTが28以下でなければ出られず、今夏は午前中の早い時間(9時前まで)に数日あっただけでした。子ども達は遊びたがっていましたが 熱中症が心配なので 仕方ないですね…おもちゃに飽きた子は 工作や編み物などをして過ごしていました。部屋で過ごす子の人数が少なくなってからは卓球をしました。今年度から遠足が復活、と言っても近場のプラネタリウムですが…お出かけは気分転換になったのでは、と思います。支援員がマンカラ大会を企画したのをきっかけに 神経衰弱、オセロ、スピードの大会を4年生がアイデアを出し合い開催してくれました。こちらから何かを提供するばかりでなく、子ども達のアイデアを取り入れる事が出来、夏休みならではの楽しみ方ができたのかな、と思います。長い夏休み、お疲れ様でした^^(中部)
💙体育館は使用出来るが見張りが大変。エアコンはあるが冷えるまで時間がかかるので途中から使わなくなりました。(関東)
💙人手不足解消のために3部屋を2部屋体制にて対応、空いた部屋は冷房強めに入れて、体調不良の子どものレストルームにした。電気代高騰の折、光熱費の補助やミスト等の暑さ対策にお金を出して欲しい。(関東)
💙施設の広さに対して、子どもが多い。3年、4年生39人に対して、支援員2人は適正人数なのか知りたい。外あそびができない日が多かったので、室内でレクリエーションを実施した。(中部)
💙室内での自由遊び時間が長くなると、ケンカやトラブルが起こりがちに。リセットタイムと称して、すべてのおもちゃを片付けて、集団遊びやインドアスポーツを楽しむ時間を設けました。うまく気分転換できたと思います。ただ高学年は、物足りないようでしたし、一斉での活動を嫌がりました。(中部)
💙外あそびは、日陰のみとする。(中部)
さいごに
アンケートにご協力いただいた皆さん、あらためましてお礼申し上げます!
アンケート結果や皆さんからのご意見は、学童保育現場で働くたくさんの支援員の方々の参考になると思います。お忙しい中ご協力いただき本当にありがとうございました。
私は、「異常な暑さ」の中、子どもたちの安全と健康に最大限注意を払いつつ、子どもが満足して過ごせるためのギリギリの工夫をしている支援員さんたちの姿や、室内遊びを充実させるために子どもたちの意見をもとに楽しい企画を考える支援員さんたちの姿勢から学童支援員の仕事が大変なだけでなくやっぱりやりがいがある大切な仕事なんだと感じさせていただきました。
さいごに、今回のアンケートを通して私が考えたことや課題に感じたことを少しだけ書きたいと思います。
異常な暑さは学童保育の課題をより深刻にしている
もともとアンケートを実施した動機ともなったことですが、私は、この夏が本当に大変だと感じました。利用児童数が増加する中で、年々夏休みが大変になっていると感じています。
「異常な暑さ」は、もともと大変な夏休みの学童保育に深刻な影響を与えています。そして「大規模化×施設環境×人手不足」などその他の要因と重なって二重苦・三重苦といった状況を作り出しています。
そういった状況を現場の支援員の工夫や努力だけで克服することは限界があります。
しかしながら、各施設の実施状況の多様さから、支援員の困り感にも温度差があると感じました。
誤解のないように言っておきますが、困らなかった支援員さんがいて嬉しいです。安心して過ごせた子どもたちがたくさんいたことも嬉しいんです。努力と工夫でこの夏を乗り切った支援員の皆さんのことを尊敬します。
けど、それとは別に、多様な実施状況がある学童保育の現状に難しさを感じています。
地域ごとに詳細なアンケートを実施してほしい
今回のアンケート結果は地域ごとの回答者数に偏りがありました。
関東の皆さんには特にたくさんのご回答をいただきました。
そのため、地域ごとの傾向を得るにはいたりませんでした。今年の夏休みに関するアンケートをぜひ地域ごとで実施して(自治体が実施してくれたら一番嬉しいですよね)、各地の課題を浮き彫りにするとともに来年度に向けた対策を考えてほしいと思っています。
「体育館」の使用状況が様々であることについて
自由記述の欄で特に目立ったのが「体育館」というワードでした。確かに学校敷地内で実施されたり学校に隣接している施設も多く、夏休みに学童保育の子どもたちが体育館を使用できるというのは大きいですよね。
ただし、そんな体育館の使用状況も様々な実態が見られました。「使えない」や「使えはするけどクーラーがないから暑すぎて大変」という意見もあれば、クーラーのある体育館で用具も貸してもらえるというところなどがありました。
私は、
同じ小学校の子どもたちが夏休みに体育館を使えない理由があるなら、その「理由」を克服する努力をしたい!
って思いました。
行政にも考えてほしいし、支援員も保護者や地域の方と力を合わせて体育館が安心できる状態で使用できるように学校や自治体に働きかけることができるのではないかと思っています。
そもそも外遊びって必要なの?
あと、今回のアンケートは外遊びができることがいいってことが前提となっています。それは「外遊びができないと室内で過ごさなけれなならいから」という理由が大きいのですが、そのような消極的な理由だけでなく、外遊びがなぜ子どもに必要なのか、子どもの成長や発達にどんな影響があるのか、ということを言語化してしっかり発信していける支援員でありたいと思いました。
そのためには、外遊びに限らず「遊び」全般に関する理解や知識を深めることも大切だと感じています。
「暑いなら室内で過ごしたらいい」「室内で遊べないなら読書や勉強をしていたらいい」と言われた時に、なぜ学童保育で遊びや外遊びが必要かを理論立てて説明できる支援でないといけないと思うんです。
ちなみに、放課後児童クラブ運営指針では、「遊び」について以下のように記されています。
「放課後児童クラブでは、休息、遊び、自主的な学習、おやつ、文化的行事等の取り組みや、基本的な生活に関すること等、生活全般に関わることが行われる。その中でも、遊びは、自発的、自主的に行われるものであり、子どもにとって認識や感情、主体性等の諸能力が結合化される他に代えがたい不可欠な活動である。」(「放課後児童クラブ運営指針第2章 事業の対象となる子どもの発達 4児童期の遊びと発達」より抜粋)
皆さんに読んでいただきたい記事のご紹介
さいごに、「異常な暑さ」のもとでの学童保育の夏休みに関する、専門家の方の記事をご紹介します。
「日本の夏はこれからも酷暑。災害です。こどもと職員を守るため、施設整備や過ごし方に、新たな基準が必要です。」(あい和学童クラブ運営法人HP:代表ブログより)
今年の夏休みに苦労された支援員の皆さんにぜひ読んでいただきたいです。
最後まで記事を読んでくださりありがとうございました。
それでは、皆さん、夏休みは本当にお疲れさまでした。
年度後半も子どもたちのためにがんばっていきましょうね。