2025年1月22日に、こども家庭庁より改正版が発出された「放課後児童クラブ運営指針」の中に、「スーパーバイズ・コンサルテーション」と「スーパービジョン」が新しく記載されました。今回の記事では、この二つの用語の概念と現場での活用について解説します。


先輩!放課後児童クラブ運営指針に書いてある「スーパーバイズ・コンサルテーション」って何?

私も耳慣れない言葉だったから調べてみたわ。一緒に勉強しましょう。
放課後児童クラブでは、こどもたちが安心して過ごせるように、放課後や学校休業日の生活を支援します。そのためには、支援員が必要な知識やスキルを身につけ、一人ひとりに合った関わりをすることが求められます。
こうした支援員の取り組みを支える仕組みとして、「スーパーバイズ・コンサルテーション」や「スーパービジョン」が放課後児童クラブ運営指針に盛り込まれました。
今回は、これらの考え方や制度の内容、そして現場での活用方法についてわかりやすく解説します。
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目次
1. スーパーバイズ・コンサルテーションとは
一般的な意味
「スーパーバイズ(supervise)」とは、指導や助言を行いながら支援することを指し、「コンサルテーション(consultation)」は専門家による相談支援を意味します。放課後児童クラブにおける「スーパーバイズ・コンサルテーション」は、現場の支援員がより適切にこどもと関わることができるよう、専門家(専門機関)が助言やサポートを行う仕組みです。
わかりやすく言うと…
現場でこどもと関わる支援員が「こんなときどう対応したらいいんだろう?」と困ったときに、専門家や専門機関、経験豊かな職員が後ろから支えてくれる仕組みが「スーパーバイズ・コンサルテーション(後方支援)」です。
どんな人が支えてくれるの?
- 臨床心理士や公認心理師
- 特別支援教育の専門家
- 作業療法士
- 理学療法士
- 言語聴覚士 など
何をしてくれるの?
内容 | 具体例 |
---|---|
助言 | 「この子の行動にはこういう理由があるかも」「こう関わってみては?」 |
情報提供 | 発達に関する知識や支援方法の紹介 |
支援方法の見直し | 個別支援の方法を一緒に考えたり整理したりする |
支援員の気持ちの整理 | モヤモヤや不安を受け止め、精神的なサポートも |
放課後児童クラブのこんな場面で活用できます
- 落ち着かないこどもにどう関わればよいかわからない
- 発達に特性のあるこどもへの支援方法がうまくいかず悩んでいる
- こどもの支援方針について他の職員と意見が分かれている
- 保護者対応が難しいと感じている
2. 「スーパービジョン」とは
「スーパービジョン」とは、福祉や教育、医療などの専門職の分野で使われる言葉で、実践を行う支援者に対して、経験や専門性を持つ指導者(スーパーバイザー)が助言や指導を行い、支援の質を高めるための仕組みです。
スーパービジョンの目的
- 支援の質の向上
現場での対応が適切かどうかを一緒に考え、より良い支援の方法を探ります。 - 支援員の成長と学び
悩んだことや困ったことを振り返ることで、自分の支援の力を高める学びの場になります。 - 精神的なサポート(エンパワメント)
支援員が孤立せず、自信をもって支援に取り組めるよう、心のケアや支えにもなります。
どんなときに行うの?
- こどもの支援に行き詰まりを感じたとき
- 気になるこどもへの関わり方を見直したいとき
- 保護者との対応で悩んでいるとき
- 自分の支援のあり方を整理したいとき など
スーパービジョンの方法
形式 | 内容 |
---|---|
個別スーパービジョン | 支援員1人とスーパーバイザーが1対1で話し合い、支援内容を深く掘り下げて検討します。 |
グループスーパービジョン | 複数の支援員で事例を共有し、互いに学び合いながらスーパーバイザーの助言を受けます。 |
オンサイト(現場型) | 実際の活動場面をスーパーバイザーが観察し、その場で助言やフィードバックを行います。 |
放課後児童クラブにおけるスーパービジョンの意義
- 発達に特性のあるこどもへより適切な支援ができるようになる
- 支援員同士で経験や知識を共有できる
- 職員の不安や負担感を減らし、チームとしての力が高まる
- こども・保護者・支援員、すべての人にとって安心できる支援体制が整う
3. まとめ(現場への浸透に向けた課題)

以上です。どう?理解が深まったかしら?

正直言って、めっちゃいいと思います。こんな仕組みがあったら!
放課後児童クラブにおける「スーパーバイズ・コンサルテーション(後方支援)」や「スーパービジョン」は、支援員が専門家や専門機関に相談し、助言を受けることができる仕組みです。現場の支援員がこれらを活用することにより、こども一人ひとりに合った、より適切な支援が可能となります。
令和7年度の放課後児童クラブ運営指針の改正で、こうした仕組みが新たに明記された背景には、近年、放課後児童クラブに通うこどもが増え、発達に特性のある子どもや特別な支援を必要とする子どもなど、さまざまな子どもたちが過ごす放課後児童クラブにおいて、すべての子どもが安心して過ごせるように、支援員が必要な知識やスキルを身につけることや、支援員自身を支える体制がより一層求められていることがあげられます。
また、令和6年に改正された児童福祉法では、児童発達支援センターが地域の支援機関(放課後等デイサービスや保育所など)に対して、スーパービジョンやコンサルテーションを行う役割が明確化されました。こうした法改正の動きは、今回の放課後児童クラブ運営指針の改正にも影響を与えています。
現場への浸透に向けた課題も・・・
スーパーバイズ・コンサルテーションやスーパーバイズなど現場を支える仕組みが、放課後児童クラブの現場に浸透するまでには、課題もあります。
①専門的人材の確保や育成
すべての放課後児童クラブで、支援員が必要なときにこれらの制度を活用するためには、スーパーバイズを担う専門家や、経験豊富な人材の存在が欠かせません。
たとえば、児童発達支援センターがスーパーバイズやコンサルテーションを行う場合、保育所や放課後等デイサービス、児童館、放課後児童クラブなどの現場からの要請に、速やかに対応することが求められます。
そのためには、各地域に十分な数の専門的人材を配置する必要があり、専門的人材の「確保」と「育成」は、非常に重要な課題です。
②制度や仕組みの理解不足
「スーパービジョン」や「スーパーバイズ・コンサルテーション」といった言葉は、まだ放課後児童クラブの現場ではなじみが薄く、その意味や活用方法について、支援員や施設管理者が十分に理解していない場合があります。
そのため、どのような場面で相談すればよいのか、どのような機関が相談先となるのかを、具体的な事例を交えてわかりやすく伝えるとともに、実際に活用できるようガイドラインを整備するなど、現場に広く周知する取り組みが必要です。

財源確保や地域の支援機関の連携体制も必要だと思う。一日も早く、現場でこれらの制度が活用できるようになってほしい!

課題もあるけど、ともかく運営指針に書かれたことは、大きいっす!